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モブキャラとして無難にやり過ごしたい  作者: 天原 重音
再会と出会い 西暦3147年11月

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184/202

それはお昼の出来事

 フラガとセントレアと共に昼食を取る。

 席順は、フラガとセントレアが並んで座り、その正面に自分が座っている。

 セントレアはナイフとフォークを使い、器用にエビの尻尾を取り、一口大に切って食べた。その隣のフラガはエビに齧り付き、尻尾まで丸ごと食べていた。

「種類が多いのに、ちゃんと美味しいのね」

「口に合って良かったよ」

 二人前の料理をもりもりと食べているセントレアを見て、食事(洋食系)に関しては問題無いと確信する。

 味覚が合っているようで何よりだ。

 ……ドイツ支部から貰ったお菓子を、二人に試食させてから持ち帰らせよう。

 実行に移す為には、松永大佐に相談するところから始めないとだな。

 簡単な計画を立てつつ、お昼を食べる。


 二人は美味しいと評しているけど、まだ中華系と和食系が出て来ていない。

 和食系は、向こうでも材料を集めて自分がたまに食べていた。二人にも生の魚介を食べているところを見られているし、イカリングやタコの唐揚げを食べさせた事もある。

 問題は中華系だ。

 醤油は魚醤の延長で作られていたから見つかったけど、中濃ソースは在ったのにオイスターソースは無かった。醤油を作る過程で誕生したと思しき豆味噌も在ったけど、中華味噌系は無かった。

 二人にとって、中華系の料理は未知のものになる。特に、辛めの味付けが受け入れられるか心配だ。デザート系は大丈夫だと思うけど。


「ん?」

 食事の途中だが、奇妙な揺れを感じた。何だと思うよりも先に、『覚えのある揺れだ』と思ってしまった。

 記憶を探っていた間に松永大佐が食堂にやって来た。そのままカウンターに向かい、昼食を手にこっちにやって来た。

 松永大佐が来るまでに記憶の糸が繋がり、ぽむっと、手を叩いた。一週間ぐらい前のアレだ。

「そうだ。高橋大佐を踵落としで沈めたあの時だ」

「……星崎。人の顔を見ていきなり何を言い出すんだ」

 近くにまで来た松永大佐は顔を引き攣らせた。松永大佐の回答を聞き、間違えたと思った自分は確認を取る。

「あれ? 高橋大佐は来なかったんですか?」

「来ていたぞ。だが、失言するしか能の無い馬鹿と同じ場所で、食事はしたくないだろう? 沈めてから佐々木中佐と井上中佐に頼んで、憲兵部に運んで貰った」

「先月末とほぼ同じですね」

 記憶と推測は間違っていなかった。そして、松永大佐が一人だったのは、中佐コンビは運搬でいなかった為だった。

 多分だけど、松永大佐が顔を引き攣らせたのは暴力行為を行ったと言われたからだな。でも、踵落としは立派な暴力行為だと思う。松永大佐に謝ったが、『その通りだから良い』と言われた。認識が一致して良かったよ。

 松永大佐は自分の隣、フラガの正面に座った。セントレアが僅かに小首を傾げたので、食堂に関する簡単な説明を行った。

 フラガも聞き入っていたので、気にしていた可能性が高い。昨日フラガに教えたのは、料理の取り方とかだった覚えが有る。食堂の利用時の注意事項については教えていなかったな。

 この二人は、説明をすれば『そう言うものなのか』と一定の理解『は』示してくれる。


 向こうの宇宙は、種族ごとに風習や習慣――所謂『慣わし』が違う。

 特に獣人族の慣わしは、マジで細かい。

 同じ動物系の獣人族であっても、同じ国の出身でも住んでいる場所が違うと、慣わしの内容も違う。この違いが原因で獣人族は良く揉める。日々の生活や仕事に支障を来す程に高確率で良く揉める。

