第3章 ♯34 超える
「じゃあ早速スキルを使って漫画を描いてくれ!!」
「漫画?
何の??」
「取り敢えず、あの超大作の1巻をメモリースキルを使って描いて見てくれないか?」
「あの超大作を!?
私なんかが書いてもいいんでしょうか!?」
「売らなければ大丈夫だ!!
俺だけの為に描いてみてくれ!!」
「美琴君の為なら描いて見るね!」
2時間後・・・
「出来ましたぜ!美琴君!!」
「本当か!
どれどれ・・・。」
30分後。
「か、完璧だ・・・!!」
俺の目から大量の涙が溢れる・・・!!
「ミ、ミコトが泣いてる・・・!!」
「あの冷酷な旦那様が・・・!!」
「あの拷問のミコトが!?」
「あの女たらしのミコトさんが!?」
《あの単細胞バカなマスターが。》
え、何、皆俺のことをなんだと思ってんの?
泣くよ?
涙も血も通ってるよ?
え、なんで目を逸らすの?
そんなに酷い?
「サクラ!
この調子で頼む!!」
「いえっさー!!」
更に描き進めるサクラ。
スキルのお陰でスクリーントーン等も無しで描けるという、とんでもないスキルだった!!
サクラが描いているうちに俺達はドワーフの村に行く。
「おう!ミコト!!
こっちはすっかり引っ越しは終わったぞ!!
何時でも船造りが出来るぞ!!」
「有難う!!
じゃあ早速作戦会議だ!!
皆をドッグに集めよう!!」
船造りに参加するドワーフ達が集まってくる。
ざっと70人位かな?
「これからどんな船にするか考えたいと思う!
動力は魔石を使用する。
大体20人は乗れるようにしたい。
どんな形にするか、どういう仕組みで魔石を動かしたり止めたりするか、方向転換はどうするか考えてほしい。
因みに俺は全くわからん!!」
『えぇぇぇぇぇ!!丸投げぇぇぇぇぇ!?!?』
「あ、竜骨は船の要だからこのオリハルコンいっぱい使っていいよ!」
アイテムボックスからオリハルコン100個を取り出す!
『あの伝説のオリハルコンがこんなにぃぃぃぃぃ!?』
「こんなのいっぱい取れるから沢山使っていいよ!」
『オリハルコンをこんなの扱いぃぃぃぃ!!?』
「俺達はとんでもない所に引っ越して来たのか!?」
「でも、あのオリハルコンを分断に使えるのか!」
「これはとんでもない船が作れそうだ!!」
やる気を見せるドワーフ達!
3日後、どうやら船の大体の設計が出来たようだ。
「何とか構図を纏めて見たぞ!
後は船首だな!」
「船首?船の先頭ってこと?」
「ああ。そのデザインなんだが、強そうな船にしたいからライオンの顔なんてどうだ?
口から大砲が出てくるんだ!」
「それ絶対駄目なやつぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!
各方面から怒られるから駄目ぇぇぇぇぇ!!!」
「えぇぇぇぇぇ!
いいと思ったんだけどな。
じゃあ、女が多いから可愛く羊なんてどうだ?」
「それも駄目ぇぇぇぇぇ!!
お前ら絶対わかって言ってるんだろぉぉ!?
パクるんじゃねぇぇぇぇ!!」
「チッ」
誰だ!舌打ちしたやつ!!
お前に責任取れんのかァァァ!!
結局シンプルに大砲だけになった。
サクラに完成予想図と正確な設計図を絵にしてもらうとどよめきが起きる。
「なんて素晴らしい設計図なんだ!
これなら作りやすい!!」
「完成した船の絵が有れば更に作りやすいな!!」
褒められたサクラは満更でもないなさそうだ。
「これが完成したら次は大きめの漁船を作ってもらう!
