tendency
ジャスは徒歩である場所に向かっている
吐いた息、排気物、
Sciencityではそれらを循環して元に戻すアトミック(O2⇄CO2循環)機能がある
それにより、
手間のかかる植物はなくなり、
かわりにトゥリーダイア(電飾で作られた木のようなもの)が
所々、オーナメント(美しく飾る為)設置されている
ジャスはあのケーキを食べて以来、
食に目覚め、
ブロク(いつでも動けるようなコンテナ)店で営業(違法)している
食堂によく行っている
定食を食べていると、客が店のビジョン(テレビ)を見ながら、
何か噂している
<ビジョンの声>「好みの顔、恋人にしたいランキングにRobotyがランクイン!!」
<客の声>「あのRobotyのモデルになった女優より、ランキング上だもんな
そら、俺(が同じ立場)だったらキレるわな」
外でクルザ(パトカーのような車)のサイレン音が聞こえる
瞬間、店主の動きが止まった
店主はお上に話しかける
「店、動かすか?」
お上は身を潜めて、外を伺いながら言った
「いえ――大丈夫よ」
<Sciencity中通り>「私はいつも人に笑わ
れてきたのよ、君には無理だって 、それ
でも頑張ってやってきた、やっとグラミー(女優業)をつかんだ。なのに――
私のRobotyより下だなんて!! どういうこと!! どう思うディレクト?!」
ディレクト=女優のマネージャー。ディレクトは宥めるようにこたえた
「まぁ、まぁ……、Robotyがランクインする事は最近ではよくある事ですし……」
女優は間髪入れずに言った
「女優は顔面じゃない、演技よ演技!
私はハートで一生懸命、演じてるの!!
そんな私よりあんな……無機質なRobotyがいいだなんて!!」
ディレクトは言った
「まぁ、でも元(のモデル)はあなたな訳ですし……、アムーンさんの評価はされてるかと」
アムーン=女優。Robotyのモデルになるくらい多少人気はある。アムーンは言った
「嫌! 納得いーかない!! 納得しない! しない!! しない!!!」
ディレクトは言った
「その性格が問題なんだよ」
アムーンは目を細めて言った
「何か言った? 聞こえてたわよ」
ディレクトはキリッとした顔でこたえた
「いえ。何も言っていません」
ジャスが食事を終えFCTに戻っていると、前を行くアムーン達が見えた。
近付くと、
アムーンは施設の前でサムと話をしている
サムがジャスに気付いて声をかけた
「ジャスー、お帰りなさい!」
「……ただいま」
ジャスはそう言い、誰だという目で
アムーンを見た
サムはジャスに言った
「あ! こちらアムーンさん、女優さん
です。以前ビジョン番組でFCTへの
寄付を呼びかけて下さった事が
あるんですよ!」
「へぇー……」
ジャスはアムーンを見ながらこたえた
サムは続けて言った
「それに各地のF(フラッシュマン)施設
を回るのが日課だとか! すごく、
熱心な方なんですよ!」
「あ! ディレクトさん中に置いてきた
ままでしたね! フラッシュマン達の
面倒を一人で大丈夫でしょうか?!」
サムは思い出したように言い、
施設内に戻って行った
ジャスはアムーンに会釈をし、
施設内に入った。アムーンもその後を
続くように中に入った
中に入ると、ディレクトが子供達に
もみくちゃにされながら子守りと格闘
している
サムはボウド(机)に人数分のティ(お茶)
を置くと、ディレクトに言った
「あはは、ありがとうございます
フラッシュマン達はディレクトさんが
好きなようですね」
「どうぞ、座って下さい」
サムはそう言い、後から来たアムーンと
ジャスにチェイスに座るよう促した
サムが座ると、アムーンはサムの横に
陣取って座り、話しかけた
「ねぇ、サム。サムって好みのタイプとか
ある? 例えば、ビジョンクター(芸能人)
とかでいうと?❤」
サムは悩みながらこたえた
「うーん、そうですねぇ。あぁ! 好きな
シアクター(映画俳優)ならいます!
ブルーノ・アクターです。男らしくて、
かっこよくて、マッチョ(筋肉質)で……
すごく憧れます」
それを聞いてアムーンは、目を細めなが
らジャスにたずねた
「ねぇ、サムって男好きなの?」
ジャスは言った
「――はぁ?」
そして思った
サムは大の女好きだが。シア(映画)の話
をすると止まらないからな……。まぁ、
この女面倒臭さそうだから、黙っておくか