latitude
仕事が終わって、フラッシュマン達も寝静まった頃、
久しぶりにサムと2人でジャスはスピリッツ(酒)を酌み交わした。
ジャスはグラス(ガラスの容器)を合わせ言った
「お疲れ」
サムは言った
「お疲れ様」
ジャスはスピリッツを大口で飲み込んで言った
「……美味いな。これの為に俺は生きているようなものだ」
サムは少し顔を赤らめて言った
「そうですね……。私もです」
ジャスは天井を仰ぐようにチェイスの背にもたれ掛かり言った
「なぁサム……自由とはなんだろうな?
このSciencityがいくら発展しようともマターケース(問題事)は消えない。
フラッシュマンの人数は増えるばかり、だが自由の名の下に子育てを全うしないZenymanを規制する事もできない」
サムは言った
「ジャス……。Zenyman達はある意味哀れだと思いませんか?」
ジャスは聞いた
「哀れ?」
サムはこたえた
「そうです――。Zenyman達はお金も自由も手にいれて、なんでも出来てしまう。
自分の為に投資する時間が余りあるでしょう。ですが、人は自分の事だけ見つめ
過ぎると自分が見えなくなる事があるんです。自分のすべき事に迷いが生じ、
自分がわからなくなる、人間とは不思議なものです」
サムは続けて言った
「Zenyman達は何故ソウルアート(芸術品、魂が込められた作品)を高値で取り引
きするかわかりますか? 本当は彼らは心のどこかで気付いて欲しているんだと
思います。魂が大事だと」
ジャスは納得いかないという表情をしている。サムは諭すようにたずねた
「ジャス今の仕事に、Sciencityに、迷いがありますか? ――Sciencityがなぜ出来たのか私は当初を知りません。ここから移動装置で20分も行った所に、Noworkerが多く暮らす地域があるそうです。今度のウイクエンドにそこの住人に話を聞いてきたらどうですか?」




