保管庫にて作業。後に秘密を知る~松永視点~
時は最初の休憩時間にまで遡る。
休憩時間に入り、それぞれが持参した飲み物を口にする。松永が持参した飲み物は常温の浄水だ。準備の良い事に、星崎が茶菓子とお湯と紅茶の茶葉と紙コップを用意していた。まだ最初の休憩である事を理由に松永は断ったが、二度目の休憩で貰う事にした。
松永が少量ずつ水を飲んでいる間に、パウンドケーキを食べながら何かを思い出した佐久間が星崎に質問をする。
「星崎。お前は先日の戦闘で、味方が囚われていると知っても攻撃の手を緩めなかったと聞いた。その理由は何だ?」
佐久間支部長からの質問に、星崎は心底怪訝そうな顔をして、松永に視線を向けた。
彼女が書き纏めたレポートには松永も簡単に目を通したが、佐久間支部長の疑問解決に繋がる回答が在ったかどうか記憶が無い。松永がゆるゆると頭を被りを振れば、星崎は口元に手を当てて考え込む。
「……回答としては、救助不可能だからです」
「何故救助不可能なのだ? あれ程の技術が有っても救助出来ないとでも言うのか」
「救助は不可能です。取り込まれた際に、最優先で心臓と神経を機体と一体化させるようにプログラムが組まれています」
「心臓と神経を?」
「はい。心臓と神経が一体化してしまったあとで、あそこから出ただけで心停止と脳死が同時に起きます。変換機や動力炉を破壊しても同様の事が起きます」
「一体化の解除方法は無いのか?」
「存在しません。例えるのなら、コーヒーに砂糖とミルクを入れてかき混ぜてから、ミルクだけを取り出すような事をするも同然です」
星崎の説明通りなら、確かに無理だろう。技術の向上により、時間を掛ければ可能かもしれない。だが、そうするよりも前に、機体を停止に追い込んだだけで運命を共にするのならば、不可能と判断するしかない。
言い辛そうに星崎は言葉を続ける。
「開発者がそこまで考えて作った代物ではありません。その開発者も『犯罪者として捕まるなら自爆する』と言い、自ら乗り込んで死亡しています」
「悪足掻きにしては、何とも言えんな」
「そもそも、あのマルス・ドメスティカは改良型です。最初に作られた機体を考えると特攻目的で作った可能性が高いです」
「待て。あれで改良型だと言うのか!?」
「はい」
星崎の肯定を聞き、二人は驚きからギョッとした顔をしてから、嫌悪に満ちた表情に変わった。
「悍ましいにも程が有るな」
「最初は開発者がいた地区で溢れていた孤児や浮浪児。その次に貧困層の子供に移り変わり、最終的に年齢を絞った対象に変わりました。それで人口の男女の比率と出生率に異常が発生して、違法捜索対象になったんです」
孤児を始めとした子供への扱いに嫌悪は隠せないが、松永はそれよりも気になった事を尋ねる。
「人口の比率と出生率に異常?」
「ええ。富裕層以下の十五歳児未満の子供が大量に行方不明。十数年間も富裕層以外の出生率零と言う、……耳を疑う前代未聞の異常事態ですよ」
「子供が行方不明となって人口が変動するのは解る。だが、そう簡単に出生率に異常が出るものなのか?」
「出ます。改良型は大型で高い性能を得る為に『十五歳から三十歳までの出産適齢期の女性』を選びましたので」
「待て。何だその選定基準は?」
「私も詳しい事は解りませんが、開発者が幅広い年齢層で試した結果です。結果を得る過程で巻き込まれなかったのは十五歳以上の男性だけとなり――」
「それで、そんな異常事態が発生したのか?」
星崎の先の言葉を引き継いで松永が尋ねれば、憂いに満ちた顔で彼女は首肯した。
重い沈黙が下りる。
「星崎、一つ聞きたい」
沈黙を破ったのは、険しい顔をした佐久間支部長だ。
