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九尾の孫 【絆の章】 (2)  作者: 猫屋大吉
2/22

会合

戦いがいきなり?

情報戦から

中司優介なかつかさ ゆうすけ中司家の二男、36歳、独身で、探偵。

助手席で歌を歌っているは、相馬優子そうまゆうこ26歳。

優子は、とある理由から印を受け それを神と妖狐達に消滅させて貰った。



相馬家に禍を成し、何を企むのか、その全ての野望を打ち砕く為に優介と優子は、戦いを挑む事を決意した。

昨日、妖狐の中の天狐である白雲より電話が有り 一旦、神戸に集まり作戦を立てる事となり、神戸港に向かう為、武庫川近辺を 愛車 GT500 で43号線を西へ走っていた。

愛車は、今日も順調だ。

長野県から戻った優介と優子は、敵の本拠地を調べる為に京都、奈良、和歌山、兵庫と近畿を回り、先々の地にひっそりと暮らす妖達と妖狐の力を借り、協力しあって調査を行って来た。

妖達の中には、力を貸そうと言う心強い味方も有り、順調に勢力は拡大して行った。

そんな中、妖達の選りすぐりが、数名集まると言う運びとなった。


今朝、長野の山で神様から頂いた神器を運びだす際に誤って触れた優子は、10分程、体が痺れて動けなくなり「私、死ぬかも」と言っていたのだが、今、助手席でCDを入替えたりしながら助手席で歌を歌っている。歌は、好きなだけに上手い。ジャズでも平気で歌い切ってしまう。優介は優子の歌うジャズが好きだった。

今日、集まる連中とは、一度は、会ってはいるが、はっきり言って有象無象のたぐいである。

妖狐達や、信貴の土蜘蛛の連中とは、特に仲が良くなっている優子は、また会えるよ~と昨晩、はしゃいでいた。私も普通じゃないよね~、友達に自慢しちゃおうか? と優介に言った時、(いや、あんた 最初から普通じゃないって)と思うが、口に出せなかった。


43号線を西に走り、阪神高速魚崎を越え六甲ライナーを潜ると松原交差点が有る、その交差点を右折して直進すると2号線に、2号線を左折して一つ目の交差点を右折すると左手に本住吉神社があり、直進してJRを潜り室ノ内交差点を直進すると今度は、阪急電鉄の高架が見えてくる、これを左に折れると阪急御影駅に出る。

GT500を駅の近くのコインパーキングへ乗り入れ、優介は、神器の入った護符を貼ったケースに腕を通し大きな鞄と一緒に肩に担ぎ とドアを閉めた。

ここから目的地まで歩いて10分弱、俺と優子は、手を繋ぎ、目的地の弓弦羽神社ゆづるはじんじゃへ向かう。



弓弦羽神社ゆづるはじんじゃ

伊弉册尊いざなみのみこと事解之男命ことさかのおのみこと速玉之男命はやたまのおのみことの熊野三社の大神様を御祭神とし、神功皇后じんぐうこうごうが三韓征伐(新羅、高句麗、百済)に大勝し、それより後は諸々の願い事は、全て御心のままに叶ったと言われがある。六甲山を背にした拝殿は、勇壮であり社務所の上にこの神社のシンボルでもある八咫烏が飾られている。拝殿を右から迂回し本殿を抜けると樹齢450年と言われるくすのきがあり、この木をパワースポットと紹介もされている。



弓弦羽神社、弓弦羽ノゆづるはのもりの一部を 十二社、松尾社の裏手を黄泉津事解之男神 ( よもつことさかのをのかみ )より借りれたので、ここに集まる事にした。

血の結界が妖達を滅してしまうので優介は、少し離れた楠を超えた辺りに陣取る事にした。

優介の横に優子が座り、十二社の裏に集まる妖達を見ていた。

天狐、白雲の元、その弟子5名が、忙しく動き回っている。

白雲と白澤は、中司家の【結】の封書をどこかに入れているのだろう、俺から一番近い場所に陣取っている、その向こうに先祖に48天狗の一つ、役小角えんのおづのの式神 前鬼、後鬼の孫に当たる五鬼継ごきつぐ五鬼助ごきじょの各一族を率いる天狗が各1名、その向かいに葛城の土蜘蛛の長、大蛇の長 沼御前ぬまごぜん、その手前が、白澤である。

