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九尾の孫 【絆の章】 (2)  作者: 猫屋大吉
12/22

神郷

高千穂にいきます。

少し、表現方法を主人公目線でない書き方に変えてみました。

優介と優子は、翌日、岐阜を出発し、大阪に行った。

中司家の者には、優子の実家が税務署が相続税の事で相談がある。ついでに実家を調べて来る と言い残し出て来た。

優子は、服部洋介夫妻と刈谷さんに青狐の事を頼んで来た。

車中で優介が、ルートを説明する。

「まず、大阪の南港からフェリーで日向灘を通って宮崎に行く。船は、19:00発、翌7:30着だったはず、そこから宮崎西バイパスを経由して東九州自動車道に乗り、都農で降りる。40号線に出たら右折して10号線に出て左折、日向に向かう。日向からまた東九州自動車道に乗って延岡JCTから北方延岡道路に乗り換えて北方で降りて218号線を右折、直進すると西臼杵郡高千穂に着く。着いたら一泊。大体解るよな」

「まぁ、それだけすらすらと出て来るもんだね~。スマホの地図アプリで追いかけても大変だったよ。で、私は、高千穂の宿を予約してそのルート上で美味しい所を検索しとけば良いって事だね」

「美味しいとこってのは、ねー、」

「だめだな、どうせ食べるなら美味しい所でしょ。旅の醍醐味だよ。そことっても大事なんだぞ」

「任せた」

「あー、邪魔臭くなったんだ。今の言い方、絶対そうだ」

「最終目的地は、高千穂からさらに218号線を走った先の山都町にある幣立神社」

「スルーした。今のスルーしたよね。全く。あんだって? へいたてじんじゃ?」

「高天原とか言われてる。確かあの近辺には、旅館が2件あった記憶がある」

「高天原って、神の国? だって神様ってうろうろしてるから~・・・、わかんないな~、日本全土って考えりゃ理屈が通るよね」

「その通りだと思うよ。天孫族、天津神だね、彼らが降臨した地と言う意味合いだったんじゃ無かったのかなーって考えてる」

「だよね、そうでも考えないと全く辻褄が合わなくなって来るよね」

「日本全土って考え方は、竹内文書にあるんだ。殆どの歴史学者が偽物と言い切った歴史書にね。古事記、日本書記も対して変わらない程度に歪な書物なのにね」

「私も優介に感化されてるのかして、そう思う様になったよ。難しいよね、人其々だから・・・でも優介や、私みたいに神様の声を聞いたり、技?を見たりしたら考えも良い意味で変わると思うよ」

