LEVEL-14 まだ?マーダ神殿
ラタバハでお節介をやいたたかし達は周辺情報を得た結果、マーダ神殿を目指す事になった。
しかし、陸路で行けるのはここまでらしい。あとは船を得て外海に出て新天地を目指す事になるのだが、その船のくだりはもう少し先の話であった。
まずはマーダ神殿を目指す。どうやら勇者以外の職業はレベル20以上になれば、転職可能らしい。そしてもう一つ特殊な職業があった。賢者と言う職業である。魔法使いと僧侶の魔法が全て使える魔法のエキスパートである。
ただし、悟りの書と言うアイテムが必要であり、悟りの書が無ければ、レベル20を越えても成る事は出来ない。ただ、現段階でパーティーにレベル20を越えた人間はいないため、周辺でレベルアップをしないといけない。その為にうってつけの塔が近くにあった。
その塔の名前は試練の塔。悟りの書が一つ眠っていると言う話である。さて、パーティーはマーダ神殿により、クラスチェンジ出来る人間はまだいなかった為、神官の所には寄らず物色をしてきた。勇者の行いなら勝手にタンスを開けようが、壺をわろうが、樽を壊そうが、もう何でも来いなのである。
これ等の行為は「調べる」と言う行いで正当化されていて、勇者一行の為なら窃盗ではないのである。マーダ神殿には、武器、防具、宿屋があり、道具屋はなかった。名前を変える事の出来る命名士なる人物もいたが、今更名前を変えても一文の得にもならないので、スルーした。いかがわしい名前をつけようものなら罰金がとられたり、ボッタクリの噂があり関わらない方が身の為であった。
たかし達としてはレベルアップをして、オイツォフを賢者にしないと、この先の旅はきつくなる一方であり、皆がそれを願っていたのであった。
「え?オイツォフには悟りの書無しでレベル20になったら賢者になれるんですか?」
「アイーダさんが遊び人は化けると言っていたのは、この事だったのか。」
「ここまで耐えてきた意味があったんだね。」
「えー?私賢者になんか成りたくない。」
「私も賢者になりますから、一緒に頑張ろ?」
「リュラプス?お前も。」
「ゴパンを賢者にする事は出来ないからな。」
「レベルは1からやり直しだけどね。」
「また1から?」
「てめぇ?オイツォフ?文句言わず賢者になれ。お前が賢者になってくれたら、パーティーがどれだけ強くなるか分からないのか?」
と、賢者に成る事を渋るオイツォフであったが、レベルアップでパーティーに貢献出来るのならば仕方ないかと思ったし、リュラプスも一緒に1からやり直してくれると言う事にしてくれると言うので、遊び人から賢者に成る事を承諾した。