表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
きゅんきゅんハニー  作者: 松宮星
交錯する英雄の轍
68/236

◆新世代セザール/奇蹟◆ 後編

 扉を開け、白い幽霊が部屋に入って来る。仲良しのオレンジのクマを伴って。


 ニコラ君には、壁をすりぬける能力がある。既に調査済みだ。他にも、物質転送、物質浮遊、透明化など、幽霊らしい力が使える。

 けれども、思いのままに移動できるのは霊体である本人だけ。

 ゴーレムを連れ歩きたい時は、人間と同じように扉を使わねばならないのだ。


 最近、少年はどこへ行くのもクマ・ゴーレムと一緒だ。

 しゃべることはできず、ぬいぐるみ型ゆえ表情もない。しかし、ゴーレムは『子供の友』として実に完璧なのだ。

 どんな遊びにも付き合い、少年の話に真剣に耳を傾け、問われれば頷いたりかぶりを振ってきちんと答える。少年が落ち込んでいる時は、その頭を撫で、背をさすり、懸命に慰める。

 少年がかんしゃくをおこして『ピアさんなんか、キライ。あっちに行って』と叫べば素直に距離をとり、それでありながら物陰から心配そうにジーッと見守るのだ。少年が『さっきはごめんね』と謝れば、大きな頭を振って嬉しそうに歩み寄り握手を求め……。


 あのクマの挙動には、所謂『ファンシー・グッズ』の類に無関心の私ですら、胸に迫るものがある。

 勇者様風に言えば、ニコラ君は『胸がキュンキュン』し通しであろう事は想像に難くない。


 オレンジのぬいぐるみにそっくりな『ピアさん』は、右手で少年と手をつなぎ、左手には茶色の花籠のようなものを持っていた。上に布を被せているので中身はわからないが、持っているのは花ではなさそうだ。


《まだおきてたんだ》

 灯りの下で書を読んでいた私を見て、少年が嬉しそうに笑う。

《寝ないの?》

「寝ますよ。後もう少ししたら」

 この時間に、彼がここ(勇者様の部屋)にやって来たのは初めてだ。


「アンヌ様のお部屋に行かれないのですか?」

 いつもは、ご就寝のアンヌ様につきそって夜を過ごすのに。

《行くよ、あともう少ししたら》

 私の言葉を真似て少年が笑う。


《そのまえに……ジョゼおにーちゃんに会いたくて》

 幽霊の目が、部屋の隅の魔法絹布へと向く。

 白く長い反物。床に広がった魔法絹布の一番右端には、幻想世界とこの世を結ぶ魔法陣が刻まれて残っている。その隣にあるのが精霊界の魔法陣だ。

 二世界への扉は、円陣も呪言葉も鮮明だ。

 けれども、その隣の英雄世界への魔法陣は、朧げに輪郭が浮かんでいるだけだ。転移・帰還が終わって初めて、魔法陣は完成する。勇者様達がお戻りになるまで、英雄世界の魔法陣は曖昧なままなのだ。

 少年は、はっきり見えない魔法陣を見つめている。

 そこに、勇者様達がいらっしゃるから。

《ジョゼおにーちゃんに今日のこと、お話ししたかったんだ……》


「立派でしたよ、ニコラ君は」

 勇者様と共に英雄世界に赴いているジョゼフ様を、少年は深く慕っている。『男として尊敬している』ようだ。

 ジョゼフ様がそこにいるつもりで、今日の事を報告したいのだろう。

「セザール様が治癒に耐えられたのも、ニコラ君のおかげ。ニコラ君のご活躍を知ったら、ジョゼフ様もお喜びとなるでしょう」



 マルタン様に腕をつかまれただけで、セザール様は苦痛にあえいでいた。

 祓いきれぬ呪いを抱えた体には、神々しい光は眩しすぎる。治癒すらも、激痛を伴うようだった。


 しかし、少年がセザール様の背に触れ、《いたいのいたいのとんでけ》と言った途端……おつらそうな声は止まった。


 倒れんばかりの風情だったセザール様がしゃきっとし、『痛みが消えました』と驚かれたのだ。

 マルタン様も、意外そうに眉をしかめて少年を見つめた。


《いたいのいたいのとんでけは、きくんだよ。時々、アンヌの腰をなおしてあげてるんだ》

 そうだよね? と同意を求め、少年はアンヌ様に顔を向けた。


 アンヌ様は微かに頬を染めた。ご年配とはいえ、貴婦人。男性陣の前で腰痛を指摘された事を恥じらわれたようだ。

『ええ、そうね。あなたに撫でてもらうと、いつも楽になるわ』


『ガキに癒されても治るのは、一時的。じきに腰痛が復活するのだな、ババア?』

 ぎょっとした。

 冷徹と評判のオランジュ女伯爵に対し、侮辱表現を含む質問をするとは……。

 だが、アンヌ様は眉を微かにひそめられただけだった。とりたてて気にした風もなく、感情を排したお声でお答えになった。

『そうですね。二、三日後には』

『苦痛の中和・・。いや、感覚の麻痺に近いのか。根本治療にはならぬが・・、それで充分だ。ガキ、きさまを治癒助手に任命してやる。そのままジジイに触ってろ。これからジジイの右腕を砕く。ショック死せんように、完全に完璧にパーフェクトに痛みを消してやれ。いくぞ』