「何故お前はそこまで詳しいのだ?」
佐久間支部長に沈黙を破ってまで知りたいと思わせた質問内容は、確かにと思わせるものだった。
回答を求めて星崎を見れば……目が泳いでいた。非常に重い話をしていたのは確かだが、彼女の目を泳がせるような内容では無い。
「星崎?」
松永は彼女の挙動を怪訝に思い名を呼んだ。少し間を置き、星崎は微苦笑しながら答える。
「……詳しい理由の証拠の提示は出来ても、信じて貰えるか、非常に微妙なので」
理解し難い回答だった。
彼女の言葉は、『証拠の提示は可能だが、提示された側が証拠を信じない可能性が有る』と言っているようなもの。
証拠を提示しても信じられない。そんな事があり得るのだろうか。
松永はそこまで思考を回して、星崎が以前『荒唐無稽な話云々』と支部長に言った事を思い出す。
荒唐無稽に思える話も、証拠を提示されたら事実と判断するしかない。けれども、そんな馬鹿げた事が在るのかと信じ切れないのも事実。
……二ヶ月も前に、星崎が抱えている不信感を解かなくてはならないと、佐久間支部長は言った。
その不信感の影響が、こんなところに響いている。
だが、その不信感は一体どこに出ているのか分からない。佐々木中佐が言うには、星崎の『手抜き』が不信感の表れだと判断していた。
けれどこれは間違いで、訓練学校の状況がそうさせていたと、最近になって判明した。
松永は半月以上も毎日のように星崎と接触している。けれど、未だに彼女の性格が把握出来ていない。猫を被っているようには見えないのがせめてもの救いだ。
一方、パウンドケーキを食べ終えた佐久間支部長が質問内容を変更した。
「星崎、質問を変える。お前がマルス何とかと言う機体の情報を知った時に、どんな立場にいたのか教えてくれ」
「立場、ですか?」
「ああ。開発者と同じ側か、否かぐらいは言えるだろう」
「それは言えますが……。強いて言うのなら、刑事捜査に協力した側だったと言えば分かりますか」
「お前、刑事捜査側だったのか」
星崎の現在の年齢と矛盾した回答内容だが、人の尊厳を無視した機体を開発した側では無い事は喜ばしい情報だ。
松永は喜ぶと同時に、佐久間支部長の反応に違和感を覚えてこっそりと観察した。
星崎から矛盾した情報を聞いたにも拘らず、彼は不審がらずに呆れている。傍で話を聞いている松永は矛盾した内容に怪訝な表情を浮かべかけた。だが、佐久間支部長はその矛盾を気にしていない。
気にしていないと言う事は、佐久間支部長が『星崎の矛盾を解消する何か』を知っていると言う事になる。今聞きたいところだが、星崎がいるこの場で聞くのは憚れる。松永は本日分の作業終了後に佐久間支部長に尋ねようと決めた。
それから少し経ってから休憩は終了し、作業を再開した。
時間は流れて、数度の休憩を挟みながら作業を続け、気づけば十八時を過ぎていた。佐久間支部長の今後の予定を考えて、ここで終了となった。
明日以降は星崎一人にやらせるそうだが、食事は食堂で取れと厳命した。
帰りに星崎の生体認証を登録し、合流地点で別れた。佐久間支部長を執務室に送り届けるついでに、人気の無い執務室で休憩時に感じた疑問を尋ねる。佐久間支部長は松永と共に空いているテーブルに持ち帰った品を並べながら回答する。
「矛盾を解消する情報は確かに知っている。知っているが、その情報ですら信じ難い。その情報が真実だと仮定するのなら、矛盾は無い」
「その情報を教えて頂く事は可能でしょうか?」
「教えるのは良いが、はっきり言って、耳を疑う内容だぞ」
「その耳を疑う内容を真実と仮定するのなら、矛盾は消えるのでしょう」
「そぉー、なんだよなー」
