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ソフィアのファンタジックワールド ~竜討伐の物語 編~  作者: 季山水晶
暮雲春樹 確信へ迫る

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80話 事情聴取

時代劇、判らなければごめんなさい。

 赤髪の男は暫く黙ってソフィアの方を見た後、びくつきながら答えた。

「いえ、知らないわよ。手下が捕まったの?あたしは何も知らないわ」


 後ずさりしようとする男の手をソフィアはしっかり掴み

「じゃあ、いいわ。あんた、あたしの部下の男を触りまくっていたよね。おさわり代を頂こうかしら?5000ピネルでいいわ。それとも、あんたも酒に酔って眠りたいかしら?」


 ソフィアえげつない。赤髪の男ガタガタ震えているよ。


「お、思い出しましたわ。ま、街に兵隊と一緒に、数人の男が連行されているという話は聞きましたわ。そ、それだけよ」


 ドン! ソフィは拳でテーブルを叩いた。


「ひっ」赤髪の男が

 ソフィアの行動にびくつき、飛び上がった。


 ソフィアの拳が開かれ、中から100ピネルが出てきた。

「他に何か思い出さないかしら?」


 テーブルに落ちた100ピネルを凝視した後、恐る恐るソフィアの顔を見た赤髪の男はそっとピネルを拾いながら


「そ、そう言えば、その兵隊が連行した先がどこかを、き、聞いたような…」


 赤髪の男がそう言いかけた時、ソフィアは突如として話題を変え


「ねえ、ここはどうやってオーダーの注文をするの?」


「へ?大きな声で注文したら、店主が持ってくるから、ピネルと引き換えよ」


「好きなものを御馳走するわ。私達にもジンジャーエールを頼んでちょうだい。飲みたいけど今は酔っぱらう訳にはいかないの」


 いやいや、未成年だし飲んじゃダメでしょ。ん?ソフィアって本当に未成年?


 ソフィアはワイン1瓶と、チーズの詰め合わせ、ジンジャーエールを注文させた後、再び話し始めた。


「何も注文しないのもお店に申し訳ないしね。これでゆっくり話せるわ」


 両サイドを固められた男は観念した様に話し始めた。


「ワインを御馳走になったから、ちゃんと話すわよ。連れて行かれた先はね、お城じゃなくて五ノ井商事の事務所よ。なんでそれを知っているかと言うと、兵隊たちが五ノ井商事の専務から沢山のピネルを受け取り、飲みまくっていたからよ。その現場を見た飲み仲間にも専務はピネルをくれたわ。だから、あたしたちはこうやって楽しんでいたってわけよ。一応口止めされていたわけだし、誰かに言っちゃ嫌よ」


「これ以上何も知らないわ。ほんとよ」


 男はそう言うとチーズを口に頬張り、美味しそうにワインを飲みだした。どうやら、これ以上この男に聞くことはなさそうだ。ソフィアは「ありがと、ゆっくりワインを楽しんでちょうだい」と言って、その場を立ち去ろうとすると、サングラスを掛けた黒いスーツで身を纏った男が2人が目の前で凄んでいた。


「おい、お前等、なにこそこそ嗅ぎまわっているんだ」


 あ、ソフィアの目がキラリと光った。何か企んだ目だ。


「丁度、お兄さん方にも聞きたいことがあったの。ここではお店の迷惑になるかもしれないから、外へ出ましょう」


 ◇ ◇ ◇


 路地裏に出たマサト達は前後を男たちに阻まれた。だが、ソフィアは一切動じる事はなく「ねえ、兄さんたちは五ノ井商事の人達なの?」平然と問いかけた。


 1人の男が薄ら笑い浮かべながら言った。

「それは、お前らが知る必要のない事だ。それに質問をするのは我々だ。この状況でどこまで強がっていられるかな」


「ねえ、2人の内偉い人はどっち?偉い人と話したいわ」


「はあ?お前何を言っている?この状況で。まあ、俺の方が上だが俺になら正直に話すのか?」


「いいえ、違うの、話を聞くのに2人もいらないのよ。マサト、そっちの人要らない」


 はいはい。『正拳突き』マサトの前に居る男がマサトに殴られ動けなくなった。


 その光景を見て唖然とする男、開いた口が塞がらない状況になっている。


「さあ、これで話し易くなったわね。もう一度聞くわ。兄さんたちは五ノ井商事の人達なの?」


 男はソフィアのセリフを聞いて怒りを露わにした。


「くそう、舐めやがって」


 そう言うとソフィアに飛びかかってきたのだが、ここでもマサトの出番。『一本背負い』で男は投げ飛ばされ、地面に叩きつけられた。


「手荒なことはしたくなかったんだけどね。兄さんたちが手荒な真似をするから仕方なくね」


 え、いやいや、確かに2人は凄んではいたが、先に手を出したのはこっちでは…


 全身打撲で何とか起き上がった男にソフィアは詰め寄り


「もう一度聞くわね。兄さんたちは五ノ井商事の人達なの?」


「ち、違う。ただ、単に絡んでピネルを頂こうと思っただけだ…」


 投げ飛ばされた勢いでサングラスは飛び、顔にも擦り傷がついた状態でなんとか答えた男にソフィアは詰め寄り襟首を掴んだ


「おうおう。しらばっくれんじゃねえ。この桜吹雪を忘れたとは言わせねえぜ。とくと拝みやがれ」


 ああ…時代劇にはまっていたのか。そんな本借りたことあったっけ…。やれやれ、今時、そんなセリフ誰も知らないし…

 忘れたとは言わせねえって…この兄さんと会ったのも初めてだし、ソフィアに桜吹雪の彫り物も無いし。でも、さすがに肩をさらけ出したりはしないんだね、良かったよ。


「なんだ、なんだ。意味が分からん。何が言いたいのだ。桜吹雪ってなんだ?」


 ソフィアのセリフの意味が全く理解できない男は手を怯えた表情で顔を横に振り、後ずさりした。


「意味が判らないって?そんな事判っているわよ。ただ、このセリフを言いたかっただけよ。まあ、そんな事はどうでもいいわ。どう見てもカツアゲだけっておかしいじゃないの」


 ソフィアは男の襟首を離し


「私はドナッテリの1の子分、ルーファーよ。それを聞いても本当の事を言えない?ボスから言われて仲間を探しているのよ」


 男はその場にしゃがみ込み「ド、ドナッテリーの…失礼いたしました。ご案内いたします」と言って頭を下げた。


次も3日以内には出します。

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