LEVEL-60 名人芸~アート・オブ・ウォー~
ルイードの作る武器はまさに、職人芸であり名人芸であった。ウェポンをアート・オブ・ウォーの域まで高めているルイードではあったが、彼には心情があった。
「俺はいまだかつて本物の勇者とやらに会った事はない。強いて一人だけ上げるとすれば、地上から来たオルタナと言う男だな。あの男だけは決着をつけられず、引き分けになっていたが、一体今までに何人もの雑魚でへっぽこな勇者を葬って来た事か。俺は自分よりも弱い相手とは戦わない主義だが、つまらぬ正義や都合の良い正義を掲げるインチキ勇者が乱立しているのが目に余る。」
と言う心情であった。すると、その話を聞いていたたかしが、身を乗り出してオルタナの事について聞いた。
「え!?お前はオルタナの実の息子なのか?そう言われればどこかしら面影があるな。オルタナと戦ったのはもう1年位前だから奴が今どこで何をしているかは分からないが、奴の事だ。そう簡単にはくたばってはいないはずだろう。」
「父さんも俺も大魔王マーゾを倒す為に旅をしています。」
「それは立派な事だな。しかしその前に貴様は勇者たる資格があるのか、それを見極めさせてもらいたい。何故なら貴様が勇者を名乗り、オルタナの息子だと言う事だからだ。貴様にもし真の勇者たる資格があるのならば、その時は私も貴様に協力しよう。」
「あんたの協力をとりつけるには、あんたに勝たなくてはいけないと?そうだな。あんたに勝てないようじゃ、大魔王マーゾに勝とうなんて、口が裂けても言えないから、丁度良い。行くぞ!」
たかしとルイードはその懐に忍ばせたお互いの剣を鞘から抜いて抜撃を繰り出した。勿論、魔法等は一切使用していない。正に己の剣技のみで勝負をしていた。
「若いのにやるな?」
「あんたも相当な手練れだよ。」
お互いに一歩も引かなかったが、現時点ではたかしもルイードも実力的には五分五分であった。
「ルイードやるな。たかしが、苦戦しているよ。」
「是非ともお仲間に迎え入れたい実力はありますね?」
「バカ言え。あいつは魔族だぞ?見て分かんねーか?」
「え!?モンスターって事?」
「いや、そうでもねーんだけどさ。人間に寄り添う魔族なんて珍しいから驚いてんだよ。とにかくたかしが、ルイードに勝てないようじゃ大魔王マーゾを倒せないとも言われていた通りだな。ここはたかしに一発決めて貰わねーとな。」
「ルイードの剣は何か特殊加工してあるみたいだから気を付けろ、たかし!」
「仲間が騒がしい様だが?」
「構わず集中する。」
と、仲間の声援を味方に魔族ルイードに勝ち、王者の剣を手に入れられるかの瀬戸際にいたたかし達であった。




