番外編② ぱふぱふの謎
たかしはサッアラームの夜道を歩いていて、意味の分からない事を言ってくる娼婦を見つけた。
「ねぇ?あんた?ぱふぱふしない?」
この台詞がたかしの頭を放れずに、ぱふぱふが何なのか分からないモヤモヤを抱えたままサッアラームを出る事になった。シイスの城下町についてからも、その謎は解ける事はなかった。パーティーの誰もが知るはずもなく、勇者の威厳を保つ為、ぱふぱふの事はたかしだけの秘め事にしようとしていた。
四人で行動するのが多くぱふぱふの事を話す機会は日中はほぼ無かった。そこでたかしは、口が固そうで世間の事など何でも知っている兄貴分で聖職者のリュラプスにそのぱふぱふについて聞いてみた。聞かれてまずい事では無かったが、とりあえず夜たかしの部屋に来てもらう事にした。
世間的には神父様にそんなふしだらな事を聞いてはいかんと怒られてしまうかもしれないが、今のたかしはその認識すら無かったのであった。
「すまんな。夜遅くに呼び出して。実はリュラプスに聞きたい事があってな。」
「ほう。天下無双の勇者の子孫が聞きたい事とは何だね?」
「ぱふぱふって何だね?」
たかしは大人っぽく聞いてみた。
「性交為の事ではないでしょうか?洋風に言うとsexと言います。」
「何でそれがぱふぱふになるんだ?直接的過ぎるから?」
「私にはよく分かりませんが、sexの隠語は数多くあるとされています。」
「リュラプスが言うなら間違いないな。ありがとう。助かったよ。」
リュラプスは何も知らないたかしに、自分の知識をひけらかし悦に入っていた。聞いてみれば確かに合点は行く。しかし、それを知ったたかしは、非常に後悔した。一番安易な方法で一番知られたくない人物に聞いてしまった事を。知らない事は罪ではないが、リュラプスは仮にもパーティーの中で唯一の聖職者である。そんな彼にふしだらな、くだらない事を聞いてしまう辺りが、たかしは勇者として未熟な所かも知れない。
年の差などほぼ無いたかしとリュラプスはお互いにこっぱずかしい想いをして、暑い暑い砂漠の旅へと出かけて行くのであった。
「と言うか、たかしはぱふぱふしたの?」
「いや、してないよ。お金は君がしっかり監理してくれているからね。」
「血迷ってもオイツォフにぱふぱふしてなんて、言うんじゃねーぞ?」
「たりめーだろ。そんなパーティー内で?って別に両者が合意しているなら良いじゃん?」
「たかし、てめぇオイツォフの事そう言う目で見てたのかよ?」
「リュラプスこそ、僧侶のくせに世の中の事よく知っているな?」
「それは私の方がたかしより年配者だからな。」
「サッアラームでぱふぱふして来れば良かったよ。畜生!」
「まだ若いんだし、チャンスはいくらでもあるって。」
「まぁ、そうだけどよ。」