LEVEL-95 聖なる稲妻
「たかし、そろそろフィニィッシュブローの準備しとこか?」
「あれを使うにはまだ早い気もするが、オイツォフはどう思う?」
「これでフィニィッシュを決めるのは理想だけれど。」
「いけるうちに行っとこうぜ‼機を逃すと辛いぞ?」
何の事を話しているの分からないかもしれないが、たかし達はマーゾに対するフィニィッシュブローである技の事に関して話していた。その魔法の名は皆デイン。稲妻系魔法の最高位であり、パーティー全員の魔法力を使わなければ繰り出せない。本来伝わるものとは違うが、究極の破壊力を持っている最強クラスの魔法である。
これこそたかし達の最後の切り札だった。ダマンテと言う究極の魔法もあるが、これは使える者はパーティーにいない。マーゾがダマンテに耐えてしまった場合を考えると、使えたとしても使わないであろう。
ここまで来ればやるだけの事をやるだけである。ここまではよく戦ってきた。しかし、マーゾを倒さなければ何の意味も無い。
「おい、魔法力全投入の皆デインはお薦め出来ないぜ?」
「マーゾが耐えた場合苦しくなるぜ。」
「分かっているさ。でもマーゾもかなり疲弊しているぜ?」
「おう。仕留められる位追い込んではいると思うがな。」
皆デインで勝負を決めようと言うたかし達であった。
「にしても丈夫な野郎だぜ。マーゾの奴。」
「まだまだ体力ありそうだもんな。」
「魔法力もまだ余裕って感じだよ?」
「困るよな。皆デインでしとめたいのは確か何だがな。」
「聖なる稲妻で決着つけたい頃何だがな。」
「たかし、準備はしておけよ?」
「分かっているよ。でも大丈夫かな?」
「何が?大丈夫って?」
「魔法力だよ。調整して決めるか、全投入するか。」
「もちろん調整して撃つに決まってるだろ?」
「了解。いつでも撃てる様にしておくよ。」
と、一見すると余裕のある様に見えるたかし達であるが、決してそんな事は無かったのである。マーゾの底知れぬ体力と魔法力に苦しみ、たかし達は勝算が見込めない戦いを強いられていた。ガルドアレフ最強のラスボスをどう仕留めるか、たかし達は選択せねばならなかった。
「オラの元気玉でも使うか?」
「こんな時にそんな冗談はよせ、ゴパン。」
「ゴパン、ありがとう。気持ちだけ貰っておくよ。」
「でも大丈夫。皆デインで決めよう。」
「そうなるな。」
「駄目なら、持久戦を戦うまでだな。」
「そうね。まだ魔法力にも余裕はあるし、体力も充分に回復出来てる。」
「そうだな。」