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きゅんきゅんハニー  作者: 松宮星
少女の旅立ち
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知の探求者

 アタシとジョゼ兄さまとアラン、それにお勉強道具を抱えたクロードは、お師匠様の移動魔法で跳んだ。


 今日も、王城に来たらしい。


『らしい』って推測なのは、又しても目が見えないからだ……

 移動の際は、必ず目隠し。シクシク……


 そして、シャルル様とシャルロットさんの待つ小部屋へ……


 お二人への挨拶を終えると、ジョゼ兄さまはアランの横に並んだ。

 でもって、「昨日、待機している時は、どうだった? 全員、大部屋に居たのか?」って雑談を始めて……

 おお!

 兄さまが、普通に話してる!

『もっと社交的になって! 義妹として恥ずかしい!』って、昨日、怒ったのが効いた? 良かった! 無愛想で喧嘩腰な義兄じゃ、恥ずかしいもん!

 あ〜 でも、アランが会話相手だから……

 シャルロットさん、困ってるっぽい。

 今日のアランは、バンドを右胸から左腰にかけて渡して、両手剣を背負っている。ますます蛮族戦士っぽい。

 そして、やっぱり、腰布姿……シャルロットさんは淑女らしくそちらをガン見しないようにはしてるけど……気になるのか、逞しい胸板やら、腰布をチラチラと。

 大丈夫よ、シャルロットさん。その下、たぶん履いてる。履かないと犯罪だもん。ま、まだ、確認はしてないけど……

 兄さまに話しかけたそうにしながら、シャルロットさんは口元を手で覆い、沈黙していた。



 今日、シャルル様から紹介してもらうのは、学者だ。


 勇者の仲間としてポピュラーなのは、戦士に僧侶に魔術師。

 次いで多いのが学者なのだ。


 学者と言っても、何でもOKなわけじゃない。

 宗教考古学の専門家だけ。古代信仰の技法を知識として身につけた者だけが、勇者の仲間になれるのだ。


「古代技法には、絶対防御、攻撃力倍増、敵の防御力低下、周囲への強制睡眠、治療、性質変換等、有能なものがたいへん多いです。どのような技法を得手とする者を紹介しましょう?」


「『先制攻撃の法』が使える学者だけを紹介してください」

 アタシはシャルル様にお願いした。


 便利な技も、使用してもらえるのは一個だけ。

 と、なったら、どの技がいいか……既にお師匠様と相談済みだ。


『先制攻撃の法』とは、『敵に攻撃される前に、味方全員が必ず攻撃できる』技。

 開幕に使ってもらえば、アタシ達百人の攻撃が終わるまで魔王は何もできないってわけ。

 こちらが一方的に攻撃して魔王を倒す! な〜んてこともできちゃう!


 一人あたり100万ダメージをノルマと考えてただけに、攻撃しない仲間を抱えるのは、正直、痛い。

 だけど、『先制攻撃の法』担当者は、どうあっても欲しい。絶対に必要だもん。


 シャルル様が、手元の書類を確認した。『先制攻撃の法』を覚えている学者は二十人いるみたい。


 学者だし、おじさんかおじいさんだろうな〜 って覚悟したんだけど……

 シャルル様は、一番最初に若い男性を連れて入室して来た。


 キリッとした格好いい人だ……


 胸元にネクタイをつけたアカデミックドレス姿で、正方形の角帽を被っている。よく似合っていて知的。

 その上、銀縁の、メガネ! メガネよ、メガネ! メガネ男子!


 赤みがかったライトブラウンの髪はさらさらしていて、眉はすずしげ、切れ長の瞳はブラウン。知的メガネでクールなハンサム……


 何々派だ、専攻は何だと、よく通る声で説明してくれている。でも、右から左だ。アタシは素敵な学者にみとれていた……



 胸がキュンキュンした。



 心の中でリンゴ〜ンと鐘が鳴る。

 欠けていたものが、ほんの少し埋まっていく、あの感覚がした。


《あと九十五〜 おっけぇ?》

 と、内側から神様の声がした。



「新たな仲間だな」と、お師匠様が言った。


「おめでとう、テオ」

「おめでとうございます、テオ兄さま」

 と、シャルル様とシャルロットさんが、学者さんに親しげに声をかける。

 知り合い?


 シャルロットさんが、にっこりと私に微笑みかける。

「テオ兄さまは、ボワエルデュー侯爵家と親しいボーヴォワール伯爵家の次男。(わたくし)達のまたいとこにあたります」


 またいとこ?