 揉め事を回避する為に、獣人族は『互いの事を理解し合い、尊重し合う』事を重点的に教えられる。

 稀にこの教えが受け入れられない奴が出て来るけど、大体は『決まりを守れ』と脳天に拳骨を貰う。

 この二人が『そう言うものなのか』と受け入れてくれるのは、教育の賜物です。

 さっきみたいに、侵入者や法を犯した奴に対しては発揮されないけどね。


 松永大佐を交えて昼食を取る。

 最初の話題は、不在のベロペロネについてだ。

 ベロペロネは『この手の報告は早々に済ませるのが良い』と言って、やる事を全て済ませてから先に帰った事を教える。その際、炉石と重力石を一つずつ持ち帰った事も報告する。

「残骸から回収したものなんだろう? 一つ程度ならば問題は無い。そもそも、こちらの技術では解析は不可能だ。持ち帰る事が有効利用になるのならば、私からは何も無い。佐久間支部長もとやかく言わないだろう」

 以上が、イイ笑顔を浮かべた松永大佐の言葉だった。

 理解力が有ると言うか、『こっちでは利用出来ないゴミを引き取ってくれてありがたい』と言っているようにも聞こえたので何とも言えない。

 と言うか、笑顔で言ったから、言葉の意味は絶対に『ゴミの引き取り感謝する』だよね?

 それに気づいたのか、セントレアもちょっと呆れ気味だ。フラガは無表情を貫いている。

 反応に困っていると、中佐コンビがやって来た。その後ろには飯島大佐と佐藤大佐がいた。

 珍しい事に、先月と違い他の会議出席者が来ない。

 会議で何か起きたのか尋ねたら、松永大佐の代わりにお昼を取って来た飯島大佐が教えてくれた。

「あー、他の奴らか。午後の会議が疲れ果てそうだから、先に仮眠を取ってから飯を食べるって言っていたな」

「仮眠を取ってからどこで食べるんですか?」

「ここだろうな。男女問わずに割とよく食べる部隊が多いから、他所で飯はほぼ残らねぇ。基本的に飯が余るのはここぐらいだ」

「そうなんですか」

「高橋が来たら、佐藤と一緒に追い返すから心配するな」

「そもそも来れるんですか?」

「……そこは神崎に期待するか」

 飯島大佐の返答には、微妙な間が存在した。

 その間の意味を考えて、高橋大佐の人生が終わっていそうだと思った。自分が意味を考えていた間に、飯島大佐は少し離れたところで先に食事を取っていた佐藤大佐と中佐コンビのところへ向かった。

「星崎。高橋大佐の男としての人生が終わっても誰も困らないから気にするな。寧ろ、いない方が姫川少佐の為になる」

 自分の思考を読み取ったかのように、松永大佐がそう発言した。言ってはいけない事まで混ざっていたけど、気になる事を聞いてみよう。

「男としての人生が終わるって、どう言う意味ですか?」

「それは知らなくても良い無駄な知識だ」

 松永大佐は笑顔でキッパリと言い切った。これは質問の文言を変えても教えてくれないパターンだな。同じ男ならば判るかもしれないと思い、正面に座るフラガに話を振った。

「フラガは意味解かった?」

「ん。記憶に残す価値の無い知識。寧ろ存在ごと忘れる事を推奨する」

 存在ごと忘れろって、そこまで言う事なのか?

 フラガの予想を超えた辛辣な回答に、セントレアが興味を持った。

「普段以上に辛辣な物言いね。何が遭ったの?」

「セントレアも被害に遭えば解る」

 フラガは断言した。否定したいが、昨日の状況と普段の高橋大佐の言動を考えると、否定出来ない。

「あ、言うのを忘れてた。セントレア、高橋大佐に何かを言われた時に、ムカついてもすぐに蹴ったりしちゃ駄目だよ。こっちには向こうみたいに頑丈な人はいないから、セントレアに蹴られたら内臓が破裂する」

