魔法事故
クリスタ女学院に入学が決定してから1週間がたていた。
トウヤはいつもと変わらないように日々を過ごしていた。いつも通りの武術のトレーニング、いとも通りの魔法制御のトレーニングをこなしていた。
普通は魔法のトレーニングはまず簡単な初級魔法を覚える。
例えば初級魔法「ファイヤーボール」を放つと初心者の場合は火の玉が出て的に当たり焦げ目が出来る程度なのだ。しかし、初心者が放った「ファイヤーボール」は威力が弱いこれを改善させるには魔力を上げるのが必要なのだ。
魔力が上がると威力、スピードが上がっていくのだ。最初はキャッチボール程度のスピードから1週間もすれば大リーガーも青ざめるスピードになってくるのだ。魔力をあげる方法は単純で魔法を限界まで使うことだった。
一人一人魔力の量は違うが穴を拡げるように使える量を増やしていくのだ。
トウヤはトウカ・イザナに変装し王都の外にエリサと共に来ていた。
「学院に入学する前にもう少しこの国に余裕を作りたいな。」
そうトウカが呟くと300Mほど先にある鬱蒼とした広大な荒れ地を見ていた。
ここはトウヤが生まれるよりもずっと前に放棄された農場の跡地だったのだ。
「ねえエリサここってなんで放棄されたの?」
「トウカ私が教えても良いけどせっかくなのでなんで放棄されたかクイズにしませんか?」
「クイズ?」
「はい、もし解ったらトウカの行きたがっていた所に連れていってあげますよ?」
トウカが以前エリサに行きたがっていたのは国とは別に運営されているギルド会館だった。しかしトウカの力を知っていたが冒険者といざこざが起きると面倒な事になりそうなので絶対に連れていって貰えなかった。
トウカは実は
「見慣れない男だな。そこのメイドを置いてけ。」
「……。」
「無視するな!ゴラッ!」
バキッ!!
と言うようなラノベに良くあるパターンに憧れていた。
「わかった!その勝負乗った!!」
そう言うとトウカは農地を観察した。
農地は遠目でも解るように荒れていた。
(とは言ったものの緑がまるでジャングルのようになっているし、栄養が無い訳でも無さそうだし。)
トウカは目に魔力を集中させ視力を強化させた。植物に目をやると全て同じ種類だという事に気が付いた。
(あれってもしかいて、、、。)
「もしかしてトウカ気付きましたか?」
「ああ、ようやくわかったよ。」
トウカは以前、王宮の図書館で見た事を思い出した。
「たぶん、この土地は<ビブサイ草>のせいで放棄されたのだろ?
<ビブサイ草>は光に当たると毒を発生させる毒自体はそこまで強く無いけど、一度毒を吸うと麻痺して動けなくなる。
だけどそれより怖いのは後遺症だからね。
後遺症は身体に残り突発的に麻痺してしまう。魔法で駆除しようにも人が近づくと魔力に反応して毒をこちらに飛ばしてくるからリスクを負いながら駆除しようとは誰も思わなかったのだろう。」
「ならどしますか?」
トウカはおもむろに前方に手を上げ
「こうする。」
トウカは魔力を集中させて広大な荒れ地を囲むようにイメージで太陽の光で照らすよう魔力を放出させた。
その瞬間光の柱が天より降り注いだ
ゴウシュ!!
