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僕達の日常 作者:さきち
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俺とガキと彼女(番外編)

 梅雨明けした七月の空は青く高く、明るい日差しが地面に降り注いでいた。それと対照に建物の影は濃く、日陰に入ると体感温度がこれ程違うのかと改めて思い知る。街路樹の木の葉を揺らす程度の風でも、涼しく感じてしまう。良い天気だけれど屋外では暑いので、今日は屋内デートになった。

 三回目のデートで、付き合う事を決めた俺たちだけど、名前を呼び合うようになった事と彼女の敬語が取れた事ぐらいしか変化はない。やる時は即行動を信条にしているのに、どうももたついている感じがして仕方ない。まだ手を繋ぐ事以上な関係じゃないなんて…、いつになく慎重になっている自分に、呆れるぐらいだ。


 昼前に待ち合わせをして、軽く昼食を済ませた俺たちだけど、莉子の表情が硬いのは何故だろう?何かしたっけ?

 彼女はお手洗いに立って、俺はそんな事を考えながらショッピングモールのソファーに腰掛けながら、莉子が戻ってくるのを待っていた。ふとスマホから顔を上げると、そこだけ光を纏った様に見える姿が目に入る。

 莉子はいつにも増して綺麗だなぁ…なんて、ヒラヒラ揺れる淡い色のスカートを目で追いながら、そこからチラリと覗く白い脚をぼんやり眺めた。彼女が俺の居る場所を目指して歩いてくれているだけで、なんだか嬉しい気分になる。今はそれだけで良い、焦っても仕方ないし…。

 彼女と俺の距離が5メートルぐらいに近付いた時だった。


 ふわりと彼女のスカートが舞い上がった。真っ白な太腿がチラリと見えて、目が釘付けになる。莉子は短くキャッと叫んで、スカートを抑えた。そこにニヤリと笑う小学生ぐらいのガキがいる!アイツが莉子のスカートをめくったんだ!

 赤い顔をした莉子はそこで立ちすくんでいる。

「何色か知りたい?」

 わざわざ俺のところに来て、ガキがニヤリと笑う。

「…!」

 こんにゃろう!付き合いたてなのを見透かした様な発言が、神経を逆撫でする。こめかみをグリグリしてやりたい気分になったけど、ぐっと我慢して平静を装う。俺は大人!目の前はガキ!そう自分に言い聞かせた。

 そんな俺の反応に興味をなくした様に、逃げる様に奴は去って行く。他の獲物を狙いに行くのかも知れない。

 正直に言えば、もちろんもの凄く知りたかったけど。そんな事を言おうものなら、目の前の彼女にドン引きされることは請け合いなので…。

「アイツ、常習犯だと思うよ?」

 悔し紛れに言ってみた。ガキだからって!ガキだからって!!ガキだからって!!!

「でも子供だし。」

 莉子は苦笑いだ。

「でも俺が同じことやったらダメだよね?」

「そうね、強制わいせつだもの。」

 強制わいせつという単語にビビる。付き合ってても!?付き合ってない場合の話だよね!?

「子供って狡い…。」

 ポツリと思わず漏れてしまった本音。結局何色だったんだろう?っていや、そこじゃない。

 それにしても、彼女がやけに素っ気ない。何か怒らせる様な事をしただろうか?身に覚えは無いんだけど。

「何で今日は、機嫌悪いの?」

「…別に。」

 莉子は視線を逸らす。

「何で今日は、笑ってくれないの?」

 しばらく黙っていた彼女は、視線を漂わせながら、迷う様に口を開いた。

「…私に隠してる事はない?」

「ないよ?」

「本当に?」

 莉子は俺をジッと見る。その瞳には、何故か不安が見て取れた。

「本当に。」

 俺、何か彼女を不安にさせる様な事を、しでかしたのだろうか?

「…ふーん。」

 莉子は、また黙る。チラリと俺を見てさり気なく言葉を放つ。

「木曜日の夜って誰と居たの?」

「木曜日の夜?」

 そう言えば…マリンちゃんの店に行ったら、丁度良いから買い物に付き合ってと言われて、荷物持ちをさせられたのを思い出した。ここぞとばかりに遠慮無く、重たい荷物や嵩張る物をどんどん買うんだからちゃっかりしている。

 まぁ、倉田さんの代わりの荷物持ちぐらいなら、別に苦痛でもないし。普段お世話になっているから、それぐらいはね。気遣いが出来る男だったら、女性の荷物を持ってあげてなんぼだと思う。あ、マリンちゃんは元男性だけど。

「知り合いに荷物持ちさせられた。」

「知り合い…。ふーん。」

 莉子は俺をジッと見る。マリンちゃんってその辺にいる女性より、女っぽいんだよね。しかも背が高いから目立つし…。誰かに見られていたのだろう。彼女の機嫌が悪かったのは、それが原因か…。

「妬いてくれたんだ?」

「……。」

 彼女の顔がみるみる赤くなって、横を向いてしまった。この込み上げてくる嬉しさを、どう言ったら良いだろう?

「ふーん、ふーん!そっか!」

 思わず顔がにやけてしまう。

「何で嬉しそうな顔?」

「だって、嬉しいから!」

 えっと、行き先は変更可能だろうか?もっとくっ付ける場所に行きたいんだけど…。頭の中はフル回転で、気持ちの行き場を探していた。

「やっぱり、ドライブデートに変更する!」

 彼女の手をしっかり握って、歩き出す。即行動!それが俺!

「え?今から?」

 驚いた顔の莉子。

「大丈夫!ちゃんと送るから!」

「…うん。」

 今日中に、と明言するのは避けておく俺って、狡いかなぁ?


 その後のことは、御想像にお任せするとして…。もうあんなガキを、羨ましがる事は無いとだけ言っておく。

 いつもお読み頂きありがとうございます。あなたはお家時間どうされてますか?私もご多分に漏れず、引きこもってます。でも元々引きこもり気味なので、あんまり変わらないですね。美術館に行けないのが辛いですが、仕事が生産調整で休業になったので、手荒れがマシになったのが良い事でしょうか。指紋が削れて無理だったけど、そのうちTouch IDが機能してくれるかも?と期待しています。買い物に子供を連れて行かなくなったので、スムーズに買い物出来るのも良いですね。

 ただ、時間があるので料理のレパートリーが増えました。前から作ってみたかったガパオライスやタコライスなどなどです。ワンプレートだと楽なんですよね。

ですがそんなものだと物足りなくなって、セレブの食べ物だと思っていたキヌアにまで手を出す始末です。気が付いたら、ネットでポチってました。もう末期でしょうか?(笑)いや、美味しかったんですけどね、キヌアのサラダ。メインは普通に焼鮭とかなんで、お洒落になりきれないのが私です。

 こんな時なので、少しでも和んでもらえたら嬉しいです♪ではまた☆


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