LEVEL-9 デザートはいかが?
たかし達はサッアラームで砂漠の城シイスについての情報と、ピラミッドについての情報も仕入れていた。そう、ただ遊んでいた訳では無いのである。
暑い日が続きデザートはいかが?なんて甘い文句につられて砂漠を目指そうとは洒落のレベルとしては高い。たかしとしてはシイスの女王様に挨拶してピラミッドで魔法の鍵を手に入れられればあとは用事が無いため、先に進む事を考えていた。
しかしながら、敵モンスターもこの辺りまで来ると体力もあり、特殊攻撃も使って来る為、中々手強い。事実上3人で戦闘をしている為、無理も出て来る。
シイスの城下町について美しい女王様に接見しても、たかし達パーティーの中で何か変わるという事も無かった。貯まりに貯まったゴールドで、パーティーの装備を一新した事以外に、変わった事は無かったが、シイス城周辺でこんな噂を耳にした。
ピラミッドには黄金の爪なる武道家が装備出来る強力な爪が眠っているらしい。勿論、この噂にゴパンは飛び付いた。地上で武道家が装備出来る最高の爪と言う事もあり、珍しくゴパンは興奮気味であった。
ただ、美しいもの(強いもの)にはトゲがある。と言う様にどうやらこの黄金の爪にも呪いの様なマイナス効果がある事も同時に分かった。シイスは砂漠のど真ん中にあったが、正直な所オアシスと言う感じではなかった。イメージとしては、オアシスなのかもしれないが、現実にたかし一行が感じたシイスは土地があるから、そこに街を作りましたと言う様な人工的都市空間のようなものに感じられたのである。
その理由はご最もな所で砂漠を切り開いて城をおっ立てたシイスの城下町の開祖である石津公信候によれば、こんなに住み良い広大な場所が、この星にはまだ残っていたのか?とそう思わせる様な何かがあったらしい。シイスは今でこそ、繁栄してはいるものの、町が出来た当初は砂漠に迷い込んで来た流浪人位しか訪問者がいなかったと言う。
そのシイスの城下町を立派な町にする事が出来たのは、ひとえにこの町を作り切り開いた人間達の並々ならぬ情熱であった事は覚えておいてもよいだろう。
大変だったのは、上下水道を引く事であった。水源に辿り着くまでかなり砂漠を掘った。これが一苦労だったが、石津公信候らの努力のお陰で何とか地下水源に辿り着いた。そこからパイプを通し近代的な上下水道工事を大規模に行い、今のシイスの城下町がある。それを感じさせる砂漠のオアシスであった。