荒れ地だった農地には光の熱により草一本残らず消滅させていた。
地面は所どころ溶岩のようになっていた。
生命力の強い植物は根が残るとそこからまた生えてくる事があるのでトウカは地面の下に届くように地面を焼きつくしたのだった。
トウカとエリサは農地に近づくと
「地面を焼きつくすとは、、、。相変わらずすごい魔法ですね。」
エリサはそう呟くと農地に目をやっていた。
「しかしこれじゃ作物がそだたないですよ。」
そう地面を焼きつくしたことにより本来、土の中にいる微生物までやいていたのだった。
トウカはおもむろに土の入った袋を取り出すと
「大丈夫。まあ、見ていてくれ。」
するとトウカは焼けた土地に意識を集中させるとそこに魔法を放った。
土属性魔法「アースシェイク」相手の足場を揺らし動きを止める程度の初級魔法だった。
しかし、トウカが使うとその範囲はかなり広く揺らした地面は液状化現象が起きていたのだ。
「さて、そろそろ。」
そう言うとトウカは魔力を目の前の空間に放った。
トウカは更に混ざった地面に風属性魔法「ウインド」に袋の土をのせ広大な土地にまんべんなく土を撒いたのである。
「後はあそこの川から、、。」
川に顔を向けると広大な土地に巨大なマスを作るようにイメージをし魔力を水に集中させた。
すると水は地面を削りながらイメージの通りが逆流させ水路ができていた。
その後、風で巻き上げた水を雨のように降らせたのである。
その様子を見ていたエリサは
「とてつもないですね。今のは最初に使った魔法はトウカのオリジナルの魔法ですし他の魔法は初級魔法でこれで力をかなり抑えているなんて普通は思いませんよ。」
「そうか?まあでも魔力を制御するの大変だから殲滅戦だったら活躍するけど市街地じゃ怖くて使えないよ。
それに、これからこの土地に魔力を送ってさっき撒いた土を活性化させるから見ていて。」
とうかは魔法により整備した土地全体を魔力で覆うようにイメージすると魔力を送り込んでみた。
すると草一本生えていなかった土地にみるみる草が生えてきた。良く見ると持ってきた土で育てていた作物もかなりの数が見つける事が出来た。
「あとは、この土地を仕事を探している日とに管理させれば大分収穫できそうだね。」
「さあ、そろそろ戻ろうか?」
そう言うとトウカは歩き出した。
「はい、帰りますか。」
エリサは少し離れた場所でそう言うとこちらに振り向き立ち上がった。
しかし、活性化した土地には草が生えて立ち上がろうとしたエリサの手を切ってしまった。
「きゃっ。」
エリサの手を見て血が出ていることに気付いたトウカは
「大丈夫?てを切っているようだし、よかったら魔法で治そうか?」
トウカの活性化の魔法を見ていたエリサは
「ええ、じゃあお願いします。」
トウカは傷口を水筒の水で流すと活性化させる魔法をかけていた。エリサは30歳を越えていたが見た目は若く20代前半に見えるほどだった。
(傷が残ったら嫌だな。ちょっと強めにかけておくか?どうせだし疲れがとれるように全身にかけておこう。)
そう考えたトウカはエリサの身体全体に魔力で覆ったのである。
トウカはエリサの傷口を見ながら全身に活性化魔法をかけていた。
暖かな光に覆われたエリサは身体の芯から熱を持って来ていることに気付いた。
完全にエリサの傷口が塞がり傷跡が残っていないのを確認しトウカは顔を上げた。
するとそこにはエリサの面影を残したエリサと同じ髪の色の少女がいたのだ。
少女は見た目14歳位だろう。エリサが消えて困惑しているトウカに、なにを驚いているのだろうと言う顔をしていた。
「トウカなにを驚いているのです?」
「っ!お前もしかしてエリサか!?」
「はい?私以外だれがいるのです?」
どうやら目の前にいる少女はエリサらしい
「え、エリサお前いま自分がどうなっているか把握しているか?」
「え?トウカに手の傷を治してもらったところですよね?」
「……そこの水路で自分の顔を見てみろ。」
そういうとエリサが水路に顔を見に行くのを見つめていた。
(やべ~!!どうしよう絶対に活性化させ過ぎたよ。)
活性化によりエリサは細胞のもっとも元気な状態になっていたのだった。
エリサは水面に写った顔が自分の顔だと理解するとトウカの元に駆け寄っていきて
「なんて事をするんですか~~~!!」
涙目になりながらトウカに詰め寄っていたのであった。
女学院に入学前に男だとバレないようにサポートしてくれるキャラが欲しかったのでトウヤの一番親しい人を書いて見ました。
ロリババアまでいかないですが需要があるか心配です。