 そう叫ぶや、マルタン様はいきなり神霊治療を開始されたのだ。セザール様の同意すらとらずに。


 マルタン様の掌から、白い炎が生まれた。白く輝く炎は石化していた右腕を一気に包み込み、肩のつけねから肘まではあえなく塵となって消えていった。

 治癒の最中、セザール様の顔は蒼白となり、苦しげに顔を歪められた。

 ニコラ君にも、全ての苦痛は消せなかったようだ。

 けれども、『ショック死しかねないほどの激痛』よりかなり緩和されたようで、エドモン君の手すら拒み、セザール様は最後までご自分の足でしっかりと立たれていた。


 燃やし尽くすものがなくなり、白い炎は唐突に消えた。

『終わった・・これで石化自体は止まる。せいぜいが数日だが、きさまの寿命は延びたぞ、ジジイ』

 マルタン様の言葉を耳にし、気が抜けたのだろう、セザール様の体から力が抜けた。

 その体が揺らぐや、すかさずエドモン君が支えていたが。


 そして、治癒魔法を使っていた術師も、唐突に床に崩れ落ちた。

『・・クッ、完全休業になってしまったか・・』と、おっしゃりながら。

 体力も魔力も衰えた状態で強力な魔法を使ったが為に、肉体に多大な負荷がかかったようだ。

 しかし、そうなるとわかっていたであろうに、セザール様の延命の為に、あえて治療に踏み切られたのだ。

 この方はやはり聖職者なのだ、と実感した。たとえ、言動が破天荒で、常軌を逸しているように見えても。


『……感謝いたします、使徒様、ニコラ君』とだけおっしゃり、セザール様は気を失った。

 エドモン君に抱えられてセザール様は退出し、ニコラ君は自分から老狩人にしばらくつきそうと申し出て共に部屋を出て行った。


 マルタン様は占い師の肩を借りて、私はアンヌ様にご挨拶をしてからオランジュ伯爵の私室を退いた。


『・・ドレッド。今回は、たまたまだ。俺がいつもきさまの思い通りに動くとは、思うなよ』

 廊下で、マルタン様は悪態をつき通しだった。占い師に、光の精霊を貸せだの、煙草を喜捨しろだのの、要求もしていた。

 それに対し占い師はへらへらと笑いながら、何でも『はいはい』と答えていた。


 二人はやけに親しげだった。精霊界を共に旅する間に、占い師は口八丁手八丁でマルタン様にとりいったようだ。


 別れる前に、占い師は肩ごしに振り返って私を見た。

『あとは、あの場にいなかったお二人と学者先生の頑張り次第だ。じいさんを生かすも殺すも、お三方次第……より良い未来を期待してますぜ』

 それから、と男は嫌味ったらしい顔で笑った。

『約束の日は、明日だ。俺をボーヴォワール伯爵家にお連れくださるんですよね? 約束を(たが)える方じゃないのは百も承知ですが、お忘れだといけないので念の為に』



 不愉快なことを思い出してしまった……。

 かぶりを振り、占い師のにやけ面を脳内から追い出した。

 今は、ニコラ君の相手をすべき時間だ。


「退室しましょうか?」

『ジョゼフ様と会話しているつもりの』独白をするのならば、第三者に聞かれたくあるまい。夜も更けた。予定よりいささか早いが、就寝の為に自室に移動しても構わなかった。


《ううん。いいよ、それより……あの……》

 もじもじしながら、少年が尋ねる。

《ぼく、りっぱだった?》

「はい」

《ほんとにそう見えた?》


 強く頷いてみせた。

「ニコラ君の協力が無ければ、今日、セザール様の右腕は治癒できなかったでしょう。セザール様のお命は、ニコラ君の助力があったからこそ長らえられたのです」


《あいつの孫……ありがとうって、なんどもなんども言ったんだ。ぼくのおかげで、セザールは楽になったって。こんなにぐっすり寝てくれるのは、ひさしぶりだって……嬉しそうだった》

 少年の目がチラッとオレンジのクマへと向く。

《それ、お礼だって。こんな物しかなくて悪いけどって、あいつの孫が……》

 クマが左手に持っている花籠は、エドモン君からの贈り物だったのか。

《腰が痛いのが楽になる、お茶と湿布をくれた。えっと……腰痛は、タイシツカイゼンも考えて、気長に治療した方がいいって言ってた。本当はマッサージもした方がいいんだけど、アンヌにはできないから……せめて、これだけでもって》