 て……いとこの子? 違うか。両親がいとこなんだっけか。むぅ。


「申し訳ありません、賢者様、ジャンヌさん。職権を乱用し、身内から紹介してしまいました。本来、ご高名な方々から順に推薦すべきなのですが、我が再従兄(またいとこ)殿の優秀さはよく存じておりましたので」

 構わないわ。てか、むしろ大歓迎。こーんな美形な学者さんなら♪

 高名な学者さんなんて、どーせ、おじさん、おじいちゃんばっかだろーし♪


「百一代目勇者様、賢者様、仲間のみなさま、どうぞよろしくお願いします。テオドールです」

 貴公子らしい優雅な所作で、テオドール様がお辞儀をする。


「こちらこそ、よろしくお願いします」と、アタシは挨拶を返した。

 ジョゼ兄さまは儀礼的な挨拶を返した。

 アランは『アランと申します。よろしくお願い致します』と頭を下げた。蛮人風なのに礼儀正しいのよねー この人。

 クロードも、ペコリと頭を下げる。


「テオ兄さまのご専門は『技法応用学』。大学の特別講師を勤めるかたわら、斬新な視点からの論文を精力的に発表なさっていらっしゃるの」

 ふーん。先生なのか。

「良家の子息の家庭教師もなさっておられるの。テオ兄さまは、とっても人気者ですのよ。家庭教師のお申し込みが絶えなくって、困ってらっしゃるほどですもの」

 ほうほう。

 シャルロットさんが口元に手をそえて、優美に微笑む。

「そう遠くない未来に最年少の教授になられますわ。私、信じておりますの」


 コホンと咳払いが聞こえた。

「シャルロット。夢を語るのは慎んでください。みなさんが誤解なさいます」

 過大評価しすぎだ、とテオ様が照れていらっしゃる。

 超優秀なのに、謙虚なのね……


「テオ。国家に奉仕し、領民ひいては国民を守護することこそ、貴族の義務。私の分も、ぜひ勇者ジャンヌさんをお助けして欲しい」

 と、おっしゃるシャルル様に、

「わかりました。努力しましょう」

 テオドール様が頷きを返す。

 華やかな美貌のシャルル様と、クールで知的メガネな学者さん。

 雰囲気は全然違うけど、漂う気品というか、オーラが似てるわ……

 兄さまと違って、真からのお貴族様って感じ。



 全員と挨拶を交わした後、テオドール様は退出する事になった。

「休講手続きと個人指導をお約束している方々への連絡等をして参ります」

 あああ、テオ様……いってらっしゃい。夕方には合流できるのよね。楽しみに待ってます……



 その後も、学者の紹介は続いた。

 もう学者は仲間にできない。けど、一応、会うだけは会った。

 本業(学者)だけじゃ食べてけなくって副業を持っている人も居る。他ジョブ扱いで仲間にしといて、魔王戦では学者技を使ってもらう……なんて、手も使えるかもと思ったからだ。


 だけど、残念ながら、アタシが萌えられる相手はいなかった。



「それでは、勇者ジャンヌさん、お元気で。ご活躍をお祈りしております」

 王城での仲間探しは今日でおしまい。

 シャルル様とはお別れだ。

 どうぞお元気で……

 金の巻き毛の優美な方が、フッと微笑まれる……

「あなたとは、又、違う形で何処かでお会いできる……そんな予感がします」

 えぇぇ? 本当に?

「再会の日を楽しみにしています」

「アタシも楽しみにしてます!」

「ハハハ、実に愛らしい方だ。……困ったな。待ちきれず、今宵あなたの夢にお邪魔してしまいそうだ」

 いや〜ん。来て、来て、シャルル様ぁぁ。


 ちょっ!

 兄さま、なんでアタシの前に立ちふさがるの?

 あっちで、婚約者(シャルロット)さんと別れの挨拶をしてて。邪魔よ、そこ。シャルル様が見えないじゃない!




 アタシ達がオランジュ邸に帰ってじきに、テオドール様もお屋敷にやって来た。


「内密にお尋ねしたい事がございます。少々、お時間がいただけますか?」

 アタシとお師匠様以外の者をご自分のお部屋から退出させた後、テオドール様は鞄から書類を出し、紙の束をテーブルの上でとんとんと揃えた。

「それは?」

「王国軍からの提供情報です。魔王城情報、王国軍の配備状況、治安情勢、魔王信者の動向等々。今後の参考の為にいただいてまいりました」

 おお。さすが学者様。


「さて……」

 テオ様のメガネがキラリと光る。

「託宣の正確な内容と、魔王戦までの予定、戦闘計画などの情報をいただけませんか?」


 へ?


 何で?


