1日目:動き2
考えた話適当に流していきます。
「なんだよ急に話って、俺は早く体を動かしたいんだ。手短に頼むぜ」
なぜこの状況で体を動かしたいという考えになるのか疑問ではあるがつっこまないでおこう。
「おまえ、さっきの話どう思う」
少し圧をかけるように問いかけると、すぐに答えた。
「どうって、そりゃ脱走なんて不可能だろ。トイレにでも篭ってんじゃねーの」
めんどくさそうなことには関わらないのがこいつの悪いところだ。この回答も適当だろう。
「まあ、そうだろうな。脱走なんて不可能だと思う。だが、曹馬が言ったことだ。なにかあるとは思わないか?」
前回下痢になった者が点呼に来なかった時も大捜索になったが、曹馬は何も言わなかった。実際に何も問題がなかったからだ。しかし今回は違う。
「適当に言っただけだと思うけどな、気になるなら曹馬に聞けばいいじゃないか。」
「そうだ、そう思ってお前に話をしている。上手くいけばこの状況から抜け出せるかもしれない。」
この環境から抜け出すには少しの可能性に縋るしかないのだ。少しでも可能性があるなら試してみる価値はある。
「まあ、俺はお前が行くとこについて行くよ。昔からの付き合いだしな、半ば強制の」
最後の一言が不満だったが気にしないでおこう。
「よし、なら話は早い。曹馬に話を聞こう、もちろん運動しながらだ。」
「よしきた!早く行こうぜ!」
俺の話などどうでも良いのだろう。これからは話をする前に強制的に連れて行こう、そう思った。