俺は、6名のおさ達に頭を下げた、優子も同じく下げている。

6名も頭を下げた。

作戦の計画、進行は、白雲、参謀に白澤 と全一致ですぐに決まり、白雲が、

「我々、妖狐は、優介殿の露払いを全力を持って行います。優介殿は、その神器を持って玉賽破ぎょくざいぱと対決して下さい」と告げると 五鬼継の長は、

「奴の背面を取らねばなりませぬ、我々は、搖動と言う事に成りますかな」

「そうですね、妖狐様達が小物を全て引き受けて頂けるならそれが良いでしょうな」五鬼助の長が言う。

「我らもその任、引き受けよう。搖動は、多い方が何かと好都合だしのぉ」土蜘蛛の長が言った。

「我々の術、役小角様の守護の元、精一杯致しましょうぞ」五鬼継の長が言った。

「さて、私は、どうしたものかのぉ~」沼御前が言うと五鬼継の長が、

「結界同化の術式を中司家に施術して貰い、優介殿を奴の背面に連れて行くのは、どうじゃろ」

「幸いぬし達は、大きく長い、頭だけを背面に向ける事が出来る」

「うむ、ぬしにしか出来ない事じゃ」天狗達が、口々に言うと

【主にしか出来ない事】を受けて嬉しくなった沼御前は、その色気のある肢体をくねらせ、

「ほんにそち達は、女を乗せるのが、上手い」とまんざらでもなさそうに言う。

「あの女、乗せられてますね」と優子がこっそり優介の耳に囁く。

優介は、「沼御前様、一番 危険かも解りません。運んで頂けるのはありがたいが、友をそこまで危険には、更したくありません」と言った。

「危険なのは承知じゃ、わらわは、どうしても優介殿の力になりたい、いや、力に成らせて欲しいのじゃ」と言いうと、懐から3匹の白蛇が顔を出して来た。「こやつらの為、一族の為に」

「解ってくりゃれ 優介殿」と言った。

優介は「ありがとうございます 沼御前様」と 頭を下げた。

優子も同じく頭を下げた。

「頭などさげぬでも良い、そちは、わらわを友と呼んで呉れたではないか。それに様は、余計じゃ、魏嬢ぎじょうで良いわ」

「ここに居る者、全て優介殿に何かと世話になっておる者達じゃ、気兼ね等、不要じゃ」

白澤が、一番美味しい所を持って行った。

心の中で(さすが白澤様、参謀です)と思ったが、それでも嬉しかった。

「背後と言っても あの尻尾、中々の曲者」白雲が言った。

「一つ一つ妖力の質が違うから同じ停止結界では、簡単に破られてしまう」

「数種類の停止結界を用意しようにも質がわからぬと・・間違えると又、破られてしまう」

優介は、停止結界【五行束縛符】、9本分をこちらで用意しましょうと言った。

「どの尾がどれ と言う目印が要るな」

「五行の妖を順に放つのは どうじゃろ」

「良い案じゃ、9本有ろうが 妖力、五行のいづれかに該当する」

「白澤様、御用意頂く事 相成りませぬか」

「絶世の美女に言われると断れんのぉ」

白澤が引受けた。

「これでほぼ 作成は、完了したと思いますが 何か有りませぬか」白雲が言い、暫くして

「一つ、妙案が有り、連絡係りとして戦闘に加われぬこの者達を2名づつ、各々方の布陣へ参らせたいのですが如何でしょうか?」と問いながら

青狐を始めとする少年達を紹介した。

「噂に聞く 【葉書き】を使用すると言う事ですか」

「左様、あれなら少々複雑な作戦も絵も瞬時に届きます故、変幻自在の作戦が可能になります」

「妖狐と戦って負けるのは、其れが有るからのぉ」白澤がひげを撫でながら笑い、「集団戦闘となると怖い存在じゃて」と言う。

「ありがたい。異存は無い」と口々に言い、作戦会議は、無事終了した。

各長達は、襲撃に備えて付近に配置していた者たちを解散させ帰って行った。

帰り極に優子が各長に本家の神酒の入った瓢箪を大きな鞄から取り出し手土産ですと手渡して行った。

優介と優子は、本殿に場所を借りた礼をしに神酒を持って詣で、優子の勧めで三ノ宮へ行き中華街で昼食と高架下では買物を楽しみ、2号線を東に向かい帰宅した。

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