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Heart cake  作者: monokuromike
Chapter1 Development and signs
1/19

making

「――またか」

男は座り込んでいる少年を見つけると肩に担ぎ上げ、

円型移動装置に乗り施設へむかった


<施設内>「どうだ? サム」

男は伺うように話しかけた


サム・カインドはこの施設の園長だ。サムは医者が診療する時のように、

レーザーのようなもので少年の目を照らしている。サムが口を開いた

「間違いないようです、フラッシュマン(ハート無し)です。ジャスありがとう」


男はジャス・サート、フラッシュマンの保護や監察を担当している

ジャスはサムにたずねた

「どうだ、そいつは治りそうか?」


サムはこたえた

「やってみないとわかりませんが、保護された段階が早かったですし、治る見込みは充分あると思います」


ジャスは安堵した表情で語りだした

「そうか……。しかし、どうなってるんだこのSciencityは」


サムは眉を(ひそ)めてこたえた

「すでにRobotyの人口は半数を占めています、仕事はほぼRoboty化していて、

No workerは80%を超えていますし……」


ジャスは続けて言った

「Zeny manはRobotyに子供ほっぽらかして、月旅行にでも行ってるんだろ

もはやSciencityは子育てもちゃんとできる環境にないのか――」


「トゥー、トゥー……」

フラッシュマンが側に来て呼んでいる

親の愛情を知らないフラッシュマン達はサムの事をトゥー(父親)と呼ぶ


サムはフラッシュマンに優しくこたえる

「はい、はい、どうしました?」


サムはフラッシュマン達と暮らし、人間の愛情と、人間のあり方(善悪)をフラッシュマンに感じ取ってもらい、

心を取り戻させる仕事をしている


フラッシュマンの少女は言った

「みんなお腹すいたって、泣いてる」


サムは言った

「おやもう、ヴァイト(おやつ)の時間ですね。ジャス、すいません」


ジャスはこたえた

「俺も頼まれ事があった、ちょっと出てくる」


「では、また後で」

サムはそう言い会釈すると少女と手をつなぎながら奥にむかった


ジャスは施設を出て移動装置に乗ると目的地にむかった


<Roboty点検屋>誰かが作業をしている

ジャスが到着した事に気付くと振り向いて手をあげている


「ラクシム、ほらよっ」

ジャスはそう言うとラクシムに部品を投げた


「サンクス!」

ラクシム=点検屋。ラクシムは礼を言った。

こいつは点検に来たRobotyにワザと欠陥を作ったり、

違法改造を()けたりで稼ぐ嫌な友人だ


ジャスはそう思いたずねた

「どうだ、最近のRobotyは?

また無茶な注文、請け()ったりしてないだろうな?」


ラクシムは言った

「それは、守秘義務だからさ。言えないけど、

ショッパ抜かれそうになってからはさ、さすがに考えて仕事してるぜ」


違法受注をしてショッパー(取締)に幾度も捕まりそうになりながら、

まだ懲りてないようだ


ジャスはそう考え、()()りした様子で言った

「そうか、何かあっても、もう庇ってやれないぞ」


「わかってるって」

ラクシムはそう言った。手をあげ指を(こす)り、さよならのポーズを交わし合い

ラクシムと別れるとジャスは施設に向かった


施設に戻ると、いい匂いがする


サムがジャスに近寄り、提案した

「今日は子供達とケーキを作りました、ジャスも食べてください」


ジャスはチェイス(椅子)に座り、一口ケーキを食べてみる

瞬間衝撃が走った


サムは言った

「美味いでしょう?  Sciencityが栄える前は美味いと思うものが

たくさんありました。今では均一の食物(もの)しかありません

昔の味を知っている私からしたら無味無臭でしかないんです」

サムは落胆の表情を見せている


ジャスはどう声をかけたらよいか迷っていると、

サムは口を開いた

「ま、ないならこうやって、たまに作ればいいんですけど、

あ! 今度はうどんでも作ってみましょうか?!」


フラッシュマンの少年がサムに話しかけた

「うどんってあの緑色の?まあるい?」


サムはこたえた

「うん、そうですけど、本当はそーじゃないんですよ」


ジャスはフラッシュマン達の姿とケーキを見ながら思った

この手作りのケーキのように、心も、

愛情を込めて作り方を教わって、

自分で試行錯誤しながら何行程も重ねて、

自ら作り出していくものでもあるんだろうな

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