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ソフィアのファンタジックワールド ~竜討伐の物語 編~  作者: 季山水晶
暮雲春樹 掬われる恋路

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ソフィアたちが帰った後

久方ぶりに番外を追加してみました。

 ソフィアたちが自分の国へ帰ってもうひと月以上が経つ。彼女たちが本当に自分の世界に戻ったかどうかも分からないし、当然とれる連絡手段も無い。


(僕が気になっているのはソフィアが使っていた『移動魔法ワープ』だ。ゲームの中で彼女が使っていたのだから、僕だって獲得すれば使えるはず)


 ソフィアはワープ()()()()()()()()()()()()()()()()()って言っていたけど、場所じゃなくて一度会った人の所に行くことは出来ないものか。それが可能なら、『竜討伐の物語』の中からソフィアの元へ行けるかもしれない。調べてみる価値はある。


 将人は、ゲーム自体がエンディングを迎えたという事もあるが、彼女たちが行ってしまってから全くゲームをする気にはなれなかった。よって、ソフィアから貰った指輪は自身の机の奥にしまわれていた。


 ひと月経って、ようやく何かをしようかと言う気持ちになれたのだ。使い果たしていた気力がようやく充電されたのだ。


『竜討伐の物語2』発売の予定はあったが、販売日は未定。もしかしたら新しいゲームの中にマサトの希望する魔法が有るかもしれないが、気力が回復したマサトは若さゆえ、それまで待つという辛抱強さは持ち合わせていなかった。


(よし、再び『竜討伐の物語』の中へ行こう、行って『移動魔法ワープ』の謎を解明する)


 指輪を使ってゲームの中へマサトが入ろうとした時、ノックが鳴り部屋の扉が開いた。


「将人、遊びに来たよ」


 将人の幼馴染のである斉木みどりがやって来たのだ。特にアポがあったわけでは無かったので、突然の来客に彼は驚いた。


 将人の母親が何度も下の階から声をかけていたのだが、考え事をしていた将人にはその声は届かなかった。「もしかしたら寝ているのかもしれないから、起こしてやってくれる」との母親の発言で、みどりが部屋まで来たという訳だ。


 季節はまだ冬なので、みどりはオレンジのダウンジャケットを着ていた。保温力が高そうなそのジャケットを着た彼女は全体的にふっくらとして、まるでぬいぐるみの様だった。


 将人の部屋は暖房がかけられており、中は相当温かい。みどりはダウンジャケットを脱ぎ、ハンガーに掛けた。みどりが部屋に来た時には掛けるハンガーが決まっているので、無言でそれをおこなう。その隙にはめていた指輪を急いで外し、ポケットに押し込んだ。


「ぬいぐるみが人になった。今日はどうしたの?」


「ぬいぐるみって酷いわね。用が無ければ来てはいけないの?折角かわいい私が遊びに来てあげたのに」


 自分の事を可愛いなんて言うのか?とも思わないではなかったが、将人以外の前では彼女はそう言った発言を一切しないので、特別扱いをされているのが分かり、それなりに心地が良かった。


 まさにこれからゲームの中へ入ろうという腰は折られたが、ワープの確認位普通のプレイでも出来る。


「ようやくこのゲームがクリアできてね、イベントの終わった街のその後を見て回ったり、新たなイベントが発生していないか見ていたんだ。いわば()()()()ってやつだね」


「へえ、ゲームって終わった後でも遊べるんだね。私はあまりゲームをやったことは無いけど、面白いの?」


 この『竜討伐の物語』は古いゲームなので、キャラクターは一人しか作れない。みどりにも新しいキャラクターを作ってさせてあげたいとも思うが、折角上位職であるハーミットソルジャーに成れたのだから、将人は今のセーブセーターを消すことには抵抗があった。


(まだやり込まなくちゃならない事を言い訳にして、街を回りながらゲームの説明でもするかな)


「見てみる?」


 将人は一番初めのトピカの村の村へ戻り、どうやって職業を獲得するのか、どういうクエストが発生したのかを事細かくみどりに説明しながら、『移動魔法ワープ』の手がかりを掴もうとした。だが、いくら色々な人に話を聞いたりしても、このゲームでは自分で選択をして技を獲得することが出来なかった。


 結局、『移動魔法ワープ』を獲得するにはソフィアと同じウイザードにならなければ無理なのだった。


 色んな街を回りながら、そこで起こった出来事を説逐一、将人はみどりに説明をした。それを一切嫌がらず、みどりは楽しそうに聞いていた。ゲームの内容は兎も角、みどりにとっては将人が楽しそうに話すだけで十分だった。


「うーん、色々回ったけど、欲しい技が手に入らないという事が分かったよ」


 コントローラーを手放した将人は、首を後屈させため息をついた。ゲーム画面を見ると、将人のキャラクターが同じところで手足をぴくぴく動かしてた。


「でも、面白かったんでしょ。クリアも出来たし良かったじゃん。それにしても、時々パーティって言葉が出て来ていたけど、将人は一人でクリアしたんだね、凄いね」


 屈託のない笑顔を浮かべながら、きどりは将人の顔を上から見つめた。


 テレビ画面には確かにマサト一人しか映っていない。ソフィアもティアも、もうこのゲームの中には居ないんだ……


 その事に改めて気付くと、やはり寂しさが湧いてくる。が、これで終わりじゃない。


(まあ、確かに『移動魔法ワープ』は手に入らなかったけど、みどりのその顔見られて良かったな。次に何か面白いゲームが出た時には、みどりと一緒に遊ぶのも悪くないな)


「ああ、凄いだろ。じゃあ、他のゲームで遊ぼうか。()()()()は何で遊びたい?」


読んで頂き、ありがとうございます。

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