LEVEL-2 盗賊の鍵
自己紹介は戦闘中にやると言ったそそっかしいパーティーだったが、たかし達勇者御一行はエリアハン大陸攻略を始めていた。基礎レベルモンスターを倒しながら、先ずは名も無きはじまりの洞窟に潜入した。
後で分かった事だが、この洞窟は、エリアハン城と島を分けた塔に繋がっている事が分かった。「ダンジョンに宝有り」これは今後も共通する教訓であった。
洞窟内のモンスター達は平場のモンスターより少しだけ強く、危うく全滅しそうになったが、リュラプスの回復魔法で何とかしのいだ。それでも減った魔法力はレベルが上がっても回復しない。魔法が使えなければ薬草と言った道具に頼らざるを得ない。
しかーし、冒険を開始したばかりの俺達には大量の薬草は用意出来ない。全滅すれば、ゲームの様な復活チャンスは無い。野垂れ死にしそうになった所で、オイツォフが旅人の宿的なものを発見した。戦闘中もそうでもない時も役に立たないと思われていたセクシーガールのファインプレーがパーティーのピンチを救った。しかも、この宿が一人2ゴールドと格安であった為、お財布にも優しかった。
1泊して体力も魔法力も全快したたかし達はそのままの勢いでダンジョンをサクサク攻略して行った。その内たかしも回復魔法を使える様になり、聖なるナイフやその他戦利品が幾つか手に入った。このダンジョンにある宝の中には盗賊の鍵と言う簡易的な扉が開く鍵をそれとなく貰った。
誰とも分からぬ婆さんがいたが、宝をオイツォフが何の気なしに宝箱をほいっと開けていた。出るにはまた来た道を戻らなくてはならないが、ここはエリアハン城に戻れるラーキメの翼を使った。塔からダイブする事も出来たが、死んではいけないし、戦利品の中には幸いな事にラーキメの翼があった為、使用した。
あっという間に戻っては、ママの待つ実家に直行した。貯まったゴールドを数えながらにやにやしていると母親に叱られた。
「たかし!あんた3食昼寝付きの実家に何しに来たの?」
「母ちゃんそんな事より、勇者御一行に粗茶の一杯もないのかよ?」
「そんな事より魔王を早く倒しなさいよ。」
「いやいやいや、まだ雑魚モンスターに薬草を使ってるレベルだから。」
「はい。ごくろうさま。あら、あんた髪長いわね?格安にしとくさかい、髪切りなさい。」
「え?俺?」
「オイツォフでしょ?」
「私は必要ないわ。今は切るつもりない。ゴパン、リュラプスあんたら刈って貰いなさいよ?特にリュラプス?あんた毛深いんだからやって貰いなさいよ。」
と、まぁ実家に来る度に髪を切ろと言われるストレスを考えると少し金はかかるが旅の宿屋にでも泊まった方が良かった。うるさいたかしの母親の存在だけは避ける事が出来なかった。