 ふと思い出した事を口にすれば、あちこちで吹いた音が聞こえた。事実なのでスルーする。

 馬の獣人族のセントレアの脚力は凄まじく、人間の骨を余裕で砕く威力を誇るのだ。腹に直撃したら内臓が破裂する可能性が極めて高い。

 注意を受けたセントレアは顔を引き攣らせた。 

「そんな注意事項を食事時に聞くとは思わなかったわね」

「常識では?」

「……あんたに常識って言われる日が来るとは思わなかったわ」

「常識って言うよりも、頑丈な人がいないだけだよ」

 割と非常識な思考を持つフラガが常識を言う日が来たか。嵐の前触れでは無いが、午後の会議でトラブルが発生しそうだな。

「軟弱?」

「違う。種族的な違い」

 向こうの宇宙の頑丈さは、地球側から見ると非常識を通り越した『何か』だ。

 ここまで来たらもうギャグマンガの領域だ。そうとしか言えん。

 だって、発達した筋肉が鉛玉を弾くんだよ? これがギャグの領域じゃなかったら、一体何なんだよ?

 理解出来ないと言わんばかりの顔をしたフラガだったが、種族の違いだと言えば受け入れてくれた。



 食事は進み、先に食べていた自分とフラガとセントレアは食事を終えた。

 食器を片付けて、セントレアをコーヒーメーカーの前に連れて行った。昨日来た四人と同じく、セントレアにもブラックコーヒーを試飲して貰う為だ。

 簡単な説明をしてから、味見用のスプーンを渡し、味見をして貰った。

「香りは良いけど、色を見ると勘違いしそうね。あと、苦い」

「アフェルからは高評価だったけど」

「あ~、あいつは辛口のお酒しか飲まないから、苦みが好みの範囲内だったんじゃないの?」

 ブラックコーヒーの味の好みは分かれた。今のところアフェルしか好む奴がいないな。ブラックコーヒーに砂糖とミルクを入れて、再度セントレアに味見をして貰った。

 すると、まろやかになって美味しいと高評価を貰った。

 甘めのカフェオレ系ならウケそうだな。

 セントレアの反応を見てそう確信した。

 試しに甘いカフェオレを作って二人に出したら、予想通りの高評価だった。


 

 昼食を食べ終えた松永大佐が、食器を片付けて、食後のコーヒーを片手に戻って来た。離れたところで昼食を取っていた四人も食べ終えて、コーヒー片手にのんびりとしている。

 頃合いと見做し、内容を考えて先程はしなかった、ベロペロネからの質問事項なども松永大佐に報告する。

「あの箱か。火葬して残った灰は一つに纏めて供養したと聞いた。向こうに弔う場所があるのならば、佐久間支部長に話をしてみよう」

「供養されているのなら、問題は無いかもしれない。陛下に報告はする」

 箱の中身について説明するのに時間差が生じた為、全部焼却処分されたかと思っていた。供養されていて良かった。支部長の責任では無く、自分が説明したタイミングが遅かっただけなので、何か言われるようなら、セタリアに言うつもりだった。

 午前中に保管区内で起きた事を全て松永大佐に報告し終えた。

「大分予想を超えているが、許容範囲内だな」

「……アゲラタムが一機増えたのに、許容範囲内なの?」

 報告を聞いた松永大佐の感想に、セントレアが恐る恐る尋ねた。これは、松永大佐が自分の上官だと説明したからこの反応なんだろう。

「使える機体が増えるのは喜ばしい事だ。操縦する人間はこれから集めれば良い」

 操縦する人間を集めると言う言葉を聞き、以前、支部長に提案した事が通ったのかと判断する。

「アゲラタムに関して、あの提案が通ったのですか?」

「いや、それはまだ提案していないらしい。提案を全支部に行うとしても、今月半ばになる。代わりでは無いが、アメリカ支部とイギリス支部から操縦可能な機体の貸出相談を受けていたらしい。それも午前中の一件を理由に突っぱねる事になるだろう」