ベースはこの設計図みたいな感じで。大砲外した魚獲る専用の船だからねー!」
竜骨はオリハルコンだが、外装は鉄。
不安だったら後でオリハルコンを混ぜればいい。
「ミコトよ、外装は鉄で大丈夫なのか?
沈むんじゃないのか?」
「大丈夫だよ!
海では浮力が働くからね!
沈みそうで意外と沈まないよ!」
「ホント何でも知ってるんだな!」
「そんなことないよ。
船の作り方とかは全然わからないし。」
「ミコトは自信家なのか謙虚なんだかよくわからんやつだな。
まあ、俺はミコトのこと気に入ってるがな!」
「おじさんドワーフに好かれても嬉しくないよ?
俺ホモじゃないし。」
「俺だってホモじゃねーわ!!
嫁だっているんだぞ!!」
「えぇぇぇぇぇ!!
見たことないよ!!
何処にいるの!?
架空の人物?」
「ちゃんと村にいるわ!!」
よくこんな偏屈な親父と結婚したな。
嫁の方が強いのかもしれないな。
うちと一緒だ。
そして一ヶ月経ち、ついに俺達の船が出来上がった!!
かなり大きな船でイメージ通りの外見となっている。
「ミコトの言うとおり、鉄でも浮くんだな!!」
「だから言ったでしょ?」
「ミコトが置いてったオリハルコン余ったけど他に何か造るのか?」
「特にないから余ったのあげるよ。」
その瞬間、ドワーフ達の取り合いが始まった!
「あ、報酬渡すの忘れてた!
皆こっち来て!!」
その号令であのガサツなドワーフ達がなんの歪みもなく綺麗な列を作り並ぶ。
余程、このパーフェクトオリハルコンが欲しかったのであろう。
先頭は勿論ガンテツだ!!
全てのドワーフに渡し終わると一目散に工房に走るドワーフ達。
早速貰ったパーフェクトオリハルコンで武器が作りたいみたいだ。
今は場所の取り合いをしている。
そんなとき、ひょっこりアスラが現れる。
「ミコト様!
どうしてここに?」
「ドワーフ達に船を作ってもらってたんだ。
丁度完成したところだ!」
「ミコト様、貴方は馬鹿なんですか?
こんな重そうな船、浮かぶ訳ないじゃないですか!!
何考えてるんですか!?
もっと頭のい「お前の最後の言葉はそれで良いんだなァァァァァ!!!」ぎゃぁぁぁぁ!!!頭蓋骨が潰れるぅぅぅぅ!!!
助けてぇぇぇぇ!!!」
「バカにバカと言われる筋合いはねえんだよぉぉぉぉぉ!!!!!」
「死ぬぅぅぅぅぅ!!!」
バカのアスラにアイアンクローを炸裂させる!!
リラ達に止められ、一命を取り留めたアスラに俺は訊ねた。
「何でここに来たんだ?」
「ド、ドワーフ達にお願いをしにしたんです・・・!」
頭を抑え、痛そうにしているアスラ。
「何だ、死にに来たのかと思ったよ。」
「そんなやついませんよ!!
例の器具の件、色々と整いました。
後はドワーフ達に頼むだけです。」
「そうか、まあきっと無理だろうな・・・。」
「な、なんでですか!?」
「今さっき俺がパーフェクトオリハルコンをあげたからな。
きっとそれに夢中で器具どころでは無いと思うぞ?」
「なんてことしてくれたんですかァァァァ!!
どうするんですかぁぁぁぁぁ!!
てゆーか、パーフェクトオリハルコンってなんですかァァァァ!?」
「俺が見つけたオリハルコンより硬い真のオリハルコンだ。」
「えぇぇぇぇぇ!!!
そんなものがこの世に!?
くださいぃぃぃぃ!!
俺にもくださいぃぃぃぃ!!!!!」
〈ガシッ!!ギリギリギリギリギリギリ〉
「だから何で、何もしてないてめえにやらなきゃいけないんだぁ?ああ?
