LEVEL-82 潜入 キングダムオブマーゾ①
キングダムオブマーゾの内部はそれなりに綺麗だった。もっとまがまがしい様な雰囲気もあったけれども、想像以上に綺麗なものであった。
内部には侵入者を拒む様な仕掛けもほとんど見られない。それどころか、次から次へと奥に進める様な状態であり、たかし達はどういう訳なのかよく分からなかった。
「リュラプス?このスムーズな感じ嫌な感じしないか?」
「そうだな。侵入者なんて来ないから逆に防御が弱いのかも。」
「殺気とかそう言うのも全くしないからな。」
「でもこのまま何も起きないなんて事はないよね?」
その防御の薄さとは一転して出現するモンスターはかなり強力であった。魔法力の消費を最小限に抑えての戦いが続いたものの、打撃だけで押し切れるほど敵も弱くなかった。ラディスト49世からもらった祈りの指輪を上手に活用しながら、最深部を目指す。
最後のダンジョンにしてはスムーズに行けてしまう事が不自然に思われていたが、それは決してパーティーにとって悪い事ではない。寧ろ困難さが無いと言う事はそれだけ大魔王マーゾとの戦いに集中出来ると言う事でもある。かなり奥まで来た所であろうか?ヤマタノオロチ様な八つ首の竜と戦っている一人の戦士の姿をパーティーは見つけた。
「何だか騒がしいな?」
「ここは加勢すべきかいなか?」
「たかし、ボーッとしているとあの戦士殺られちゃうよ?」
たかしはボーッとしていた。
「父さん…。」
そう言うと王者の剣を引き抜いて、その戦士に吹き付けられる地獄の火炎を高度風魔法でかき消した。そして、目にも止まらぬ一閃でその竜のモンスターをやっつけた。
「父さん、こんなところまでよく一人で。」
しかし、久方ぶりの父オルタナの姿はもう返事すら出来ない状態であった。
「折角無事会えたのに…。」
「パーティーの他のメンバーはどこ行ったんだ?」
「それより、オルタナさんを回復してやらねーと。」
「こんなに無理しちゃって、何やってんだよ?」
「たかしやめろ!回復魔法かけてる最中だ。」
「たかしか?」
「父さん!何で一人で?」
「色々あってな。はぐれちまった。しかし、こんな所までよく辿り着いたな?」
「父さん、てっきり死んだものかと思ったよ。」
「まさか地下世界があるとは知らず、俺もギアガの大穴に飛び込んだ時は終わったと思ったよ。」
「他の3人は?」
「ここから先は危ない目に合うから3人とも里に帰した。」
「そんな無茶するから…。」
「っていうかどうやってここに?」
「ダラトームから船でダイレクトにキングダムオブマーゾに向かって来た。」
「そうなんか…。」