「……機体の貸出は当分なさそうですね」

 ついでに、操縦方法の教授もなと、心の中で付け加えた。

「? 侵入者。転移門の周りにいた」

「それはオニキスと有線で繋がっていたからじゃないの」

 フラガは疑問符を頭上に浮かべた。答えが予想可能な疑問だったので、突っ込みを入れる要領で答えた。

 松永大佐から会議で決まった事などについて聞いていると、食堂のドアが開いた。

 高橋大佐が来たのかと、松永大佐を始めとした日本支部組の五人が腰を浮かせたが、工藤中将を先頭にやって来たのは会議の出席者達だった。

 高橋大佐がいない事を確認してから、五人は腰を下ろした。

 一方、五人の反応に気づかなかった工藤中将は松永大佐に『ここで食事を取る』とだけ言って、怪しい足取りでカウンターに向かった。他の面々も似たような足取りだ。

 本当に仮眠を取ったあとなのか怪しい。

 けれど、脳が完全に覚醒していないのか、それとも寝ぼけているのか。朝食をここで取らなかった人も含めて、誰もフラガとセントレアに視線を向けない。

 午前の会議はそんなに疲れる内容だったのか? 午前中のトラブルは侵入者だけの筈。

 松永大佐に午前の会議で何か起きたのか尋ねた。

「会議中に草薙中佐からの申請で、高橋大佐のセクハラ発言の処罰内容を考える為に星崎を呼ぼうと言う流れになった。侵入者騒動はそのあとに起きた。恐らくだが、侵入者騒動で忘れていた事を思い出し、午後の会議がどうなるのかを想像して、疲れ果てているだけだろう」

 何故自分が呼ばれるんだろうとか、そう言う疑問は横に置き、そんな状態で会議を行って大丈夫なのかと心配になって来た。

「今から疲れ果ててしまって、定例会議は大丈夫なんですか?」

「昨日星崎が『皆で食べると良い』の言葉と共に貰った菓子が在るだろう?」

「松永大佐。クッキー数枚で復活するとは思えませんよ」

「駄目なら八月のようになるか、会議の日数が延びるだけだな」

 松永大佐はニッコリと笑顔を浮かべた。

 ……クッキーで復活するのは佐藤大佐だけだと思うし、飯島大佐は甘いものが駄目だから復活しない。そして何より、そんな単純な事で復活する人がいるとは思えない。つーか、どんな脳筋キャラでも無理だろ。

 笑顔を浮かべた松永大佐を見て慄いたのはセントレアだった。 

「ねぇ、この人、連合関係者じゃないわよね? 飴と鞭の使い方が連合が抱えている芸能事務所の社長連中と同じなんだけど」

 セントレアの言葉を聞き、フラガと似たような感想を抱くのかと思ってしまう。

宇宙(うちゅう)男姉妹連合(だんしまいれんごう)とは、全く何の関係も無いよ」

 そこだけはきっぱりと否定した。松永大佐は心身共に男だ。セントレアのように性別を間違えられているところは見た事が無い。

 逆に、セントレアに連合に加盟しているのか尋ねる。

「セントレアは連合加盟者だっけ?」

「加盟していないわよ。喪服淑女の会の方には、名誉会員として登録はしているけど」

「セントレア、名誉会員は情報の提供とかの、後方支援が主な担当だけど、登録したの?」

 思わず首を傾げてしまった。セントレアはどう考えても突撃する側だ。その脚力は鉄骨すらも砕きかねない威力を誇る。それなのに何故と思っていたら、納得出来る回答が返って来た。

「近衛からも、喪服淑女の会と連絡が取れる奴が一人はいた方が色々と便利なの」

 セントレアの回答を聞き、成程と頷いた。

 喪服淑女の会の方が情報を持っている場合が有り、情報入手先の候補に名前がよく上がる。情報を入手するのなら、確かに名誉会員であっても名を連ねていた方が何かと便利だろう。