歯切れの悪い佐久間支部長は急に投げやりな口調になった。松永の胡乱な視線を受けると、テーブルに並べ終えた佐久間支部長は口を横に開いて息を吐いた。
「耳を疑うと言うか、精神状態と頭の状態を疑う情報だ。状況証拠が揃っていなければ、いや揃っていても、病院に行けと言いたくなる」
「そこまで信憑性に欠ける、状況証拠の揃った情報なのですか?」
「うむ」
力強く首肯した佐久間支部長を見て、松永は質問をしたにも拘らず呆れた。
「私とて、星崎がその情報を口にしてから実際にやって見せたから、『真実だ』と捉えているだけだ。状況証拠が無ければ流石に信じられん」
「その状況証拠と言うのは、何を指すのですか?」
松永の問い掛けに、佐久間支部長は少し考えてから口を開いた。
「十数日前、星崎が禁踏区画に迷い込んだ、あの日の事は覚えているな」
「はい。覚えています。あの日は短時間に色々な事が発生し、各所で大騒動になりましたね」
十数年に及ぶ不正が発覚し、仕事が山のように発生した日。仕事に忙殺されていたので随分と昔の事のように感じるが、あの日から二週間と経過していない。
「星崎が無人機だと思っていた敵機――アゲラタムを動かす直前に、少し変わったやり取りをした」
「変わったやり取り?」
松永が鸚鵡返しに尋ねれば、佐久間支部長は鷹揚に頷き、その時のやり取りを教える。
そして、松永は『前世の記憶』と言う、想像以上に奇々怪々極まりない話を聞き、思わず困惑したが同時に納得した。確かに『荒唐無稽な話』に分類される、と。
「それは……。確かに精神状態を疑われるでしょうね」
「そうだろう? だがな、星崎はそう言ってアゲラタムをいとも簡単に操縦したから、これはもう信じるしかないなぁって」
当時のやり取りを聞いて松永は困惑するも、話した佐久間支部長が投げやりになったところを見て呆れた。それでも、佐久間支部長が投げやりになってしまうのはしょうがないと思ってしまう。
松永が摩訶不思議な話を理解する為に、これまでの星崎の言動を思い返す。すると、思っていた以上に符合する箇所が多い事に気づいた。
「ですが、仮に真実とするのならば、これまでの疑問が殆ど解消されるでしょう」
「例えば何が思い付く?」
「我々は星崎の性格をマイペースと捉えています。二つの記憶を保有しているのなら、精神年齢は自然と周囲の人間よりも遥かに上となる筈。精神年齢の差を異様と見做されない為に、一歩下がって周囲を観察してから、周りに合わせて動いている。こんな風に取れます」
「つまり星崎は、常に一歩下がって周囲を観察して合わせて動いている。常に一歩遅れて動くから、我々にはマイペースに見える。と言う事なのか?」
「そう言う事です」
佐久間支部長が理解を示すと、松永は首肯した。
「そうなると、戦闘時のあの冷静っぷりは、それだけの場数を踏んでいると言う事になるな」
「そう言う事になる、でしょうね」
松永は佐久間支部長の言葉に同意しながら、一昨日の戦闘を思い出す。
最初の内は『切り替えている』から冷静に対処出来ていたと判断していた。しかし、星崎に関する情報を知った今は違う。『情報を持ち戦闘経験豊富』だから、あそこまで冷静に対処が出来ていたのだと理解出来る。
「星崎がポロっと零した言葉から、荒唐無稽な話の内容を理解したから話せと言っても良いが、松永大佐はどう思う?」
「どうも何も、心の整理が着くまでと、星崎本人が言っていたのでしょう? 元々、我々は素直に話しても良いと思える程に信頼を得ていないのです。ここは時間を空けるべきでしょう」
「それもそうか」
……今は時間が惜しい。後回しにしても良い案件に、佐久間支部長の時間を割くのは愚策だな。
