幸福な人
幸福な人の日記です。
読んで、想像して、幸福な気分になってくれると嬉しいです。
8月6日
こんにちは。日記の始め方がわからないけれど、まずは自己紹介からよね。
私の名前は⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎。日記に名前なんて書くのか?と思うかもしれないけど、私はあまりにも忘れっぽくて全部書いた方がよさそうだから。
私はちょっとした病気で悲しいことや不幸なことがあったら、全部忘れてしまうのよ。
いつもいつも先生やお母さんに怒られたことや友達が学校を休んだことすら忘れてしまって、不便だから日記を始めることにしたのよ。
1日目だし、こんなもんでいいのかな?
さて、今日祖父が亡くなったわ。ずっと前から調子が悪かったらしいけど、お母さんはとうとうこの日が来たかって感じだった。祖父とは仲が良かったらしいし、葬式にも参列しようと思ってる。まあ、当たり前か。
気がついたら、私は涙を流してたわ。あまりにも悲しかったからなのか、自分に祖父がいたことすら分からない。
さっき、お母さんに何で死んだか、聞こうと思ったけど、さすがに言いにくいわね。あと、宿題をするのを忘れてたわ。
8月10日
毎日書こうと思ってたのに、何日も放置してしまったわ。そもそも、この日記帳取り出すのがめんどくさいのよね。
今日は何があったかっていうと、特に何もないわ。
なわけないのよね。
友達に聞いた話だと私が先生に呼び出されてたらしいんだけど、まあ、過去の私が解決したんでしょうね。
9月1日
今日は私の誕生日。さすがに、これくらいは書かないとね。⬛︎⬛︎は漫画をくれたわ。ちょうど最新刊を買おうかなって思ってたからむちゃくちゃ嬉しい。明日は⬛︎⬛︎と⬛︎⬛︎といっしょに遊びに行く予定。⬛︎⬛︎に誘われたんだけど、それがあいつの気持ちだって。嬉しいんだけど、その場で誕プレ選ぶつもりなんじゃないの?とんでもなく高えやつ買わせてやろうかな。
9月15日
お久しぶりの日記。今まで、何日分書いたかなって思ったら、前書いた分読んだ時点で辞めたわ。私には厳しかったか?
今日、友達と話しをしたんだけど、もうここ最近あったこと全部書いちゃえばいいんじゃないの?って結論になったから、書いてみることにする。
実は私は高校3年生。今は受験勉強中なんだけど、よくよく考えたら、日記全然書けないの、それが原因じゃね。まあ、志望校はだいたい決めたし、それは大丈夫。
お母さんが大切なのは気の持ちようだって言ってた。テストでどんなに低い点数をとっても落ち込んじゃダメだって。最近は、よくテストで低い点数を取るようになってきた。やっぱり、気の持ちようなのかな?
ひどいときは、テストを受けたことすら忘れていたから。
所属は陸上部。最速タイムとかは特に覚えてない。私は別にそこまではやくはなかったし、体力はあったんだけど、コーチが厳しかったんだよね。それのせいかも。
趣味はゲーム配信を見ること。好きな配信者さんとかはいるんだけど、ちょっと日記に書くのは恥ずいな。まあ、炎上でもしない限り忘れることはないし、書かなくてもいいでしょ。
あと、祖父が亡くなって以来、おばあちゃんは寝たきりらしい。重度の認知症でお母さんのことすら思い出せないらしい。
でも、私は知ってる。おばあちゃんは言ってたのよ。つらいって。生きるのがつらい。祖父のことすら忘れてしまう自分が憎いって。
きっと、おばあちゃんは自身の人生すら忘れてしまっている。
10月23日
今日は模擬試験当日。なんか書きたい気分だから、書いた。それだけ。
11月12日
祖母が亡くなったって。前の日記を見たら、認知症のことについて書いてたわね。お医者さんに聞いたら、しだいに衰弱してしまったって。
まるで空白が空いてしまったみたい。あの家だって、もう私からしたら誰の家か分からない。
12月25日
世間はクリスマス。受験生なんだからそんな気分になるわけもない。まあ、でもこんな日だし、気分転換に日記でも、ってなってる。明日、久しぶりに⬛︎⬛︎と⬛︎⬛︎に会いに行こうと思ってる。久しぶりっていっても3日とかなんだけど。
年末年始はしばらく会わないだろうし、なんか2人のこと忘れちゃう気がするんだよね。この1年いろんなことあったけど、日記の内容うすすぎ。もうちょっと前から日記書いとけばよかったな。さて、勉強に戻りますか。
1月10日
共通テスト終わり!学校に報告とかいろいろしてたら、日記のこと完全に忘れてた。
2月25日
なんか受かってたわ。現実感ねぇー。てか、前の日書いてなさすぎだろ。クラスでもちょくちょく合格報告あるっぽい。あの2人はまあ、受かってたら連絡してくるでしょ。なかったら、察しだな。正直。それまではだらだらしてようかな。あと、3月には卒業式があるっぽい。なんか寂しいような、嬉しいような。
3月21日
今日は卒業式の日だったわ。私は涙を流してた。そんなに悲しかったのかな?まるでスポンジみたいにわたしの記憶は空白だらけの穴だらけ。
リボンの色が同じ子に何回か話しかけられたんだけど、私は何も答えることができなかった。
この日記みたいになにもかも空白だらけ。
こんなこと最初から意味なんて、なかったのかな。




