LEVEL-38 便利な武器
ティムルとゴートュルクのドリームタウンに行く際に必ず寄るズーと言う村があったのだが、その村には強力な武器防具屋がある訳ではないが、役に立つ便利な道具屋や武器の豊富さには郡を抜いていた。
どんな敵にもダメージを与えられるどくばりや、井戸の周りを調べると見つけられる破邪の杖はユニークな便利アイテムの筆頭格である。辺境の村と言う事もあり、大きな街ではあり得ない破格の値段で泊まる事の出来る宿屋も度々利用する事になった。
ズーと言う村が勇者一行の役に立ったかと言う事を数値化すれば、恐らくそこまで大きなものではないと思われた。しかしながら、そう言う冒険の役には直接立つ事は無くても、この村がある事で勇者たかし達の旅が一味も二味も違うものになっている事は確かである。
先住民族のいる少し変わった趣のある村ではあるが、この村はこの村なりの存在意義があった訳である。この世の中にある全ての街や村は、大なり小なり意味を持って存在意義がある。勿論、勇者の冒険と言う観点だけで見た場合は、必要性の低い村ではある。しかし、勇者にとっては必要無くても、その地域のコミュニティとしては、必要なものである。独自の文化圏を生み出す事により、生存圏を確保している村や街もある訳である。
勇者にとってダイレクトに関係無くとも、それはそこに住む住民にとっては、余りと言うよりも全く関係のない事である。世界は勇者を中心にまわっている訳ではないし、人がいればそこに集落が出来るのは、生物として当然の流れではある。至ってシンプルな事である。
「ティムルやゴートュルクがいなければズーの村には寄る事すらなかったかもな。」
「確かにマニアックな村ではあるが、冒険の役に立つ便利な武器やアイテムはあったし、宿屋は安いし、まぁ寄り道も悪くないな。」
「こんな辺境の村もコミュニティはあるんだな。」
「この村の周りには強力なモンスターが沢山いるしな。」
「まさか、魔王軍が侵略を始める前からあった秘境なのか?」
「それは一理あるかもな。この辺りにはモンスターすら浸入困難な高山地帯で囲まれているしそうかもな。」
「海路では到底これない場所だが散策した甲斐はあったかもな。」
「村民は皆、弓の名手で騎馬を操り矢を繰り出す戦法で、この辺りの強力なモンスターにも対応している様だぞ。」
「かなり、原始的だな。弓矢って…。」
「いや、そう馬鹿にしたものでも無いようだぞ?」
「ま、俺達エリアハン人とは全く異なる人種ではあるな。」
ズーと言う村の周りには高山地帯で陸の孤島になっていたがそこに住む住民(先住民)は高い弓のスキルを研き魔王軍の侵略にも負けない強さを持っていた。本来は狩りに使う技術であった様だが…。