 けれども、一つだけ疑問が残る。

「マルス・ドメスティカ関係の調査は喪服淑女の会に九割方丸投げしたのに、何でセントレアは知らないの?」

「あのねぇ……。正規会員でも無いのに、そんな大昔の事を知る機会なんて無いわよ」

「確かにあの事件は大昔に分類される」

「そんなに昔じゃ、……ごめん昔だった」

 マルス・ドメスティカの事件が起きたのは先代皇帝の時代で、しかも『他国で起きた』事件だ。

 セントレアが知らないのは、ある意味当然だったので、素直に謝った。


 他国の事件なのに自分が関わっていたのには、理由が在る。

 ぶっちゃけると司法取引みたいな事をした結果で、ティファが関わっている。

 簡単に説明をすると、ティファに攫われた義息子のユーストマの救助の為に大暴れした。

 その結果、ティファの勢力を削ぐ事に成功したんだが、とあるところからやり過ぎだと抗議を受けたのだ。

 そのとあるところと言うのが、銀河星間検事連盟(通称銀検連盟)だ。

 地球で例えるならば、国際犯罪組織の拠点潰しを私情でやった結果、計画的に潰そうとしていた警察に怒られたと言ったところか。結構な数の建物を爆破したので、苦情を受けるのはある意味仕方が無かった。

 けれど、犯罪組織の勢力を削ぐのは向こうにとっても利益が有りそうな事だが、別事件の調査の手掛かりまでも潰してしまったらしく、これが原因で『調査妨害』と抗議を受けたのだ。

 抗議を受けて話し合った結果、調査に協力する事で抗議そのものを無かった事にして貰った。

 調査の進展の無い事件の内容を聞き、自分は喪服淑女の会に協力を仰いだ。

 その結果は結構アレだったけどね。

 

「別に良いわよ。知らない方が良い時も在るでしょうし」

 セントレアはそう言って甘いカフェオレに口を付けた。随分と気に入ったのか、フラガと一緒にお代わりを要求された。飲み過ぎると夜眠れなくなると注意してから、二人に二杯目を淹れた。

 二人がカフェオレを飲み始めたので会話が途切れたら、今度は松永大佐から午後の予定について尋ねられた。

 午前中の会議で何が起きたのか、松永大佐に詳細を尋ねると、覚えのある展開が待っていた。

「九月の時みたいですね」

「確かにそうだが、ここにいない面々が二人を見てどんな反応をするのかだけは、確認しておいた方が良いだろう?」

「松永大佐。フラガとセントレアも連れて行く事になりますよ?」

「それに関しては問題無い。寧ろ、どうやって連れて行くかの方が問題だ」

「先日届いた荷物の中に認識阻害用品が有ったので、連れて行く分には問題は無いですよ」

「認識阻害用品?」

「文字通りのものです。身に付けると認識されなくなるだけですが」

 説明ついでに、興味を持った松永大佐に認識阻害用品の眼鏡を見せる。装着するだけで本当に効果があるのか猜疑的な視線を眼鏡に向けている。

 午後移動する際に、松永大佐にもこの眼鏡を掛けて体験して貰う事で、移動問題について決着を付けた。

 フラガとセントレアも一緒に移動する事が決定事項となっており、アゲラタムは良いのかと言われそうな状況だ。しかし、この二人を呼んだ最大の目的は、向こうの人員とやって行けるかを見る事であって、アゲラタムはどちらかと言うと――言ってはいけないが、おまけに近い。

 アゲラタムに関しては、いざとなったら自分がどうにか出来るし、いざとなったら専門家に丸投げ可能だ。

 でも、人間関係については、自分一人の力ではどうにもならない。故に、アゲラタムの順位が下がってしまうのだが、とやかく言われたら『自分抜きで上手くやって下さい』と言う予定だ。

 何かと自分が間に立つ状況は日本支部の評価に関わる。

 セタリアも二人から日本支部を訪問した感想を聞きたがるだろう。

 現時点で決まっている高橋大佐の処遇について松永大佐から教えて貰う事で、残りの昼休憩時間を潰した。


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