あとがき①
勇者の息子として生まれた、たかしの地上における冒険は終了した。ドラゴンクエストⅢの世界観をベースに8割方合わせたつもりではある。残りの2割は私のオリジナルである。この2割が無ければ、勇者たかしはオリジナルの道を歩めなかった訳である。
魔王バラーモスを倒し、父オルタナの仇をとるまでの道のりを描いて来た訳であるが、バトルシーンやそれ以外のシーンを描く為にも、それなりのドラクエ知識が必要であり、かなり思い出すのに苦労した。30年近く前の記憶を蘇らす事は中々に大変な事であったが、描いていて楽しい事は楽しかった。
装備品やアイテムについては、もう少し詳細に記載しても良かったが、上手くバランスがとれている様にも思えた。こうやって振り返って描いてみると、ドラゴンクエストⅢと言うゲームストーリーの奥深さと言うものは、壮大なものがあったと思える。
バラーモスを倒すまでにこんなにもストーリーが詰まっていたのかと、改めて思い知らされた。日本では伝説のRPG作品と言われている由縁がよく分かった。そして、これから舞台は地下世界ガルドアレフへと移って行く。果たして地下世界ではどの様な試練が待っているのかと思うと、ワクワクが止まらない。ファミコン、スーパーファミコン、ゲームボーイカラー、Wii、と沢山のハードをまたいで、確立されたドラクエⅠ~Ⅲの作り出したドラクエ像と言う物は良くも悪くも、現在のドラクエ人気に直結していると言える。
シンプルなもの程、誤魔化しが効かない。今やドラクエのスピンオフ作品は山ほどある。スマホでプレイ出来るから、ドラクエは日本人の国民的ゲームとも言える。ゲームは呆れるくらい膨大な数があるが、これほど長く幅広く人気を保っているのはドラクエただ一つだけだろう。正に唯一無二の存在であるドラクエが、私は好きである。
「なぁ、たかし?」
「どうした?ゴパン?」
「ガルドアレフに行く前に実家に帰りてぇんだけど?」
「どのくらいで戻って来れそうだ?」
「一週間。一週間で必ず帰ってくる。」
「分かった。行って来い。父上殿にはよろしくな‼」
「俺も里帰りしたいんだけど?」
「リュラプス?お前の実家はエリアハン大陸のベーレ村じゃねーか?3日で帰って来い。」
「はーい。」
「オイツォフは?」
「私は流れ者で実家なんて無いわ。気付いたらエリアハン大陸に流れ着いたの。それが5歳の頃。それからは遊び人としてアイーダの酒場に登録。勇者のオファーを待っていたの。ってそんな事たかしは知ってるじゃない?さ、私達はたかしの実家でゆっくりしましょ。」
こうして地下世界に行く前に、各々が地上で思い思いに過ごす事をたかしは許可した。もしかしたら戻れないかも知れないと察知したのかも知れないが…。




