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~そしてもう一つの伝説へ~父の仇編~地下の黒幕編~  作者: 佐久間五十六


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LEVEL-73 要塞の町

キドメルと言う町は、その堅固な造りからは想像出来ない程魅力のある町であった。いや、町と言うよりはコミュニティ(集落)とでも言えば良いのであろうか。キドメルは入る時にボディーチェックもあり、まるで中で良からぬ事を企てるのを防ぐのかと思われるが、それは違う。


この町は町立以来要塞の町として生き抜いてきた。そのDNAが刻み込まれているだけの事であった。中に入ってみると、武器屋、防具屋、道具屋、カジノ、温泉まであった。キドメル人にとって、町の中を充実させる事で生き残ってきた事が直ぐに分かった。町の外に出る必要が無い様に生活必需品も全て町の中に凝縮した。その結果生まれたのが要塞の町キドメルであった。


町の中にいる人間にとっては、全ての事象を町の中で済ませられると言うのは事の他便利で窮屈等では決して無かった。寧ろ、生活可能エリアが限定されている事による安定と言うのは、心地の良いものでさえあった。恐らくこの様なスタイルの町はガルドアレフいや地上世界も含めて、キドメル只一つであった。


この町にはたかし達にとって、必要な何かがあるはずであった。しかしながら、町の中にはそれらしき物は一切無い。何も獲る物はない。つまりは戦略的に何の意味もない村や町も、世界は広いからあってもおかしくはない。それでも何の意味もない村や町であっても、勇者としては、一歩踏み出す思いきりの良さと言うのも必要な事であった。たかしはとにかく、勇者の4装備を手に入れた事により、残るはあまくもの杖と光の玉を手に入れるだけであった。もちろん、焦る気持ちも無くはなかったが、ここで焦る必要は全く無かった。


「変な町だな。」

「四方を大きな壁に覆われて、入れる所には門番が二人。」

「息苦しくなんねーのかな?」

「まぁ、住めば都なんじゃない?よく分からんが。」

「つーか、目的の物無いからスルーしない?ここ何にもないよ?」

「まぁ、そう急ぐ旅でもない。もう少しこの特殊な町の人の話を聞いてみようよ。」

「だんだん大魔王マーゾの力をびしびし感じて来たしな。」

「そう?あ、そっかそう言う事か!それで四方を壁に囲まれているのか!」

「なぁに一人で納得しちゃってんだよ?」

「大魔王マーゾのお膝元にあるから町をクローズにしないと、強力なモンスター達が暴れ放題になるじゃん?いくら強力な装備を持つキドメルの民であっても、大魔王マーゾの魔力には敵わない。」

「なるほど!そう言う事情があったのか。」


と、まぁ何かと訳ありなキドメルの民に突っ込んだ話は出来ないたかし達であった。

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