LEVEL-55 名もなき村
呪われているアイテムであったが、地獄の鎧を手に入れたたかし達は、その洞窟を出て更に北上した。すると村の集落の様なものを見つける。
中に入って見るが誰もいない。30分程見回ってみたが、何かめぼしいものがある訳でもない。すると一人の男が立っていてたかし達に話しかけて来た。その男の名はトゥーロフと言う。
「旅の者か?こんな辺境の村に来るなんて、あんたも随分な物好きだな。この村はな以前は石油が出て財を成したバハームトと言う村であった。そう、5年前まではな。5年前大魔王マーゾが復活した時に、奴は石油製品が自分の支配を揺るがせるとして、いの一番に侵略を開始。バハームトに軍事力等あってない様なもので、その上大魔王マーゾの力は半端の無いものであった。バハームトはそれ以来村としての機能を失った。だから、今はこの村に名前はない。ところでお前さんがたもしかして、地上世界の人間か?」
「あぁ、そうだ。最近ガルドアレフに来たばかりだがな。」
「あのバラーモスを倒せるなんて選ばれし勇者かい?」
「だとしたらどうだってんだい?」
「あんたらなら大魔王マーゾを倒せるのかい?」
「今の所は何とも言えないが、そのつもりで旅をしている。」
「こりゃああんたに協力しない訳にはいかないか…。」
「いや、無理にそんな事しなくて良いんだぜ?」
「そうだ!これを持っていけ。」
「これは!?」
「最強の兜"グレートヘルム"だ。」
「良いのか?こんな大切なもの?」
確かにこのグレートヘルムはガルドアレフの防具屋には売っていない最強の兜だった。
「私は戦士をしていたが、引退した今はこのグレートヘルムも必要はない。お古で申し訳ないが。」
たかし達は旧バハームト村で粋な戦士に未来を託された。この村の様な村を増やさない為にも大魔王マーゾを一刻も早く倒す必要はあった。未だにガルドアレフの空には闇雲に覆われていて、その暗黒は一向に変わる気配を見せなかった。それがたかし達を大魔王マーゾ打倒に向かわせた。
「この兜、勇者の最強装備の一つじゃない?」
「ほんとか?グレートヘルム?マジかよ。こんなところで。」
「トゥーロフさん、もしかして只の戦士ではないのかもな。」
「旧バハームト村の唯一の生き残り。」
「まぁ、そんな事聞くのも野暮だしな。」
「確かにな。」
「ありがたく使わせてもらおう。」
「しかし、大魔王マーゾの力はすげーな。村一つ楽勝で消せる。おそろしや。おそろしや。」
こうしてたかし達は勇者最強装備の一つグレートヘルムを手に入れた。




