結果発表ぅー!!
試験結果の公開の日がやってくる。
公開地は本校舎の敷地内で行われているため、俺たちも本校舎に足を運んでいる。
「うわー、ドキドキしてきた。 レム……大丈夫かな? 大丈夫だよね」
「落ち着けって、試験はうまくいったんだろ?」
「う、うん。 そうだけど……そうだったのかな」
「いや、会場違ったしなぁ。 まぁ大丈夫だって」
「う、うん。 あっ、あの掲示板だよ」
ナギサが指差す方向に、大きな掲示板があり、数字が羅列されている。
受験番号で評価されているのは、名前を公開しない配慮だろう。
「12番……あるな。 ナギサは89番だっけ?」
「う、うん」
「目を瞑っていて見えてるのか?」
「怖くて見えない……代わりに見て」
「はぁ? 分かったよ……あっ!?」
「えっ? なに……なに?」
「……お前の番号、ないぞ」
「えぇ!? 嘘でしょ……あるじゃんかっ!! もうー」
「自分の運命に関わることを、人任せにしないことだなー」
「それっぽいこと言ってーー、このっ、このおっ!!」
ぽかぽかとナギサに殴られる。
いて、いてて。
そんな茶番を繰り広げていると、後ろから声をかけられる。
聞き覚えのある透き通った声だった。
「あの、レムだよね」
「えっ? あ、ローラだ。 本物かな?」
「私の偽物なんているの? 全く相変わらずね。 で……そちらの女性は?」
「えっ? 女性……あぁ、俺のこれだよ」
小指を立ててみせる。
「えっ? あぁ、そうだよね……うん、お似合いだと思うよ」
「ちょっとちょっと、勘違いしちゃってるじゃん。 大丈夫ですよ。 そもそも僕、男なので」
「え? 男……それは嘘ですよね」
「はいっ!? 男なんですけど?」
「男の人はブレザーにミニスカなんて履きません」
「あっはっは。 こりゃ一本取られたなナギサ」
「「元はと言えばあなたが適当なこと言うのが悪いんだよっ!!」」
こりゃあ、この2人は仲がすぐに良くなりそうだ。
「とりあえず、クラスの方に行ってみようぜ。 あったの掲示板にクラス分けがされてるから」
「……分かったよ」 「うん。 行こう」
俺は、2人をたしなめて、もう一つの掲示板へと向かった。
そこには、名前の横に番号が書かれている。
俺が1番で、ナギサが5番。 ローラは3番か。
「同じクラスだな……この番号は」
「……あなたがレムさんでいいのかしら?」
隣から女性が話しかけてきた。
こいつは確か、アリアだっけ。
掲示板を横目で見ると、2番が与えられてる。
「あぁ。 アリアだな。 よろしく」
「はい。 それにしても、1番だなんて流石ですわね」
「ん? あぁ、これって何順かしらないけど、すごいのか?」
ガシリと胸ぐらを掴まれる。
「こ、の、私を差し置いて1番を取ったのですよ。 何順かしらない? 教えて差し上げますわ。 成績順なの。 試験のね」
「あ、そうなの。 で、放してくれないかな? ほら、みんな見てるし、仲が良いと思われるよ?」
「それは好都合ですわ。 あなたが本当に優秀であれば、恋仲になりたいと思ってましたの」
「へ、へぇ。 でもね、その告白は場所を選んだ方がいいかなぁ。 ほら、2人が睨んでいる」
今の告白? を聞いてナギサとローラの目がこちらを睨んでいた。
怖い。
「そう、ですわね。 あなた達も同じクラスなのかしら?」
「え、えぇ。 そういうことになるね。 僕はナギサだよ」
「私はローラだよ。 よろしく」
アリアは掲示板を一瞥した後、2人に歩み寄った。
「お二人とも優秀じゃないの。 私、同性の友達が欲しかったの。 私でよければ……なってくださらない?」
「え? あ、うん。 いいけど」
「まぁ、友達に!! いいよいいよ。 なろう」
警戒を続けるナギサとは裏腹に、ローラはすごく友好的であった。
城の中から出ることを許されていない分、友達が増えるのが嬉しいといった感じかな。
オリエンテーションも始まっていないのに、波乱万丈な学校生活が待っていそうな予感がした。
ブクマありがとうございます