考え込む佐久間支部長を見ながら、松永は時間を空けるべきと言った本当の理由を内心で独り言ちる。
十月の作戦を考えると、今は時間が惜しい。特に佐久間支部長の時間が。
今日の午後に行った調査も、本来なら松永と星崎の二人で行う予定だった。実を言うと、生体認証のロック解除は遠隔操作でも可能だ。佐久間支部長は無理矢理時間を捻出して割り込んで来たにも等しい。
本人は運動不足の解消と気分転換と言い張ったが、部下の一人としては書類仕事に専念して欲しいところだ。
その後、松永はここでの会話の他言無用の確認を取ってから退出した。
松永は隊舎に戻ると、その足で食堂へ向かった。今日の午後に処理する予定だった仕事の残量確認をする前に夕食を済ませた方が移動時間の短縮になる。松永は覚えている範囲で残っている仕事を思い出しながら歩き、食堂へ入る。殆ど利用者のいない食堂内にいたのは二人だった。
所属を考えると星崎がここを利用するのは解る。所属隊員だからある意味当然だ。
「おう。松永」
「飯島大佐。何をしにこちらへ?」
だが、鷹揚に声を掛けて来た飯島大佐がここにいるのは……問題は無いが、彼もまた部隊を率いる立場にいる。ちょくちょくこちらに来れる暇な人間では無い。
松永が夕食を適当にトレーに載せてから二人に近づき、星崎の隣に座る。星崎が何故と言わんばかりに首を傾げているが気にしない。
「今日の成果は星崎から聞いた」
松永が座った事を確認してから、飯島大佐は口を開いた。
「別に今日でなくても良いでしょう」
「佐藤がうるせぇんだよ」
「……成程」
飯島大佐が心底うんざりとした顔でそう言えば、松永は夕刻になって現れた理由を大体察した。
要は、佐藤大佐が書類仕事をサボる口実を与えない為だ。
「佐藤大佐もいい加減慣れて欲しいですね。既に十年も経過していると言うのに、一体何時になったら……」
「もう何を言っても無駄だろうよ。パイロットから引退したら書類仕事以外を割り振るしかねぇ」
「そんな仕事は無いでしょう」
「……そうだな」
落胆から、二人は顔を見合わせて同時にため息を吐いた。
佐藤大佐の残念振りは、どれ程経過しても直らない。
あのザマで引退後に教官役が務まるのか。松永は、周囲への被害が心配になった。いっその事、退役時期を遅らせて、もう暫く前線に立って貰うのも一つの選択だ。
そのまま無言で夕食を取る。会話に混ざらず様子を見守っていた星崎は、何か言いたげな顔をするも黙って夕食を進めた。
松永が夕食を食べ終えた頃に、先に食べ終えた飯島大佐はもう一度口を開いた。
「明日から星崎が一人で互換パーツを探すって聞いたが、本当か?」
当の星崎は三人分の皿を回収口に持って行ったので、ここにはいない。間隙を縫うように小声で、飯島大佐は星崎に聞かれないように、松永に質問をした。
「ええ。本日の帰りに佐久間支部長が星崎の生体認証の登録を行いました」
「マジか」
「はい」
「うわぁ……」
松永は笑顔で肯定する。それを見て飯島大佐は思わず脱力するも、即座に別の可能性に気づいて立ち直った。
「もしかして、支部長が時間を無理矢理捻出したのは、その登録を行う為か?」
「多分そうでしょう。時間を最も惜しんでいるのは佐久間支部長でしょうに」
「確かにな。だがそうなると、次の保管区の管理者は誰になるんだ?」
「この状況になると、誰でもいい気がしますね」
「最有力候補のお前が、そんな事を言うんじゃねぇよ」
飯島大佐が大きくため息を吐いた。そのまま互いに無言となるも、丁度良く星崎が三人分のコーヒーを淹れて戻って来た。会話を打ち切って、松永はブラックコーヒーを受け取り口を付けた。
「星崎。持ち帰った重力制御機は三つだったな?」
