第12話 成長
キャサリーナとの修行は主に、
雷属性と闇属性、
そして無属性が基本となった、
「そうじゃないわよ!」
訓練所にキャサリーナが怒鳴る、
兵士や騎士たちの訓練が終わった時間やない日には訓練所を
宮廷魔法使いの力で使わせてもらっている。
「どうやるんだよ!」
今日やっている修行は無属性魔法の一つである
無属性魔法とは
キャサリーナによると属性を持たず、
魔力をそのまま使う魔法らしい、
俺が勝手に使っていた、
強化の魔法も無属性魔法に入るらしい。
あとはキャサリーナが使った【オープンステータス】もそうらしい、
そして、今やっている修行は
強化の魔法の全身バージョンだ。
部分強化とは違い、
使用する魔力の量が多く、
難しい、
てか無理だろ、
だがこのキャサリーナこと変態は常に全身強化をしてやがる、
それも使用している魔力の量が多く
身体強化だけじゃなく、
魔法に対しての耐性も強化されて、
こいつになかなか魔法が効かねぇ
「もっと、魔力で全身を包む感じに」
ぐうう、
全身に魔力を包ませるのには、
きつすぎる、
「うう、無理だろ!!俺の魔力じゃこれが限界だよ」
現段階では、
体全身を薄く、とても薄くしか強化できてない
「コヨーテちゃん、男の子でしょ、頑張って」
パチリ
とウインク
気持ち悪っ
「あっ」
あまりの気持ち悪さに強化の魔法が解けた、
「どうしてくれんだ、この変態野郎が」
「だ~れ~が~筋肉ムキムキのハゲ野郎ですって!!!」
眼を光らし体をくねらしながら近づいてくる。
「自分のことよくわかってるじゃねえか!」
「きいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
変態が凄いスピードで突っ込んでくる
「またかよ、【部分強化・両脚】」
ちゃんと習った、強化の魔法なら、
この変態の突進を避けれるだろ、
足に魔力を込める、
「コヨーテちゃ~~~~ん!!」
避ける、
いや逃走だ!
キャサリーナ修行が始まり1ヶ月が経った、
キャサリーナとの修行は3日に一度ぐらいになり、
修行は主に無属性、強化と下級魔法の反復練習だ、
あとたまに雷属性の中級魔法だ、
だが最近はキャサリーナが冒険者ギルドの依頼でよく、
修行がなくなったりする日が増えてきた、
だから一人の時は新しい魔法、
つまり雷属性以外の魔法の修行をしている、
そして、今日もキャサリーナがいないので一人で火属性の下級魔法の修行だ、
【オープンステータス】でステータスを見たからな、
下級魔法は完全に使えるはずだ、
「まあ、やってみるか」
練習する魔法は火属性の下級魔法
【ファイヤーアロー】だ
魔法でできた火の矢が敵を襲う魔法だ、
この魔法は一矢、一矢は、
威力があまりなく、
下級魔法の中でもかなり弱い部類に入るが、
数を増やすことにより
中級魔法、上級魔法にまで進化する魔法だ、
「火の精よ、魔法の矢となり、敵を討て」
イメージが大事だ、
火の矢、
炎でできた矢だ、
「【ファイヤーアロー】」
詠唱と共に、
俺の手から火の矢が放たれる、
「うっし、できた!」
火の矢は訓練所にある、
的に当たり、的が燃えた、
「・・・・・・・やっば!!」
うん、木でできている的は豪快に燃えている
「【ウォーターボール】」
詠唱なしの【ウォーターボール】だ
水球が放たれ、燃えている的を消火する。
「・・・うん、問題なし!!」
今日も今日とて修行は順調だ。
修行が始まってから
半年が経った、
「今回は強化魔法を教えます」
「強化魔法って俺もう出来るぞ」
そう、キャサリーナとの半年間の修行で、
やっと、全身強化ができるようになった。
まだ不完全だが・・・
「あなたができるヤツとはちょっと違うわよ、今回教えるのは無属性魔法【戦いの歌】よ」
「【戦いの歌】?」
「そう、この魔法は身体強化の魔法の一つでね、あなただけじゃなく、周りにも効果がある魔法よ」
「魔力による強化とは違うってわけだな」
「ええ、戦闘の補助にもなる魔法よ、覚えておいて損はないわ、まあ、魔力強化と効果は変わらないけどね」
「でも、教えてくれ」
「わかったわ」
キャサリーナは俺から離れ、
「【戦いの歌】は詠唱はなく、ただ、自分と魔法をかけたい人に魔力を送るって纏わせるだけよ」
実演した、
「【戦いの歌】」
対処はキャサリーナ自信と俺だ、
「おお、すげぇぇ」
俺にも強化がかかっている!