「情報を分析し、勝率を計算し、場合によっては計画を修正して、我々が魔王に勝利する為です」

 メガネのフレームを押し上げながら、スパッとテオ様が言い切る。


「百一代目勇者のあなたは、『一、百人の異性を仲間とするが、同じジョブは仲間にできない。ニ、自身を含め百一回だけ魔王に攻撃が可能』だと情報を得ています。これに相違ありませんね?」

「ありません」


「では、託宣の内容を、正確に教えてください。一言一句たがわず」


 う。


「言わなきゃ……駄目です?」


「駄目です」

 きっぱりとテオ様が言う。

「神からの託宣には、表面の言葉以外に二重三重の別の意味がこめられている場合があるのです。裏の裏の意味を読み取り、裏の託宣に従わねば、魔王を討伐できない恐れがあります」


「でも、アタシの託宣は、裏の裏なんて、ありえなくて……」


 テオ様がバン! と、紙束でテーブルを叩く。

「素人判断はおやめください」

 う。


「素人判断が、どれほど危険かという事をお教えしましょう。三十二代目勇者の時代のことです、学者が仲間にいなかった為に、愚かしくも魔術師が……」

 ちょ。


「更には、六十九代目勇者の時代、学者どころか仲間すらいなかった為に、賢者様と勇者様は判断を誤られ……」

 まって。


「そもそもが初代勇者様からしてですね、託宣の内容を正確に理解していれば、もっと簡単に魔王を倒せたはずで……」

 あああああ……


 ごめんなさい……

 話します……

 話しますから、もう勘弁してください……


「《汝の愛が、魔王を滅ぼすであろう。愛しき伴侶を百人、十二の世界を巡り集めよ。各々が振るえる剣は一度。異なる生き方の者のみを求めるべし》ですか……なるほど」

 両腕を組んだテオ様が、ジーッとアタシを見る。


 その眼差しで見つめられると、ゾクゾクしちゃった……


 責められてる?

 アタシ、知的メガネ様に責められてる?


 うぅぅぅぅ。

 ごめんなさい。

 仲間にする(イコール)伴侶にする、です。

 内緒で、アタシ、あなたを伴侶にしました。

 許してください。


 ああああ、この容赦ない眼差し、いいなあ……

 癖になりそう……


「たしかに、裏はなさそうな内容ですね。しばらく修辞法の面から検討してみますが」

 あれ? 怒ってないの? 内緒で、アタシの旦那さま扱いされてるのに?


「それは、そうと……現在の仲間は、格闘家、魔術師、僧侶、戦士、そして学者の私ですね。今後、どのような仲間をどの世界から集める予定なのでしょう?」


 アタシは正直に答えた。

「お師匠様に聞いて」

 全部、任せてるもん。


 テオ様は、ちょっぴり眉を曇らせた。

 あ……

 もしかして、好感度、下げちゃったのかしら、アタシ? ファザコンならぬお師匠コンと思われた?


「では、賢者様にお尋ねします。今後、どのような仲間をどの世界から集める予定なのでしょう?」


「この世界で、必須の職業はもうない。今後は、戦闘力を考慮した上で、仲間を増やしてゆく。明日か明後日にはこの世界での仲間探しを終了し、幻想世界に旅立とうと思う」

 へー そういう予定だったのか。


「幻想世界……九十六代目勇者であらせられた賢者様が、勇者時代に、おもむかれた世界ですね?」

 テオ様の問いに、お師匠様が頷きを返す。

「あの世界の住人は、魔法的な力に満ちている。強力な仲間となるだろう。美しい外見の者も多いし、な」

 と、アタシをチラリと見るお師匠様。テオ様もアタシをチラリと見る。

 ああ……無表情なお師匠様と、冷たい眼差しのメガネ様……

 ダブル知性派の視線で、いけないものに目覚めてしまいそう……


「できれば、そこで、勇者専用の武器を手に入れたい。魔王戦で使える強力な武器が必要なのだ」


「あなた、武器を持っていないのですか?」

 テオ様が責めるように、アタシを見る。


 持ってるもん! 今、腰に差してる!……その辺の武器屋で買える普通の(はがね)の剣だけど。


 お師匠様の館には、昔の勇者が遺した伝説級のお宝の剣がわんさとある。

 けど……伝説級のお宝には、ほぼ漏れなく、呪いやら妙な祝福やらがついてくるのよ。

 剣が、持ち手を選ぶわけ。

 鞘から抜けないのやら、触れただけで雷を落としてくるのやら、柄を握っただけで掌を焼かれるやらで……

 お師匠様のコレクションに、アタシの剣は無かったのだ。


「私が異世界に運べる人間は、六人だ。仲間全員は伴えない。勇者と共に異世界を巡る間、この世界に残る者には、魔王戦に備えた準備を進めてもらう」

「賢者様と勇者様と共に異世界へ赴く仲間は四人まで。了解です」


 テオ様が、メガネをかけ直す。

「質問します。異世界で増やした仲間は、どのようにして、この世界へ来てもらうのでしょう? 賢者様が魔法で別途運ばれるのですか?」

「いいや、連れて来ない。異世界の者はもとの世界で暮らしていてもらう。この世界を訪れるのは、魔王戦当日のみ。召喚魔法で、勇者に『仲間』を呼び出してもらうのだ」

 ほー、そーなのか、これも知らなかった。


「幻想世界の後は、精霊界の予定だ」

「妥当な線ですね」

「その後は未定だ。『勇者の書』に記された異世界のいずれかに行く」


「わかりました、そういう事でしたら」

 テオ様がにこやかに微笑む。


「私もご助力いたします」

 ん?