「はい。三つです」
松永と同じく、コーヒーを受け取った飯島は一口飲んでから、星崎に確認を取った。何の為の確認か不明だが、星崎は淀み無く回答する。
「もう何個か抜き取る事は可能か?」
「損傷の激しい機体はまだ残っていますので可能だと思いますが?」
「飯島大佐。何を思い付いたのですか?」
黙って聞いていた松永が割って入った。飯島大佐は松永の言いたい事を正確に理解しているのか、心配するなと言わんばかりに手をひらひらと振った。
「大した事じゃねぇ。三つって事は、一つはガーベラ、一つは開発部、最後の一つはどうせナスタチウムに回すんだろう? ナスタチウムに回す分を増やせないかって思っただけだ」
「増やしてどうするつもりですか? どこの部隊の、どの機体に、何個使うかで確実に揉めますよ」
残念な事に、日本支部も一枚岩では無い。複数の派閥が存在すると言う訳では無いが、最大派閥の中立派を含む三つに分かれている。
佐久間支部長が中立派なので、目に見える諍いは無い。水面下で在っても諍いを起こせば、佐久間支部長が動く。その為、残り二つの派閥の活動は静かだ。動きが静かである理由の一つに、先々代の日本支部長を含めた『妖怪』と呼ばれる重鎮達の手によって、粛清される可能性が急浮上した事も含まれる。
日本支部の地位を盤石にしたその手腕は本物だが、先々代の上層部は『政治要素を徹底的に排除した』事で、国の政治家達から疎まれた。今から十八年程前に一斉引退する羽目になるも、佐久間支部長がどこかで得た縁で、再び日本支部を支える立場になっている。
たった八年で、日本支部の評価を地の底に落とした無能な先代上層部は、関係者を含めてほぼ粛清済みだ。先代上層部に媚びを売って昇進したもの(六月に降格した村上大尉もその内の一人)だけが残っているが、退役年齢を理由に今後五年以内で全員排除される見込みだった。既に戦死しているが。
「単に、ナスタチウムのバーニアを強化する事は出来ないかって思っただけだ」
「誰がテストパイロットを行うと思っているのですか?」
「お前か井上で良いんじゃないか?」
「投げやりに言わないで下さい」
松永は呆れて嘆息を零し掛けた。部下の手前、コーヒーを飲む事で誤魔化したが。
飯島大佐の思い付きは有効そうだが、試験運用隊の所属隊員は非常に少なく、パイロットは松永と星崎の二名だけ。
八月の頭に負傷した後藤は、元居た隊から復隊希望の連絡を受けたのでいない。
副隊長の鈴村大尉は、とある理由で諜報部からの出向扱いとなっている。彼も一通りの操縦訓練は受けているが、パイロットとして扱うのは難しい。
そして、井上中佐の名前がテストパイロット候補に挙がったのは、単に書類仕事の処理速度が速いからだろう。佐々木中佐の書類仕事を手伝いながら、自身の仕事を行っているのに、彼の処理速度は極めて速い。
「どのような強化を施すか考えるのは良いですが、支部長の許可が無ければ無理です」
「そうだな」
「支部長への提案は飯島大佐が行って下さい。私は仕事が残っているのでやりません」
「心配すんな。言い出しっぺだから自分で言いに行くって」
そう言って飯島大佐は肩を竦めた。
この会話の間、星崎は無言で角砂糖とミルクを入れたコーヒーを少しずつ飲んでいた。
飯島大佐がコーヒーを飲み終えるまでに、重力制御機の回収希望数の確認と支部長へ提案する内容を詰める。内容の薄い内容では議論の時間が勿体無い。アゲラタムのバーニアを流用するか、転用は可能か、星崎に補足説明を求めつつ話し合う。そして、大雑把とならない程度に内容を詰めて解散となった。
その後松永は、日付が変わるまで書類を捌き続けた。