「これができて初めて私と戦いになるわよ」
やっぱり、強化の魔法は必要だよな
俺の魔法のレパートリーは日々増え続けた。
修行が始まってから1年と半年の月日が経った、
俺は3歳になり、もうじき4歳になる、
俺の姉シャルロット・レヴァリア
シャル姉は5歳になり、
着実に魔法を覚えている、
今ではシャル姉と相性のいい属性
水属性の下級魔法はある程度使えるらしい、
物凄い才能だ!
とエリーゼさんはほめていた。
父さんと母さんも自慢げだ、
俺の二人目の姉
エフィ・レヴァリア
エフィ姉も4歳になった
エフィ姉は魔法より戦士としての才能があるため
戦士としての訓練が始まったらしい、
将来が楽しみだと
騎士団の人が言っていた、
うん、俺の姉たちはすごいなぁ
・・・俺?
俺は下級魔法のレパートリーを増やし、
剣術と格闘術の修行も始まった。
もちろん教えてもらう相手は
キャサリーナ・カマーだ、
冒険者ギルドの依頼で
いないときも多いが、
Aランク冒険者だけあり、
本当に強い、
勝てない、
いつかはぶっ飛ばす、あの変態は・・・
修行以外のことでは、
夜にアーシェとの勉強が始まった、
貴族や王族とかの人達用の
礼儀作法や社交ダンス、
テーブルマナー、
そして
この世界の歴史や地理とか、
算術も教えてもらっているが、
この世界での算術のレベルは低く
前世での記憶があるため、
正直ヨユーである、
この世界は中世ぐらいの文明レベルだが魔法があるため、
いろいろなことができそうで楽しそうだが、
今は強くなることが
一番大事だからな・・・
アーシェとの勉強とキャサリーナの話で
ますます、冒険者に興味を持ち始めた、
5歳ぐらいになったら登録しに行ってみようかな・・・
えっ
早すぎだって
だって俺だもん
そんな修行と勉強日々が続き、
1年が経ち、
レヴァリア王国の王子
コヨーテ・レヴァリアは5歳になり、
とうとう、
物語の幕が開く、
さてさて、少年はどんな物語を紡ぐのか、
〈神様(幼女)〉
「あっ・・・・・・・」
幼女神様はつぶやいた、
「やちゃった、あの子に、王族がついてるし、そして波乱万丈と運勢最悪も追加されてる!?」
ポイントは大丈夫だけど・・・・
これはやばい
このことが上位の神様達に知られたら、
「私、おしおきされる!?」
どうしよ、どうしよ、
幼女神様があたふたしていると、
「どうしたの?」
後ろから女性の声がした。
それも、よく知った声だった、
「・・・・・・・豊穣神様・・・」
後ろを向くと、
金髪で緑の目を持つ、
グラマーな身体を持った女性がいた、
この方はあの子を送った世界の豊穣神さまだ
私みたいな下位の神じゃなく
上位の存在だ、
さあ、このことをどうやって誤魔化そう・・・・
うん、当然ばれました。
「おしおき、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
やっと、物語が進みそうです。