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僕達の日常  作者: さきち
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元旦

元旦の朝、家族にあけましておめでとうございますと挨拶する。なんだか照れ臭く感じてしまうのは僕だけだろうか?

福茶を飲む。梅干しの酸っぱさが、お正月が来たと感じさせた。


姪っ子が起きて来た。用意していたお年玉をあげる。わぁ。プリンセス!と言って喜んで、母親の元にかけて行く。3歳の女の子なので、中身よりもポチ袋の方が重要だ。海外アニメーションのプリンセスのものにして正解だった。もちろんリサーチの結果なのだ。


姉の明美がマンションの整理は進んでいるのかと聞いてきた。

「まだかかりそう。」

僕は答える。

「そう、手伝おうか?」

「姉さんの方が忙しいから良いよ。」

手を煩わせるのは申し訳ない。


ピロンとスマホが鳴った。後輩の青木からあけましておめでとうございます、とメッセージが来た。こういう所はマメだよなアイツと感心する。おめでとうと返信するとまたピロンと鳴った。また青木かと思ったら、意外な人物からで心臓がドキリと跳ねた。

白石さんからお雑煮の写真と、あけましておめでとうございますとメッセージが来た。

いやいや、ただの挨拶だ。びっくりする様なことは何もない。何故か自分に言い聞かせている。

写真のお雑煮は白味噌仕立てで、焼いていない丸餅が浮かんでいた。あけましておめでとうと返して関西風?と付け足す。すぐに返信が来て、母が関西出身なんですとの事。

へぇそうなんだ。

そう言えば、テンポ良く会話が弾んだかも。結構突っ込まれていた様な。気のせいかもしれないが。


姉がお雑煮を運んで来た。家の雑煮は澄んだつゆに焼いた角餅が入っている。人参と大根も入っていて、上には青菜も乗っている。早速写真を撮って送った。

「何だか楽しそうね?」

もしかして顔がにやけていたか?

「…別に。同僚からメッセージが来ただけ。」

真顔を意識して、なんでもない風を装う。

「ふぅん。女の子?」

「……。」

「ふっ。図星か。」

「…一度ラーメン一緒に食べただけだから。」

別にそんな勘ぐられる様な関係じゃないし。

「二人で?」

「……。」

「まぁ、頑張んなさい。脈あるかもよ?」

そう言い残して、姉は去っていく。エスパーじゃないかと昔からたまに思う。僕はあまり表情が顔に出るタイプでは無いのだが、姉にはお見通しらしい。


脈あるかなぁ?

僕も姉を手伝ってお雑煮を運ぶ。ここでじっとしていると母や姉から嫌味が飛んでくるので、身体が勝手に動いてしまう。

全員分のお雑煮が揃ってみんなが食卓に着いた。

「いただきます。」

僕はお雑煮を食べる。毎年変わらず美味しい。

彼女の家のお雑煮はどんな味がするんだろうかと思った。

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