「ところが残念な事に人の世界感は、其々が違うんだ。たとえば、大阪市の北区1丁目が自分の世界の人と、もう一人は世界が自分の世界の人、話が合うと思う?」

「北区1丁目だけって、小っちゃいひとだねー」けらけらと笑いだす。

「言われてみれば、そんなひと、いるよね~」と又、けらけらと笑う。

もうだめだ、こいつ、一人で盛り上がるパターンに入ってるよ、優介は、溜息をつく。

優子が、一人でしゃべり出した。

「この町は、おれのまちだ! 逆らう奴は、」と言い又、けらけら笑う。

「俺の町で好きにはさせん。何か有ったよねこのセリフ」また、笑う。

暫く笑っていたが、

「あ~、可笑しかった。それってすぐに暴力に訴える人のパターンだよ。薄いね~ぺらっぺらっだね」

と大笑いしながら

「優介、そんな奴が寄って来たらどうするの?」

「何も言わず、逃げる」

「それって、いつも言ってる【自分の時間】が勿体ないって事で良いのかな?」

「正解だ」

「優介らしい」と言ってまた笑った。

そうこうしている内に南港に着いた。

フェリーの時間を調べて特等室を選んで切符を買う。

まだ、1時間前に並んだとして 2時間ぐらいあるな 優介が思う。

「優介、この近くに美味しい所が確かあったよ」

「御飯にしようか」

「笑い過ぎて顎が痛いよ」にこにこしながら言いながら、

「思い出せないから ATCに行こう、GO!」

「了解しました~」


宮崎行きのフェリーに乗り込む時、見慣れた面々が居た。

妖狐の白雲、凍次郎、北渡、白禅、白愁牙、天狗の太郎丸、蔵王丸、大蛇の魏嬢ぎじょうである。

優子にそっと「凄い面子が同船するぞ」と言い、メンバーを言った。

「場所が場所だけに・・・それにしてもメンバーが凄過ぎだね」

「あぁ、顰蹙ひんしゅくを買わなきゃ良いけどね」

車を船に乗入れ、部屋に着くと荷物を置き、軽く呑もうと言ってレストランへ出掛けた。

テーブルに座り、食材が並んだバイキングテーブルからつまみに成りそうな物を選んでテーブルに着くと妖達もやって来て通路を挟んだ隣の席に腰掛けた。

優介が部屋割りを聞くと、

妖狐の4名は、1室、後は、各2名づつで全員、1等A室を選んでいた。

白雲、白禅、凍次郎、北渡と白愁牙、魏嬢に太郎丸、蔵王丸の組合せであった。

彼らは、本格的に食べる様で皿一杯の食材を乗せてバイキングテーブルから戻って来た。

優子が、太郎さんと蔵王さん、凄いです。今度で8皿目ですよ。小声で優介に言う。

「体格が違うよ」優介が言う。

「姫、そんな目で見ないでくださいよ、照れますよ」太郎丸が笑いながら言う。

良く見たら、全員、皿に乗っているのは、肉類しか無かった。

彼ら、元々肉食だからなっと優介が思っていると、

「肉しか無いじゃないですか、ダメですよ、野菜もちゃんと食べないと」優子が言い出す。

「姫、俺達、元々、肉食なんですよ。野菜、勘弁して下さい」凍次郎が真剣に困った顔で言う。

「あっ、そうか」優子が言いながら、小声で、狐に天狗と蛇か、納得して一人でうんうん言っている。

優介は、ビールを飲みながらメモに何かを書いている。

どうやら九州に入ってからのルートの様だ。

そのメモを優子に渡し、白雲に渡す様に言うと優子は立上り、白雲の席へ行き手渡す。

メモを見た白雲は、それを太郎丸から順番に回す様に声を掛ける。

そう言えば、このメンバー、土蜘蛛の胤景いんけいや、鐸閃たくせんが居ない事に気づいた。

じっと白雲が、優介を見て、

「気づきましたか、胤景は、海が、嫌いでね。陸伝いに現地に入ります」

「良く考えてる事が解りましたね」優介が言う。

「見てたらなんとなく そうじゃないかっと思っただけですよ」白雲が言う。

「こいつはね、心を読むのが、昔っから得意なんでさぁー」凍次郎が言う。

「そう言えば、あんた達、何時から仲良くなったのさ」魏嬢が、聞くと

「仲良く、うーん、仲良くねぇー」凍次郎が考え込む。

「そりゃ、仲が良すぎたんだぜ、こいつら、」太郎丸が言うと

「こいつらの喧嘩に巻き込まれてひでぇめに合った奴、一杯いるからな」蔵王丸が大笑いする。

