LEVEL-71 世界一の兜
その兜は、何と防具屋に売っていた。多少値は張るが最強の兜と言われていただけに、ダンジョンの奥深くにあるとりあえずものと思っていたたかし達は拍子抜けしたのであった。たかしはたまらず店主に質問した。
「おい、マスター?グレートヘルムは最強の兜何だろう?」
「お兄さん、ちょっと値が張るけどこのグレートヘルムはガルドアレフにおける最強の兜だよ。数は沢山あるけど、残念ながらこの世でグレートヘルムを越える兜を作り出せる人間はいない。そして、良いものはきちんと流通してこそ意味があるってもんよ。そうだろ?それに違いはない。」
「なるほど。人間が量産出来る程の兜しかこの世界には無いと言う事か?それならば仕方無い。諦めてこのまま、冒険を続けるしかなさそうだな。」
「失礼ですが、貴殿方は大魔王マーゾを倒すおつもりなのですか?」
店主はたかしにおそるおそる質問した。
「だとしたら何か不都合でも?」
「恐れ入りました。まさか勇者一行様だとは気付かず。よろしければ、このアイテムをお持ち下さい。」
すると店主は指輪の様なものを出して来た。
「こちらは祈りの指輪と言う代物で、戦闘中やそうでなくても、魔法力を20ポイント~30ポイント回復出来る代物であります。何度か使うと、壊れますが2~3個お渡ししておきます。大魔王マーゾとの戦にお役立てください。」
「何も購入していないのに受け取る訳にはいかん。」
「イエイエ。これは正当な支援であってビジネスではありません。」
「そうか?ならば懐に納めて置く事にしよう。」
こうしてたかし達は最終決戦を前に最強の兜と祈りの指輪を手に入れた。お金をびた一文払っておらず、店主の好意にあやかってしまった事は気が引けたが、村人の好意だと受け止める事にした。まさか村の防具屋にこの様な強力な防具が売っているとは驚いた。
「何だよ。普通に買えるじゃんか?ダラトームの王様が貴重なものだから、大切にしろって言ってたけどグレートヘルムを越える兜はやっぱ存在しないみたいだな?」
「防具屋のおっさんも言ってたしな。ガルドアレフにはグレートヘルム以上に強力な兜は無いんだな。」
「しかし、太っ腹だよな。お金をびた一文払っていないにも関わらず、グレートヘルム1個と祈りの指輪を3つもタダでくれたんだからな。」
「それだけ大魔王マーゾを倒して欲しいんだろ?ガルドアレフにはそう言う民が沢山いるのは承知しているからな。」
「オイツォフ、お前装備しろよ?」
「え?私?」
「良いのかリュラプス?」
「ああ、何も問題は無い。金が貯まれば買ったら良い。」
と、既にたかしは装備していた為、オイツォフが2個目のグレートヘルムを装備する事になったのである。




