8話 初めて喋れた
新しい仲間が増えました。
窓際の席に黒髪で薄めのエメラルドグリーンの法衣を羽織った綺麗な女性が1人で座っていた。
「彼女よ、マサト。彼女が仲間なの。さあ、行きましょう」
マサトとソフィアは女性の傍へと近づいた。すると女性の方から
「マサトさん。お話しするのは初めてですけれど、私はマサトさんの事をよく知っているわ」と微笑んだ。その横でソフィアも意味ありげに微笑んでいる。
「え。僕はあなたに会った事を覚えていないのです。すみません。どこでお会いしたのか教えていただけますか?」と、照れ臭そうにペコリと頭を下げた。
「マサト、彼女の名前は『ティア』よ。これで判らないかしら?」
マサトはびっくりして
「僕の木の人形と同じ名前だ!」
そう言えばこのゲームに入る前、ソフィアが人形を消したのだった。
ティアはマサトのお気に入りの人形だったので、嬉しくなって
「ティア、ティアと話せて嬉しいよ。プリーストになったんだね。一緒に戦ってくれるかい」と興奮気味に話した。
「マサトさん。私もマサトさんと話せて嬉しいです。いつも大切にしてくれて有難うございます。精一杯頑張りますね」とティアも嬉しそうに返した。
(ソフィア、ティアを仲間にしてくれて有難う。最高だよ)
マリーに、この3人でのパーティ登録を依頼し、店を出た。
取り敢えず、道具屋にでも行ってみるか。
ソフィアは先頭を切って歩き出した。
「ねえ、マサト。ティアは女性なのでプリーストじゃなくプリーステスって言うのよ」
「さあ、早速、モンスターを倒しに行きましょう。ピネルを集めなきゃね」
ピネルと言うのはこのゲーム内で使われている通貨の単位で、このゲームを作った製作者の1人がスピネルと言う宝石が大好きだった。その宝石の名を一部取って、通貨の単位をピネルにしたらしい。マリー店の裏に住んでいる髭のおじさんが教えてくれた。
道具屋へ行く途中に森へと抜ける小道がある。その小道の端で老人が座り込み頭を抱えていた。
「マサト、おじいさんに話しかけて。必須クエストの臭いがするわ」
ソフィアがマサトに声をかけるように促した。
「え、まだ武器もろくに持ってないのにクエストなんてこなせないよ」困った表情でマサトは答えた。
「何言ってるのよ!私たちがいるじゃない。安心して相談に乗ってきなさい」
大船に乗ったつもりでいなさい。と言わんばかりにソフィアは自分の胸をポンっと叩いた。
ろくに機能を把握しておらず、アクセス解析なるものをやっと知りました。
お話を読んで下さっているがわかり、嬉しく感じております。
改めて、私のつたない物語を読んで頂き有難うございます。
誤字、脱字、表現の誤りがあれば修正したいので、教えていただけると有難いです。
次回は「初めてのクエスト①」です。宜しくお願い致します。
最低でも、2週間に1度は更新する予定です。