おめえはパーフェクトオリハルコンよりもやることがあんだろうがぁぁぁぁ!!」
「ぎゃぁぁぁぁ!!
2回目ぇぇぇぇ!!
今度こそ潰れちゃうぅぅぅぅぅ!!」
「今度こそ潰してやるよぉぉぉぉぉ!!!」
「助けてぇぇぇぇ!!
リラさぁぁぁぁぁぁん!!!」
「てめえがリラの名前を語るなァァァァ!!!」
結局、リラ達に止められ、一命を取り留めたアスラ。
流石に死にかけている。
「折角、来たのに残念だったな。
お前如きがパーフェクトオリハルコンに勝てるわけないからな!!」
「いや!
俺は諦めませんよ!!
俺は世界一の商人になるんです!!
オリハルコンなんかに負けませんよ!!
行ってきます!!
ミコト様なんかに負けませんよ!!」
そう言ってドワーフの元に走っていくアスラ。
「リラ、ちょっと船見てくるからアスラが戻ってきたら渡してやってくれ。」
俺はリラに小包を渡す。
「これは?」
「後で見せてもらえばいいよ。」
俺は船の方に向かう。
「ドワーフの皆さん!
忙しいところすいません!!
初めまして!!アスラと言います!
お願いがあってきました!!」
「何だアスラ、どうしたんだ?
俺達はこのパーフェクトオリハルコンの加工で忙しいのだが?」
「忙しいのを承知で言います!!
お願いします!
俺と一緒にミコト様と開発したあの器具を作ってください!!
お願いします!!!」
土下座をするアスラ。
「は?
何でお前みたいな小僧のために俺たちが力を貸さなきゃいけないんだ?
帰れ、今は忙しいんだよ!」
「いいえ、帰りません!!
俺は貴方達に作ってもらえるまで帰りません!!」
「アスラ、何でそんなに作ってほしいんだ?
金儲けのためか?」
「はっきり言ってそれもあります!!
それもありますが、あの器具で俺はミコト様が起こした革命を引き継ぎたいんです!!
あれが有れば人間界は変わります!!
もっと豊かになります!!
あんなに便利なものを世の中には広めないなんて商人として失格です!!
どうか俺と一緒に革命を起こしてください!!
お願いします!!」
土下座をして懇願するアスラ。
「・・・ぷっ!あーはっはっはっはっ!!!」
笑い出すドワーフ達!
「何が可笑しいんですか!!
こっちは真剣なんですよ!!」
「済まねえな、アスラ。
こっちは最初っから手伝う気なんだよ!」
「は?」
「ミコトから言われてるんだ!
パーフェクトオリハルコンが欲しければアスラの手伝いしろってな!
ミコトに言われちゃやらねー訳ないだろ?」
「え、じゃあ・・・。」
「だけど、お前の信念は分かった!
俺たちがお前の助けになってやろう!!
一緒に革命を起こしてやろうぜ!!
なあ、おめえら!!」
『ウオオオオオオオオオオ!!!!』
「皆さん・・・!!
有難う御座います!!!!!
どうぞ、宜しくお願いします!!!!!!」
涙ながら叫ぶアスラ。
「アスラ!
もう一人お礼を言わなきゃいけない奴がいるんじゃねえか?」
「はっ!
わかりました!!
行ってきます!!」
そう言ってミコトの元に向かうアスラ。
「リラさん!
ミコト様は!?」
「船の方に行っちゃったよ。
はい、これ。
ミコトから。」
「なんですか、これは?」
「わからない。
開けてみて!
私達も見たいから!!」
小包を開けるアスラ。
中を見てアスラは驚愕する。
「こ、これは!
もう、ミコトったら!」
「ホント優しい旦那様ですね。」
「ホント素直じゃねえなあ!」
「でも、ミコトさんらしいね!」
笑い合う4人。
小包の中にはオリハルコンとパーフェクトオリハルコンが入っていた。
「ミ、ミコト様・・・!!」
船の方に走り出すアスラ。
船の前にいるミコトを見つけるアスラ!