「百人の勇者様のご活躍は全て暗記しております。どの世界の出身か、どのような世界で修行を積まれたのかも、存じております。強力な仲間が得られる可能性の高い世界は何処か、一緒に検討し、最善の選択をいたしましょう」


「頼もしいな、期待している」

 無表情だが、やさしい声のお師匠様に対し、

「知識をもってご協力いたします」

 と、テオ様は頬を染め、うっとりとした声で答える。


 え〜〜〜〜〜


 もしかして、そーゆう趣味?


 男がいいの?


 や〜ん。本物……?

 初めて見た……


 テオ様が、目を細めてアタシを見る。

「ですが、当面の急務は勇者様かと……」

 ん?

「賢者様。このままでは魔王戦が心配です。学者として勇者様を導いてもよろしいでしょうか?」


 お師匠様が、アタシとテオ様を順に見つめる。

「任せる。必要と思う助言は伝えてやってくれ」

「心得ました」


 ツカツカと靴音を響かせ、学者様がアタシの前にやって来る。

「百一代目勇者様、お願いがございます」

「はい?」


 テオ様は、アタシに対しては冷たい視線を向けてくる。ちょっとゾクゾク。

「もう少し、ご自分の頭で思考し自ら行動を決める素地を培ってください。あなたは、伝統ある勇者様の百一代目なのですよ」

「はい……」

「勇者というのは、強く、賢く、正義感に満ち、道徳的で、悪を憎んで人を憎まない、美しくも頼もしい、この世を救う英雄です。そうでなくてはいけません。それ以外は、この私が認めません」


 はぁ……


 テオ様の目とメガネが、キラリンと光る。

「十三代目勇者様は深窓の令嬢であったせいか、独立心に欠ける方でしたが、当時の学者の教育で、最後にはたいへん賢い女性になられました。六十六代目勇者様は下品な言葉使いを好む異世界人でしたが、当時の学者の教育で、最後には礼儀正しいレディーとなられました」


 テオ様が拳をぐっと握り締める。

「勇者たる者、それ相応の好人物でなければいけません。魔王戦までに、あなたが素敵なレディーとなれるようご助力いたしましょう。なにしろ、あなたは勇者なのですから!」


 わかった……

 この(ヒト)、勇者萌えの、勇者おたくだ……

 お師匠様に頬を染めたのは、九十六代目勇者だったからだわ……


 あ〜あ……素敵なメガネ男子だと思ったのに……おたくか。


 風を切る音。つづいて、ピシャッ! 鋭い音があがった。

 ぎょっとして見ると、テオの手に革製っぽい鞭が握られていた。鞭で横のテーブルを叩いた……?

「何処を見ていらっしゃるんです、勇者様。他人の話を聞く時は、姿勢を正し、相手に顔を向けしっかりと目を見るようにと習いませんでしたか?」


「何よ、その鞭!」

 心外そうにテオが眉をひそめる。

「教鞭です。家庭教師の必須アイテムです。ご存じありませんか?」

 知ってるわよ。

 てか、何処に隠し持ってたのよ。

 さっきまで持ってなかったじゃない!


「強度を調節した、特注品のソフト鞭です。枝鞭の半分も威力はありませんが、」

 鞭をしならせ、テオがもう一度テーブルを叩く。

 びしぃぃ! と、派手な衝撃音が響いた。

「お行儀の悪い子供の注意を引くには、これで充分です」

 テオのメガネがキラリと光った……



「勇者たる者、仁愛と謙遜の心を持って、常に礼儀・礼節に心を配らねばなりません。七代目勇者様も学者の教育で宮廷作法を身につけられたわけですが、あの時……」

 掌で鞭をパシパシさせながら、テオが話し続ける……

「更に言えば、女性らしく品性を磨く事が大事です。より高潔に、エレガントに、そして知性を持って。あなたは勇者なのです。万人の手本となれるよう、私と共にまずは知識を深めてゆきましょう。女子力もアップしますよ。三十三代目勇者様の時代……」


 わかった……

 わかったから、もう勘弁して……

 誰か、この(ヒト)を黙らせて……






 早めの夕食の時間まで、アタシは、テオドールにつかまっていた。

 テオ……あんた、黙ってれば知的な美形メガネ男子なのに……


 うざ。


 魔王が目覚めるのは、九十六日後。今晩は、これから占い師さんに会いに行く……ふぅ。

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