「ほう」

 エドモン君には、薬学と整体の知識があるようだ。今までも、セザール様の看護をしていたのか。


《でも、ぼく……ありがとうって言ってもらえるような……いい子じゃない》

 少年は、照れたような、ばつが悪そうな顔をしている。

《ぼくは、ずっと前から知ってたんだ。セザールが死にそうだって……。だけど、言わなかったんだ……死んじゃえばいいと思ってたから……》

 少年の表情が一層暗くなる。

《ぼくは……りっぱじゃないよ》


 白い幽霊の様子を観察した。

 あえて何もしてこなかった事を、悔いてはいるようだ。

 当然といえば当然か。死につつある人間を見捨てていたのだ。更に言えば、自分の力がセザール様に役立つという発想はなかったのか、その可能性に気づきながらも口を閉ざしていたのかも気にはなる。


 だが、今、必要なのは事実の究明ではない。


 家庭教師として、あまり知的ではない生徒も導いてきた。

 生徒が向上心を持って努力している時は、良い点を見出し、誉めて伸ばしてきた。

 子供には飴も必要なのだ。


「魔王戦で『先制攻撃の法』を唱えて欲しいと求められ、私は勇者様の仲間となりました」

 少年の目を見て語りかけた。

「ですが、私はそれ以外のこともしています。異世界に赴いておられる賢者様のお仕事を代行し、知識と知性をもってできる事はないか常に模索しています」

《モサク?》

 口元に指をあてた。

 相手は、八才の子供なのだ。言葉使いには、もっと気を配らねば。

「言い直します。私は学者ですので、あれこれ考える事で勇者様にご協力しているのです。魔王戦で技法を使う以外にも、お役に立ちたいのですよ」


《おねーちゃんの役にたつ……》


「ジョゼフ様達とて、そうです。魔王戦当日だけではなく、異世界に共に赴き勇者様を護衛しておられる。お体の調子が悪いのにセザール様を治癒されたマルタン様も、そう。それぞれがそれぞれの力をもって、勇者様の為に最善を尽くしているのです」

 全身が白い少年。

 その真っ白な目を、凝っと見つめた。

「今日、ニコラ君はニコラ君の最善を尽くしました。とてもご立派でしたよ」

《でも……》

「スタートが遅れたことを悔いておられるのなら、次回からは迅速に動かれてはいかがです?」

《ジンソク?》

「すぐにやるという事です。その為には、日ごろからあらゆるものをよく見て、自分に何ができるのか、どうすれば勇者様や皆の役に立つのか、よく考えておくのです」

《うん》

「第二に、周囲の者と相談するのです」

《そうだんするの? でも、そうだんしたら時間がかからない? すぐに動けないよ》

「時と場合によります。急がば回れという金言もあります。たとえば、私は思索は得意ですが、高い戦闘力をもって勇者様を護衛する事はできません。ですので、護衛役はジョゼフ様達にお願いしています。何もかも自分でやろうとはせず、周囲の人間をよく見て、頼るべきところは頼った方がいい」

《そっか》

「なすべき事を見極め、速やかに行動する。そうすれば最善を尽くせると、私は思います」


《これからがんばれば、だいじょうぶ? ぼくは『男』になれるかな?》


 ニコラ君がジョゼフ様とどんな会話をしたのかはわからない。が、彼の言う『男』とは、『かよわき者を守る父性としての男性像』を指している事は理解できる。

「努力を怠る者に向上はありません。しかし、たゆまぬ努力を続けるのであれば、」

 表現が難しいかと懸念しつつも、言葉を続けた。

「理想に近づいてゆける。いつかは、あなたの望む『男』になれるでしょう」


 少年の表情が、少し明るくなる。


《ありがとう、おにーちゃん》

 少年は、はにかむように笑った。

《……ジョゼおにーちゃんと約束したのに……ぼく、今日まで何もできなくって……。だいきらいな奴でも、仲間なら守る。それが『男』だって言われてたのに……》


「セザール様の事を好ましく思われていない事は、察しておりました」

 だが、わからない事がある。あえて、ストレートに尋ねてみた。

「何故、お嫌いなのです?」


 少年はムッと顔をしかめる。

《だって、あいつ、アンヌが好きなんだよ? アンヌに話しかけられると真っ赤になって、カッコつけるんだ。フィアンセのぼくを無視して。失礼だよ》

「そうでしょうか?」

 首を傾げた。

「一般的にですが、世の男性陣は婚約者への賛辞を自らへの賛辞と受け取るものです。素晴らしい女性が許婚である事を誇りと思うのです。アンヌ様を誉めることは、ニコラ君を誉める事になりませんか?」