「ミコト様!!」
「アスラか。
ドワーフ達からは了承を得たのか?」
「ミコト様のお陰で快諾してくれました。」
「全く・・・。
あのドワーフ達は・・・
言うなって言っておいたのに・・・。」
「それとこれ!!
本当に貰っていいんですか!?」
「何だ、要らないのか?
あんなに欲しがっていたのに。」
「でも、俺はまだ何も・・・。」
「これからするんだろ?
世界一の商人のアスラさんよお?
お前がそれになった時、俺はここには居ないからな。
前祝いだ。
売るなり、使うなり好きにしろ。」
「俺はいつも助けてもらってばかりですね。」
「当たり前だ。
これが俺の使命だ。
こっから先はお前の番だ。」
「俺でいいんですか?」
「お前は世界一の商人になるんだろ?
任せるなら世界一がいいじゃないか。
それとも、あれは嘘か?」
「嘘じゃありませんよ!!
勿論なりますよ!!
世界一の商人になって、必ず!
貴方を超えて見せますよ!!!!」
「俺は商人じゃないぞ?」
「知ってますよ!
だから先ずは世界一の商人になるんです!!
そして、貴方という人間を超えるんですよ!!」
「はっ、お前にそれができるかねえ。
俺の助けがないと何も出来ないくせに。」
「確かに今迄はそうでした。
だけど、これからは違いますよ!!
俺が人間界で革命を起こすんですよ!!
貴方のように・・・。」
「やれるもんならやってみろ!
革命を起こすのは生半可な気持ちじゃ出来ねえよ!」
「本気ですよ!!
絶対やりますよ!!
ただ、これだけは言わせてください!!」
「何だ?」
「今迄、本当に有難うございました!!!!!!
この御恩は一生忘れません!!!!!!!!」
土下座で涙ながら叫ぶアスラ。
くっ!ここにもあの感動のシーンを再現出来るやつがいるのか!!
なんか、感動のシーンがある意味台無しだ!!
「・・・泣いてる暇があったらやることやれ!
ドワーフ達がお前の支持を待ってるぞ!」
「!!!はい!!」
「アスラ、これもお前に託す。
俺の代わりに頼んだぞ?」
俺はアスラに船の設計図を渡す。
「必ずやり遂げます。
有難うございました。」
一礼してドワーフの工房に走るアスラ。
その後ろ姿を見つめるミコト。
「本当にミコトはかっこいいね。」
「え?どうしたリラ?」
「旦那様がカッコいいのは当たり前です!!
でも、益々惚れ直しました♡」
そう言って俺の腕をジュリアのけしからんものに挟む。
もっと強めに頼む。
「アンタが私の旦那で良かったよ!
流石の私も惚れ直したかな・・・。」
ちょっと恥ずかしそうにいうルーシア。
こういうところは本当に可愛いな。
「流石、私が惚れた男だね!!
アスラもミコトさんみたいになれるかな?」
「アイツなら大丈夫だよ。
あそこまで言い張ったんだ。」
「ミコトさんが言うなら大丈夫かな?」
「なれなかったら拷問にかけるだけだ。」
『え?』
「あったりまえだァァァァ!!!
俺にあんなに上等こいたんだ!!
なれなかったらアイアンメイデンで拷問にかけてやるよぉぉぉぉ!!!」
「もう!
それ死んじゃうやつでしょ!!
全く!
感動のシーン台無し!!」
笑い合う4人。
「さあ、帰ろう!
サクラも待ってるぞ。」
『はーい♡』
家に帰るとサクラが出迎えてくれた。
皆でご飯を食べて、お風呂に入る。
皆でいちゃいちゃして眠りにつく。
そして、俺は夢を見た。
本日も一日お疲れ様です。
お疲れのところ私の作品を見て頂き、有難うございます。
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