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~そしてもう一つの伝説へ~父の仇編~地下の黒幕編~  作者: 佐久間五十六


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LEVEL-62 妖精の笛

ライマ温泉には妖精の笛と言う忘れ物があった。これが何の役に立つのかと言う事は分からなかったが、どうやら村人に聞くと近くにあるデオーラの塔で使う為のものである事が、分かったのである。


デオーラの塔はガルドアレフでも屈指の難ダンジョンである。出てくるモンスターのレベルも高い上に中のダンジョンは複雑怪奇である。だが、たかしはこう言うダンジョンが好きだった。攻略出来るのが大変なものであるほど、大変だがやりがいも生まれてくるものである。


一見すると何に使うか分からない様なアイテムであったとしても、持っていて無駄と言う事はない。冒険においていつか役に立つあるいは、使い所は見えてくると言う物だと思っていた。そしてその方針は決して間違っていない。役に立たないものであったとしても、いつか役に立つと言うのは冒険者の心得であり、それはこれまでもこれからも変わる事は無いであろうと思う。


妖精の笛がどの様なアイテムであるかと言うよりも、大切なのはそれを持っている事によって、ガルドアレフでの冒険が進んだ時に必要な事は分かりきっている。だからこそ、ここで立ち止まらずに先に進んで行く事を躊躇わない勇気が求められる。長い冒険であるが故に立ち止まり、熟考するのも時には必要な事なのかもしれない。


勇者であってもどちらに行くか迷う事はあって当然の事なのかもしれない。そう言う時こそ、迷わず前進する事が出来る力のある者が選ばれし勇者に必要なスキルと言っても、過言ではない。大魔王マーゾとの戦いにも気を付ける必要があるのかもしれないが、そこに辿り着くまでの道のりにまず、集中する必要がある。そこに至るプロセスも、選ばれし勇者には、必要であり乗り越えなければならない壁の一つである。どんな状況でも、対応していく力と言うものも、大魔王マーゾを倒す為には必要な事ではあると思われる。


「何だよ、忘れ物って?」

「この辺にあると思われるんだけどさ。」

「あっ!あった。」

「それで間違い無さそうだね。」

「オイツォフも気付いていたのか?」

「このライマ温泉には重要アイテムの情報が集中していたからね。妖精の笛の情報はつい後回しになってしまったのだろう。」

「じゃあこれで次のデオーラの塔にも心おきなく挑めると言う事か。」

「デオーラの塔か…。」

「どしたリュラプス?」

「いやな、昔何かの文献で読んだ気がしてな。とてつもない難ダンジョンって話だったのを思い出してな。」

「だとしても、クリア一択しかないじゃん?」

「まぁな。」


と、苦虫を噛むリュラプスであった。

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