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保護されたフラッシュマンの過半数は症状を回復する見込みがある
しかし、幼年期を超えた辺りからその比率は減少する傾向にある
したがって、フラッシュマンは一刻も早く保護する必要がある
また、フラッシュマンはZeny manに会う事を制限されている、
後に成長し、心を養ったフラッシュマンには決定権が委ねられるが、
Zenymanから会う事は一切認められない
何故ならばZeny manである親に恨みを持っているフラッシュマンは多い
フラッシュマンがZeny manである親に遭遇し傷つける前例も出ている
制限はZeny manを守る役割も兼ねてはいるが、
フラッシュマンがそういったパラダイム(判断)を起こし、さらに悲しみや苦しみ、
自責の念を感じさせない為が主である
ロゥスタア法第752条
ジャスは本を閉じた、そして考えた
……そして、一定の年齢に達し治る見込みがないと
診断されたフラッシュマン達はRoboty・FFM(Robotyが管理する
フラッシュマン終身施設)に送られて
ただ日々を過ごす、食う寝る食べるそれの繰り返し
Zeny man達は施設にいるフラッシュマン(我が子)に投資をする、
これは嫌な言い方かもしれないが
その行いに親の愛情が無い訳ではないのだろうが、
もっとそれ以前に……それ以外にできる事があるのではないだろうか
ワムは言っていた
「小さい頃僕を育ててくれたRobotyには大変感謝しています
しかし、Robotyは親であるべきではない、FCTに入って、
サムと出会って、仲間(フラッシュマン達)と暮らして、そう確信しています
Robotyは人間の為のRobotyであるべきです、あくまで役割を補ったり、
Robotyは人間を超えるべきではない」
と。ワム・カインド=サムの養子。FCT(ファシリティー:サムの施設)出身者
で卒業後、人間の為のRoboty会社を作り、開発・研究をしている
FCTの財政は厳しい、サムだけではフラッシュマン達を
完璧に見ることはできない
サムは言っていた
「FCTにはRobotyがいない訳ではありません、
雑用や簡単な授業はRobotyが受け持っています
ワムはFCTに無償でRobotyを寄付してくれています
それに、ウイクエンド(休日)になると、
FCT出身者のグラド(卒業した社会人)達が手伝いに来てくれます」
FCTでは週に1度ほど、成長したフラッシュマン達とお出かけをし、
Sciencityのアクショスタ(映画館)やプレジャー(遊び場)に行ったり、
ネイチャー(自然)体験区間に行ったりして、
テンティング(キャンプ)で泊まったりもする
サムはその夜に決まって、
もうすぐ卒業するフラッシュマンと2人だけで話す
サムはあの時も同じように、
ワムとテンティングから顔を出し、星を見ながら話をした
サムは言った
「Sciencityはこうやって、フィルム(Sciencityを自然現象から守る
膜のようなもの)に包まれていますが、ここは層が薄く、星が綺麗に見えますね」
サムはワムにたずねた
「ワムは卒業したら何をしたいですか?」
ワムはこたえた
「僕は、Robotyの研究をします」
サムは言った
「そうですか、それはすごい夢ですね。私はFCTに来て5年になります
最初ここに来たフラッシュマンは無表情で静かすぎます、だけど、
皆んな子供らしくないのが、いずれか感情を出すようになる、
私はそれが嬉しいんです。あなたはこれまで、あまり感情を出さないようですね、
元々大人しい性格なのかもしれませんが、私はそこが心配なんです」
続けてサムはたずねた
「ワム、卒業したら親に会いたいですか?」
ワムはこたえた
「会いたくないと言えば嘘になります、でも、トゥマム(父母)は、
僕を受け入れてくれるかわからない、その時僕はどうなってしまうのか……
今までの僕でいれなくなるのかもしれません……」
サムは言った
「あなたは、優しいですね。自分を責めてしまう、
もしその時は私の所に来てください。トゥマムがどのような態度をとっても
あなたのトゥマムを否定する必要はありませんし、たとえ、
クラン(血縁)でなくとも親と呼べる人は何人いても構わないと
私は思うんですよね。いつでも、私はあなたのトゥーですよ」
この4年後、ワムはサムの養子になった
フラッシュマンは親の定義を決められていない、
つまり親となる人は複数いる事も可能だ
サムにはサムなりの信念があった
「私は素晴らしい両親に恵まれましたが、FCTでフラッシュマン達と暮らし、
それを愛情という形でお返ししたい。これは私の傲りかもしれませんが」
「私はフラッシュマン達の痛みを少しもわかってあげる事は
できていないでしょう。でも、共感くらいはできるはずです」