LEVEL-36 商人を一人くれ
ズーと言う村のある大陸のとある一角に、まだ発展途上の名も無き町があった。そこには年老いた50代後半位の男性がたった一人いるだけであった。
たかし達は何もないからスルーしようと思ったが、その男性に声をかけられる。その男性はティムルと言う名らしい。
「君は見たところ勇者とそのパーティーだね?ならば頼みがあるんだ。」
「頼み?何ですか?」
「商人を一人この町に寄越してくれ。男でも女でも構わない。」
「わりぃな爺さん、俺達急いでんだわ。他を当たってくれ。」
「勿論、報酬は払う。今に分かる。商人一人いれば大きな財を手に入れられるんだ。」
そこまで言われちゃ、たかし達も無視は出来ず急ぎ、エリアハンにドルーラで戻り、アイーダの酒場で男の商人を一人登録した。商人の名前はゴートュルク。何の想いいれもなかったが、ティムルの願いを叶えるためだけに、ゴートュルクを仲間にした。その間、ゴパンには一度パーティーから外れてもらった。
「本当に商人を連れて来てくれるなんて。ほう、ゴートュルクと言うのか?私はティムル、よろしくな。それではこの秘境に私と大きな街を作ろう!」
何だかよく分からなかったが、ティムルとゴートュルクはこの密林を開拓して大きな街を作ろうとしていた。ただ、今の段階ではその町がたかし達の冒険に影響を与えるとは、誰も思っていなかった。
ティムルとゴートュルクはティムルの指示の元で、小さな集落を町へと変えるのであった。勿論、彼等に建物の建築のノウハウはなく、金稼ぎにだけ特筆した能力を持っているに過ぎなかった。
「じゃあゴートュルクを宜しくお願いします。」
たかし達はゴートュルクをティムルに預けてエリアハンへゴパンを迎えに行った。
たかし達はその町が大きくなるのを見届ける間もなかった。ただ、時々はこの町に来て欲しいとたかし達にお願いはした。
「ゴートュルクも勇者一行の仲間なんだ。だからたまには顔を合わせてやって欲しい。」
「絶対損はさせないよ。」
「流石、商人。ま、頑張れゴートュルク。期待しているぞ。」
と、ティムルにゴートュルクを預けてその場を去った。
「ゴパン、待たせてゴメン‼」
「退屈だったからアイーダの酒場でアイーダさんと酒盛りしてたよ。」
「一人でウィスキー、一本開けちゃうんだから。」
「すまん。ついハメ外しすぎちゃった。もう一晩だけ出発待ってくれる?」
「はぁ?しかたねーな。アイーダさんも、その辺の事は分かってますよね?ゴパンはうちのパーティーの正二列目なんですから、お願いしますよ。」
「まぁ、まぁ、ゴートュルクと何があったかは知らないけどたまには飲もーぜ。」
「駄目だ!酔いが覚め次第出発するぞ。」
「ほーい。」
「つーか、ここ酒場だったね。」
「そーよ、たかし君たら、イヤね、もう。」




