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観覧車のお姫様

作者: 昼月キオリ

友達の彼氏と遊園地でダブルデートをする事になった。

友達カップルと離れていた間、私と彼は喧嘩をしてしまった。ほんの些細な事だったと思う。

友達カップルに半ば押し込まれるように観覧車に乗せられた。

観覧車が動き始めたので二人は観念して座る。

しばらく沈黙が続いた後、クスクスと笑い声が聞こえた。

水鳥蒼樹(みどりあおき)「砂月、何一人で笑ってるんだよ」

金城砂月(かなしろさつき)「ばか!私じゃないわよ!」

「クスクス」

蒼樹「何だこの笑い声!?」

砂月「まさか幽霊!?」

「ぴんぽーん!当たり〜!」

私と彼の間にいきなり現れた5歳くらいの小さな女の子。フリフリのワンピースを着てふわふわとした栗色の長い髪。

頭にはティアラが乗っていてお姫様みたいだ。

蒼樹「うわ!?」

砂月「きゃ!?」

「二人とも喧嘩してるのー?こんなに素敵な乗り物に乗ってるって言うのに!」

二人は無言で口をパクパクさせている。

「まだ固まってるの?もぉ、しょうがないなぁ」

蒼樹「まさか幽霊が本当にいるなんて・・・」

砂月「信じられない・・・ていうか何で観覧車に!?」

「理由教えてあげるから二人は並んで座って!ほら!お兄ちゃんはお姉ちゃんのとなり!私がこっちに座るから!」

蒼樹「わ、分かったよ・・・」

彼はすすっと女の子を避けるように私の方の席へと腰を下ろした。

砂月「あのー、それで理由って・・・?」

「あのね!私、観覧車で死んじゃったの!」

女の子は足をバタバタさせながら言う。

砂月「え・・・」

蒼樹「ま、まじか・・・」

砂月「そ、そう言えばさっき友達が観覧車で心臓発作が起きて亡くなった子がいたって・・・」

蒼樹「そう言えば言ってたような・・・」

「パパとママと乗ってたんだけどね、観覧車凄く楽しみにしてたのに・・・」

二人は黙って女の子の話を聞く。

「だから、二人は喧嘩したまま観覧車降りちゃダメ、観覧車の思い出はもっとずっと素敵で楽しいものにしなくなくちゃ!」

蒼樹「わ、悪かったよ砂月」

砂月「蒼樹・・・私こそ言い過ぎたわ、ごめん」

二人は顔を見合わせて微笑み合う。

砂月「あの、ありがとう」

「どーいたしましてー!これからはあんまり喧嘩しちゃダメだよ!特に遊園地ではね!」

蒼樹「そうだな」

砂月「そうね」

観覧車から少し離れた時。女の子がこちらに向かって手を振った。

私と彼は友達カップルの不審な目に構うことなく女の子が手を振る間、ずっと振り返していた。

観覧車に眠る小さなお姫様に。

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― 新着の感想 ―
短い中にもストーリー性がしっかりありとても読みやすっかたです。
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