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Heart cake  作者: monokuromike
Chapter1 Development and signs
13/19

pathfinder

『フォーン』

(しばらく)するとジャスは上空から音が段々と近付いて来るのが分かった。

そのまま飛行Robotyが姿を現す、

幾度か光を発してアラート(警戒)し、着陸態勢に入っている。

その場に居合わせた人達は場所を空ける為、フィルム外地域奥の方へ移動して行く。

飛行Robotyが着陸すると、中から監視、続いて数名とRobotyと思わしき人物達が降りてきた


「――こちらです」

監視がそう言いながらその者達を案内して、フィルム外地域奥の方へ歩み寄って来る。


異変に気付いたリリバーが人々の前に出て来ると眉を(ひそ)めて言った

「―― 此方こちらに何用ですか?」


人物達の中心にいる女が返して言った

「私達はエージェンシのRobotyアーム(部門)の者です。

間違ってもあなた達の敵ではありませんので、御見知り置きを」


「そうですか、今更ご登場ですか……。ですから、私は何度も訴えましたよね。

あなた達エージェンシに亀裂の事について何度も!」

リリバーの発言は次第に熱を帯びていく


「リリバー、()せ」

ジャスは近くにいたリリバーを制止して言った。


続けてリリバーにだけ聞こえる様、ジャスは小声で語り掛ける

「今言い争ってもここにいる人達の為にならない」


「! ……しかし」

リリバーはそう言い、納得のいかないような表情をしている。


ジャスは辺りを見回しその存在に気付くとリリバーに言った

「後ろ見てみろ。――奥さんも心配そうにして見ている」

リリバーはそれを見て黙り込む。


ジャスは小声ながら力を込めて言った

「あんたには今ここにいる人達を出来る限り良い方に導く責任があるだろ」


「……わかりました」

リリバーは了承し口を開いた



向き直るとリリバーは中心の女に言った

「……早々に来られた目的は何でしょうか?」


中心にいる女は言った

「勿論、フィルムの修復作業をビギング(開始)する為よ。亀裂の場所は何処(どこ)?」


リリバーは少し間を置いて言った

「……すぐそこの奥です、知っている者に案内させましょう。おーい、フェッティ!」

その声をフェッティは聞き付けると素早くリリバーの元へ駆け寄って来た。


それを見ると中心にいる女は仲間の1人に指示した

「カイル行きなさい」


カイル=Robotyアームの1人。カイルは飄々(ひょうひょう)とこたえた

「はい、了解しましたよ。ハンク行きますよ」


ハンクは返して言った

「ワカってるよ、うるせぇ。いちいちサシズすんな」


そうして一行はフィルムの亀裂がある方へと向かって行く。


ジャスは思わず言った

「何だあれはRobotyか?」


中心にいる女は微笑み言った

「あれは彼のドラス(趣味)でね。Robotyを友達のように改造してるの」

ハンク=修復用Roboty。


中心にいる女は続けて言った

「アトミック機能はすぐに復旧するわ。此処に居る皆さんにはその間、

違う区域にレフジして生活してもらう予定ですけれども」



リリバーは重々しく言った

「そういう手筈(てはず)ですか――。私は今回の件で益々エージェンシに、

それが管理するSciencityに信頼を無くしています。

もし、レフジされて来た方々でこの地で暮らしたいと望む人がいるのなら、

出来る限り彼らを受け入れるつもりです。その際はサッカ(支援)して頂けますでしょうか?」


中心にいる女は(あざけ)り言った

「そういう人がいればね、上に掛け合ってみましょう。

この場所と、Sciencityのような素晴らしい所、どちらで暮らすのか十分考えて選択する事ね」


中心にいる女は関心が無いといった感じで、続けてジャスに話し掛けた

「まぁ、いいわ――。それよりあなたは? その子を此方に預けてくれないかしら」


ジャスは返して言った

「俺はジャス・サート、オーガナイズ所属、ガード(保護、監修者)だ」


中心にいる女は知ったような口振りで呟いた

「――あなたがジャスね」


ジャスは険しい表情でたずねた