「聞いてくださいよ。優介さん、こいつら半端じゃないんですって。辺り一面、焼け野原で挙句、池は、凍るは、でもうどうしようもなく荒地にしちゃうんですよ」魏嬢が言う。

「おめえん とこも遣られたか。俺んとこもだし、こいつとこも、土蜘蛛んとこもだな」

太郎丸が蔵王丸の肩を持ちながら笑う。

「良い機会じゃない、ほら、白雲様と凍次郎、立って、立って」と 優子が立たせる。

「何だい、姫」

「何だい じゃないわよ。ほら、頭を下げて、謝んなさいよ」

「もう良いよ」

「よくなーい、全然、よくなーい。ちゃんと ごめんなさいって言いなさいよ」

白雲と凍次郎が顔を見合わせて 頷き、一緒に「ごめんなさい」と言う。

「姫に掛ったら 形無しだね、妖の中でも一番怖がられてるこの2人を」魏嬢が笑う。

笑いながら席を立った 太郎丸と蔵王丸が、全員分のビールを抱えて来て

「これで乾杯しようぜ、姫が敵を取ってくれた」と言って全員に渡す。

「これで チャラだ」蔵王丸が、笑う。

「姫、あの、俺達に様付け しないで下さいね。何か尻が痒くなって。お願いします」

凍次郎が 照れながら言うと、また、全員が笑った。


翌日、優介と優子は、朝7時にレストランに入り、昨晩と同様の席に座ると朝食セットを食べ早々に甲板に出る。海の上は、まだまだ寒い、妖狐達と天狗達は、いたが、魏嬢が見当たらない。

優子が、魏嬢さんは?と聞くと海の上は寒いからやだと言って部屋から出なかったらしい。

優子は、蛇だしね、納得と独り言を言った。

舳先の向こうに陸地が見えて来た。

宮崎臨界公園が正面に見える。

船は、一ツ葉入江を経て宮崎港フェリーターミナルに着岸する。

船から順に車が出て行く。蜘蛛の子を散らすとは、こんな状態を言うのだろう。

GT500は、10号線を走り、25号線へ宮崎県庁の前を通過して10号線に出る。

正面左手にある宮崎西インターから東九州自動車道に乗り入れた。

ここから終点の都農までは、約1時間程度だ。

そこから更に北へ一般道10号線を走ると日向ICに着き、東九州自動車道を北へ延岡に入る。

朝の11時を少し回った頃に延岡に入った。

「宮崎って言うと~、ほら、答えて」優子が言う。

「鳥でしょ」

「せいかーい。良く出来ました。で、地鶏、みやざき地頭鶏の刺身。これなら妖達も満足よね」

「そ、そうだな」優介は、笑った。

高速乗ってから悩んでたのは、それか。

「こちら優介号、応答願います」優子は、電話を掛けた。

「こちら白雲号、どうぞ」

電話の向こうで笑い声が聞こえる。

(白雲さん、何ですか それ)

(姫からなんだよ)

(姫からの電話は、こう取らないとおこられるんですよ)

(それにしても、ぷっぷっぷっぷっ)

何やら小声で話声が聞こえる。構わずに優子が、

「お昼は、鶏屋さんに決定しました。地鶏の刺身でぇーす」

「了解しました。後の車に伝えめす。どうぞ」

優子は、満面の笑みである。

ふむふむ、電話の応答も良くなってきているなっと独り言を言っている。

優介は、いや、その応対の仕方その物が間違ってるぞと心の声を上げる。


さんざん食べて堪能した一行は、五ケ瀬川沿いを走る218号線を走り、北方延岡道路を西へ走って行き、再度218号線へ出る。

この道は、神話街道と呼ばれる道で道なりに走れば高千穂に到着する。

優子が予約した宿泊施設は、街中の城山交差点の近辺であった。

2人は、チェックインするには少し、早いので高千穂神社に参拝する事に決めて 神社の駐車場にGT500を乗り入れた。



高千穂神社:

宮崎県西臼杵郡高千穂町に鎮座する神社で、旧名は、十社大明神で三田井神社となり、現在の社名になった。主祀神は、高千穂皇神たかちほすめがみと十社大明神で其々が、一之御殿、二之御殿と分かれている。高千穂皇神は、総称神で皇祖神とその配偶神6柱となる。十社大明神も神武天皇の皇兄、三毛入野命みけぬのみこととその妻子神9柱とその御子神8柱の総称とされている。

南北朝時代に高千穂八十八社の総社と成りその後、阿蘇氏支配の下、高千穂郷総鎮守として祀られた。現在は、神階従五位下となり、神社本庁において別表神社となっている。

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