番外編④ 賢者になれる理由
何故遊び人だけが悟りの書無しで賢者になれるのか?この疑問が起こるのは不思議な事ではない。
そもそもまず、何故賢者になる為に悟りの書が必要な事から説明しなければ、この疑問は解決出来ない。
"番外編③神官はツライよ"でも述べた様に賢者ビジネスをする為にマーダ神殿初代神官のフェルプリアスが設けた制度で賢者に転職しにくくする(精霊ルビス様からもお達しがあった様で)為のものであった。
しかし、フェルプリアスがいた頃にはまだ遊び人と言う職業が存在していなかった為、問題が発生したのである。最初に遊び人として、悟りの書を持った状態でフェルプリアスの所へ行くと、不思議な事に何度ジョブチェンジャーの魔法をかけても変わらなかった。
転職条件(レベル20以上、悟りの書一通)を満たしていたにも関わらずである。そこでフェルプリアスは悟りの書を持たせないで、ジョブチェンジャーをかけた所、なんと賢者になれたのである。と言う様な経緯があり、遊び人は悟りの書無しで賢者になれると言う都市伝説が生まれた。
マーダ神殿の神官はフェルプリアスの教えを信仰しているため、遊び人には賢者に成るためには悟りの書不要と言うシステムエラーを書き換えずに、ここまで来てしまったから、賢者に成るためには遊び人には悟りの書不要と言う事態になってしまった。
ならば、悟りの書に遊び人にも悟りの書が必要だと追記すれば良いじゃないかと思われるかも知れないが、それは不可能なのである。フェルプリアス(初代神官)が生み出した悟りの書は、コピーは出来ても、書き換えは出来ない。これは話すと長くなるので割愛するが、フェルプリアスと精霊ルビス様の間にあった密約によるもので、マーダ神殿が転職適地として認められる契約の中で、賢者と言う強力な上級ジョブに成る為の条件として悟りの書が必要ではない職業リストに遊び人は入っているという事である。
万が一にも悟りの書の原本が噴出する様な事があっては困る為、悟りの書原本の書き換えは出来ない様に精霊ルビス様は魔法をかけ原本は封印した。その為コピーは出来ても新たな条件を加える事は出来なくなってしまった。
後に遊び人が職業として確立されると、今更不都合になったから変えましょうと思っていても、強力な賢者への上級ジョブチェンジャーには遊び人の明記がないから、これは例外として扱う。と言う歴史になって、遊び人から悟りの書無しで賢者になれると言う噂が広まり、それが定着していったのである。変えたくても変えられない。それが現状の様だ。
とは言え、遊び人をレベル20まで育成してくる変わり者はそうはいない。だから都市伝説化しているのかも知れない。実際にデータとして、賢者になった強者のうち元職が遊び人だった人間の割合は1割未満である。