「この子をどうする気だ」


中心にいる女は陶酔した様にこたえた

「その子――そう、エミィは天才なの。

Roboty超えのマインド(頭脳)、処理能力の素晴らしい持ち主で、

これからのRobotyに、Sciencityの未来に必要なタレント(人材)なの」


中心にいる女は続けてエミィに呼び掛ける

「さぁ、おいでエミィ。一緒に行きましょう」


その言葉を聞いた途端、エミィの脳裏にフラッシュバック(過去の経験が鮮やかに思い出)される


「――おいでエミィ――」


たじろぐエミィに中心の女は言った

「こちらに来ればすぐに優秀になれる、あなたならマムを救えるわ」


ジャスは直感的にエミィに呼び掛けた

「エミィ行くな――」


エミィはたどたどしい言葉でジャスに言った

「私はだいじょうぶ、どういたしまして……ジャス」


中心の女が此方に近寄る。

エミィのあどけない手がジャスから離れ、女の方へと移る。


その時、女はジャスの耳元で囁いた

「サムに会いたければ中央インファマリィB1233に来なさい」


その瞬間に思わずジャスは言った

「……お前、何者だ」


中心の女はふふっと微笑み、エミィと仲間を連れて飛行Robotyの中に消えて行く。

飛行Robotyの飛び立つ様が暗澹(あんたん)とジャスの脳裏に焼き付く――



――数日後――

<Sciencityセントャル(中央)区域>ジャスは中央インファマリィに来ていた。

B1233、シックセル(個室病室)の扉を開ける


「ジャス――」

中に入るとサムの声が聞こえる。その方へジャスは歩み視線を向けた。

サムはRobotyに囲まれベッドに横たわっている。サムは室内にあるRoboty(がリレンズ[幾種類のレンズを重ね目の働き]で見た映像を脳波に変換して伝える)を通して脳内に映像を映し出し、また、(相手に言いたいと思った事[脳波]をRobotyが読み取り本人の声色に変換して音声を出し)話している。


サムは告げた

「Robotyに繋がれていて、動く事は出来ません。(まぶた)も動かせません」


そして、笑みを含んだ声で言った

「こうしてジャスに会えた事は感謝していますが」


「……サム」

ジャスは動揺を隠せない。


サムはたずねた

「――子供達はどうなりましたか、皆無事ですか?」


ジャスは事の顛末(てんまつ)を報告した

「――安心してくれ、皆無事だ。FFMのフラッシュマン達もな……」


それを聞いたサムは言った

「……おぉ、それはすごいですね。ジャスやりましたね」



ジャスは少し笑みながらそれからの事を伝えた

「親達はその後、必死になってFFMのフラッシュマン達を迎えて、引き取りに来たよ。

……我が子が無事で良かったと。Zenyman達にも親心が残っていたという事か」


サムは言った

「……F(フラッシュマン)マター(問題)の一段落という所でしょうか」


ジャスは(いぶか)しい表情で言った

「……あぁ。だがまだ油断は出来ない。人の心は常に移うものだからな」


ジャスは柄に合わないといった感じで続けて報告した

「今回の件において、ビクティム(犠牲者)を出さず無事に済んだ事、

FFMのフラッシュマン等を救ったクレト(功績)が評価されて、

俺はガードからバイザー(管理者)に昇格した。

これから各区域のF施設を回り、フラッシュマンのスタテスを見て管理し、

施設の教育者にアドバイス(助言)なんかをする事になる」


サムは餞別(せんべつ)として言った

「――先は険しいですよ、ジャス。ですがあなたの胸に思うジャステス(正義)を貫いていきなさい」


ジャスは真摯(しんし)な顔でそう言った

「――その言葉心に刻んでおく。それじゃ俺は出発する」


ジャスがシック(病室)を出ると(うつむ)きながらも後ろは振り返らずにいた。


ジャスが行った後、サムは考えていた。僕は1度、ハート(心臓)が止まり死亡した。

だが、Robotyにより生き返り、今はRobotyの補助により命を保っている。しかし――。


Robotyアーム中心の女がサムのシックに近寄り扉を開ける。

サムはそれを確認し言った

「いつまで僕をここに縛り付けておくつもりです? ――姉さん」


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