《ちがうよ。あいつは、ぼくをフィアンセと見てない》

 白い幽霊が、ますます不機嫌な顔になる。

《ぼくが子供のままだから……》

 悔しそうに少年が、顔をゆがませる。

《ぼくは大きくなれない。悪いことをしちゃったから、神さまのもとへも行けない……ぼくはアンヌといっしょになれない……いつかは、アンヌとお別れだ。だけど、あいつは……死ななかったら、このままアンヌといっしょの世界でくらせるんだ》

 その白い眼から、白い涙がこぼれた。

《死ねばいい……今でも、ぼく、そう思っちゃうんだ》


 なるほど、と納得した。

 ニコラ君がセザール様を厭っている理由は、『自らがこの世を去った後も、アンヌ様と共にあれる事』への嫉妬でもあったのだ。


《ぼくがいなくなった後、あいつがプロポーズして……アンヌが受け入れたらと思うと……苦しくってたまらないんだ。そんなの、ぜったいイヤだ……そうなるぐらいなら、あいつを殺してやる……》


「え?」


 耳を疑った。


「ありえませんよ、そんな事」

 実に子供らしい思いこみだ。


「セザール様とアンヌ様がご結婚するなど、天地がひっくりかえってもありません」

 きっぱりと言い切った。


「身分が違いますから」


《みぶん……?》


「アンヌ様はオランジュ女伯爵、セザール様は勇者の仲間という経歴こそあれ平民です。恋に狂った無分別な子供ではないのです。良識あるお二人が、身分差婚など望まれるはずがありません。学者である私が断言します」

 目に涙をたたえたまま、白い幽霊が大きく目を見開く。

《そうなの?》

「身分差婚など醜聞以外の何ものでもありません。セザール様はそのような事は望まれてはいないはず。おそらくは、」

 恋愛関係の知識は乏しかったが、勇者物語として人口に膾炙している恋愛劇を参考にニコラ君に助言した。

「セザール様は花を愛でるように、美しくも素晴らしいアンヌ様にご好意を寄せられているのではないかと。その花を守る為、暴風と戦いこそすれ、ご自分では決して手折ろうとはなさらない……私はそう思います」


 ぽかーんとした顔の少年に、静かに諭した。

「騎士道精神です。ジョゼフ様や私達が勇者様をお守りするように、セザール様はアンヌ様をお守りしようとしているだけなのです」



《そうなのかなあ……》

 少年は困ったような顔になった。

《だったら、ぼく……セザールに悪いことしちゃった……勝手に怒って……セザールは悪くないのに》


「失敗したとお思いでしたら、同じことを繰り返さぬようにすればよろしいのです。いくら悔いたところで、過去はやり直せません。反省を、どうぞ未来に生かしてください」


《……うん》

 少年は涙をぬぐい、朗らかに微笑んだ。

《ありがとう、おにーちゃん》


 かぶりを振った。

「事実と推測をお伝えしただけです」



 オレンジのクマを連れて、少年は机の側までやって来た。

《おにーちゃんは寝ないで、なにしてたの?》


「次に勇者様が赴かれるにふさわしい地を千慮しておりました」

 勇者関連の書物と私の覚書が、机の上に散乱している。

 比較的わかりやすい、年表付きの書を手渡した。

「歴代勇者様の出身世界及び勇者様方が修行場として訪れた世界は、七十二。幻想・精霊・英雄の三世界を除いた六十九の異世界から候補地を探しています」


《むつかしそうだね》

 私から渡された本をパラパラとめくりながら、少年が首をかしげる。

《ぼくに、手伝えることない?》


「そうですねえ……」

《ぼく、何でもするよ。本の整理でも、計算でも》

 机の上を見渡した。

 どれも専門書だ。八才の子供が読むには難しすぎる資料しかない。


 彼に頼める事など、何も無い。


「アンヌ様のもとへ行かれなくて、大丈夫ですか?」

《アンヌは、もうねてるもの》

 少年は少し寂しそうに微笑んだ。

《もらったお薬は、明日の朝、みせてあげればいいんだ……》


 幽霊である少年は、眠る事ができぬのだ。


 私が拒絶すれば、長い夜を、後悔ともどかしさを抱えて一人で過ごさせる事になる。

 そんな事をしても、何の益もない。

 どころか、向上心をもち始めている子供の芽を潰すのは、指導者としてあるまじき行為だ。


「……既に幾つか候補地を決めています。その地に赴いた場合の長短を踏まえ、あらゆる角度から再検討しようかと思っておりました」

 白い幽霊に微笑みかけた。

「世界ごとの概要を説明いたします。よろしければ、勇者様が次にどの世界に赴くのが良いか、私と共に考えてくださいませんか?」


 少年は大きく頷き、その隣のオレンジのクマも大きな頭を縦に振った。


 二人とも、実に愛らしかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=291028039&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