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~そしてもう一つの伝説へ~父の仇編~地下の黒幕編~  作者: 佐久間五十六


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番外編① 酒場のつまみ

 エリアハンにあるアイーダの酒場では、勇者御一行の仲間提供と言う任務と平行して、文字通り酒場の経営をしている。そこでのメニューは、基本的にマスターでもあるアイーダが、作れる物に条件は限られる。


 チャーハン、焼きそば、サンドイッチ、と言う様なライトミール(軽食)位なら出来たが、酒場の常連の戦士や魔法使いの話だと、その不味さは攻撃能力上昇系呪文を二回かけた二回攻撃可能武器で攻撃したダメージとも、高度爆発系呪文と高度冷却呪文を掛け合わせた様な物であると言う。


 そんな凄まじい不味さの中で唯一アイーダが作れるヒット商材があった。アイーダの酒場はそのメニュー一品で経営が成り立っているといっても過言ではない。とも言われる。


 メニュー名は、力の種~バタピーRIMIX~である。要するに柿の種ピーナッツの事である。作り方は簡単で、本物の力の種を二、三個まぜピリ辛の米菓と塩コショウの効いたバターピーナッツを交ぜただけの代物なのだが、これが、攻撃力アップをしたい戦士や武闘家の間で口コミとなり、グングン攻撃力を上げたい人にはおすすめの一品である。


 しかし、魔法使いや僧侶や賢者には不評で、力の種なしversionを作った。そして売り上げが良いのは、断トツ力の種なしversion。つまりただの柿ピーであった。アイーダが柿ピーを作ると、神が降りるのである。火の玉系攻撃呪文の様な辛さのある柿ピーでもなければ、風嵐系攻撃呪文のようなキレのある柿ピーでもない。


 だが、アイーダが出す力の種~バタピーRIMIX~や力の種無しバタピーは、最高ランク全員回復呪文の様な美味しさがあるのである。一方酒場の売り上げの8割を占める酒類の旨さは酒場を名乗るだけあって、そこそこ旨い…らしい。


 アイーダ自身、速度上昇系系呪文がかけられた訳でも無いのに、手際が良く守備力上昇系呪文がかけられた訳でも無いのに、フライパンの上でピーナッツと柿の種が踊り、魔法反射呪文がかけられた訳でも無いのに、出来上がったバタピーは、光沢に包まれていた。


 今宵もアイーダの酒場では、恐らく沢山の腕自慢達が、この力の種~バタピーRIMIX~や力の種無しversion(ノーマル)バタピーをつまみにして、魔王軍との戦いで疲れ果てた心と体を癒しているに違いない。それは確かであろう。


 所で力の種はどうやって調達しているのであろうか?答えは簡単。エリアハン王から特別に貸与されているのである。つまり、すばやさの種versionも、かしこさの種versionも、まもりの種versionもやろうと思えばやれるのであるが、アイーダ自身が面倒臭がり力の種versionしか出していないのである。これらの種はエリアハン王国内部の厳重な管理の元で育てられている。

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