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<施設内>「お兄さん、僕のトゥーになってよ」
「私も、私もー」
ジャスにフラッシュマン達が群がって話をしている
施設に来たフラッシュマン達も大分、
子供らしく感情を出すようになった
ジャスはこたえた
「実は俺、サムの――」
フラッシュマン達はジャスがサムの養子
だと嘘をつくとたいてい諦める
フラッシュマンの少年は言った
「ちぇっ、3か4番目の僕のトゥーにし
てやろうと思ったのに。ジャスもサムが トゥーなら兄弟じゃんかよ」
フラッシュマンの少女はこう言った
「じゃ私とは婚約しよっ、サムは2人の証人❤」
フラッシュマンには、重婚や、幼年期を
過ぎた頃から結婚の権利が与えられる
……訳はない
「もうちょっと、ここが大きくなったらな」
ジャスはそう言って、胸のあたりを指差した
「いやぁ! ジャス変態。ロリコン」
フラッシュマンの少女は頬っぺたを膨ら
ませながら言った
「子供は子供らしく、子供同士、無邪気に恋愛してろ」
ジャスはそう言い返した
「サム~~。ジャスがいじめる、ょぅι゛ょって」
そう言ってフラッシュマンの少女は近くに来たサムに抱きついた
サムはニコニコしながら言った
「こら、こら、皆さん。ジャスが好きだからってからかうのはやめてあげて下さい」
「はーーい」
フラッシュマン達は一斉に返事をし、側を離れた
ジャスはキョトンとし、含み笑いをして思った
からかわれていたのは俺のほうだったのか
サムは言った
「フラッシュマンは小さい頃からRobotyに
教育を受けていて知能は高い事が多いんです。
だから、私も勉強しないと。FCTに入ってから知識を得る為、
本を読み漁るのが日課になりました」
困ったように微笑みながら、サムは続けて言った
「そうでないと、フラッシュマン達に(授業で)置いてけぼりに
されてしまいます。――それに私は、本は知識を得る為だけの
ものではないと考えています。教育のヒント(知恵)を得たり、
時には心を潤す為のものでもあるんです」
サムはジャスにたずねた
「ジャスは良く親に、本を読めって助言されませんでしたか?」
ジャスはこたえた
「――あぁ。そういえば、言われてたよ
うな……。今では仕事柄、嫌でも法に詳しくならないといけないけどな」
サムは言った
「あ! 失礼、そうでしたね。あなたは
フラッシュマンのガード(保護、監修者)。法のエキスパートでしたね」
サムは続けて語りかけるように言った
「法の勉強もすごく大事です。でも、本は不思議なんですよ――。
太古のエース(英雄、偉人)書や良書に出会った時、
吸収できるものがありますし、人に言われたら腹が立つ、
そんな場合でも、本に書いてある事なら素直に受け止め
られる時もあります。本は私の教育者なんです」
サムはフラッシュマン達を思い、警める様に言った
「ただ知識だけあるという事は怖いものです。自分には正義と思った事は、
他人には悪であっても簡単に実行してしまう。そこに、良い心を育んでいな
ければ、人間のあり方(善悪)はわからないでしょう」