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転生したら豆柴だったケン  作者: 原田 キントー
2/4

ゲームをしすぎて廃人になった女主人をなんとか仕事に行かせます。

私は犬だ。

前世は冴えない男だったが、現世ではもふもふの豆柴だ。名前はマルメ。飼い主は20代後半の華奢な女性。見た目は可愛いが、中身は...ちょっと残念だ。


「マルメ、ただいまー」と女主人が帰ってきた。玄関に出迎える私をいつも抱きかかえてくれる。リビングまで行くとリュックを所定の位置に置き、食事を用意してくれる。その後は、すぐにシャワーを浴びに行く。出てくるとスーパーで買った総菜と土日に作り置きをしていたおかずをレンジで温めてご飯を片手にテーブルに陣取り、スマホのアプリゲームをしている。どんなゲームをしているのかはわからないがスマホ、時々メシ、という具合だ。夜中までスマホを放さないこともあり、少々心配になる。


ある朝、いつものように「ワンワン!」と女主人を起こそうとするが、なかなか起きない。

私は彼女の腹の上で飛び跳ね、やっとのことで目覚めさせた。寝ぼけ眼でスマホをいじりながら歯磨きする姿に、俺はため息をつく。


「あいつ、真面目に仕事行く気あるのか?」


案の定、女主人(名前はまだ知らない)はゲームに夢中で、化粧もそこそこに家を飛び出していった。


夜、帰宅した女主人は、玄関で私を抱き上げると、リビングで膝から崩れ落ちた。

仕事は大丈夫だったんだろうかと心配になる。


「うっううぅ...」と女主人は泣き始めている。ああ、やっぱり仕事でうまくいかなかったのだな。

と思っていると

「なんで、なんでサービス終了なんだよ!」と堪えきれず嗚咽を出して泣き始める。


...おいおい、仕事じゃなくてゲームかよ!

俺は呆れながらも、彼女の頬を優しく舐めた。慰めようがないが、そばにいてやることしかできない。


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