第3章 ♯12 優しい旦那様
「レベル4のダンジョンのクリア条件は最下階のボスの素材を20時間以内です。
レベル4からは途中のボスを倒す度に一時的に帰ることが出来ます。」
「そうなのか?
優しいな。」
「死者が続出しているので、延命処置と行ったところでしょうか。
勿論、一定時間過ぎても戻らない場合は失格。
もうダンジョンに入ることは出来なくなります。」
「なるほど。結局は一度入ったらクリアしなきゃいけないんだな。」
「ミコトなら大丈夫だね!
さあ、行こ?」
「そうだね!
サクッとクリアしよう。」
「なんだろう、ミコトくんが居れば不思議と気持ちが楽になるな。」
「そうですね、流石私の旦那様です♡」
「私達のだからね!
独り占めは駄目だよ!!」
「だって3人の中では私が一番旦那様を愛しているではないですか?
第2夫人でも愛する気持ちは1番ですよ!」
「きー!!
そんなことないもん!!
1番は私だもん!!
1番愛してるのは私だもん!!」
「いいえ、私です!
昨日だって私は率先して旦那様に御奉仕しましたしね!
リラは途中からですけど。」
「もう、1番とかどうでもいいだろ?
ミコトくんならそんな区別しないだろ?」
「そうだぞ。
そんなこと言ってないでいくぞ!」
「「はーい・・・」」
やっとの事で中に入る俺達。
「Riri、ナビを頼む。」
《了解。
このダンジョンは全15階。
いつものように5階、10階、15階にボスが居ます。
モンスターはレベル2に比べると倍くらい強いですね。》
「わかった。
引き続きナビを頼む。
じゃあ、このダンジョンは3人に任せるよ。」
『え?』
「修行の成果を見せてもらおうかな?」
《まあ、この程度のダンジョン、余裕でクリアしてもらわないとマスターが困りますからね。
3時間以内にクリア出来ないので有れば付いてくる資格は無いですね。
家で大人しくお留守番しててください。
貴女達の役目は夜のお相手だけで良いですよ。
流石にマスターも独りでは虚しいですからね。》
確かに独りでは虚しいな。
よく前の世界では頑張ったよな、俺。
「きー!!
こんなダンジョン、3時間でクリアできるもん!!
余裕だもん!」
「そうですよ!
ダンジョンにも付いていきますし、夜のお相手もしますよ!!」
「ミコトくんは何もしなくていいからな!
私達だけで余裕でクリアしてやるよ!!」
この3人は本当にすぐ挑発に乗るなあ・・・。
そして3人だけのダンジョンが始まった。
1~4階では、特に問題もなく戦っていた。
森のモンスターに比べれば余裕だろう。
リラが足止め、ジュリアが補助、ルーシアがトドメ。
この連携が上手くいっている。
「ミコトさんどうですか?
私頑張ってますよね?
褒めてください♡」
「よしよし、頑張ってるな。」
頭を撫でてあげる。
「あー!!
私も!!
ミコト、私も頑張ったでしょ!!」
「はいはい、リラも頑張ってるな、ヨシヨシ。」
頭を撫でられご満悦な顔。
まあ、なんて可愛いんでしょう。
「私が全部止め刺したんだから、私が1番だろ?」
「はいはい、ルーシアも頑張ってるな。
ヨシヨシ。」
顔を真っ赤にしてるが嬉しそうだ。
こういうとこはルーシアもかわいいな。
「何言ってるんですか!
私の補助があってのトドメでしょう?
1番は私です!!」
「違うよ!
私が足止めしたから二人とも自由に動けるんでしょ!
つまり私が1番だよ!!」
《ふふ、誰が1番かもっと話し合った方が良いですよ。
後3時間くらい。
そうすれば、足手まといがいなくなりますからね。
さあ、誰が一番なんでしょうね?
・・・お留守番になるのは。》
「よし、次行こう!!」
「そうですね!
これからも3人で頑張りましょう。」
「サクッとクリアしてやろうぜ!!」
Riri、ナイスだ。
ああなると止められなくなるからな。
モテる男は辛いぜ!!
《マスターがモテるのは私の能力のお陰ですからね?
お忘れなく。》
はい、その通りで御座います、Riri様。
とても有り難く思っております。
そして、5階。
最初のボスが現れる。
豹のモンスター。
かなり素早いモンスターだ。
リラが拘束をしようとするが、早すぎて目で負えず、影縫いが上手く決まらない。
ルーシアが銃を創り出すが、勿論当たらない。
さて、どうするか?
「私に任せてください!」
【クイック!】
ジュリアはクイックをルーシアではなく、自分にかける。
「あれ、私じゃないのか?」
「これでいいんです!」
ジュリアの速さが豹に追いつける程になる。
【スロウ!】
そうジュリアが唱えると、豹の動きが極端に遅くなる!
「リラ、今です!!」
【影縫い!!】
豹を目で終えるようになり、影縫いが決まる!
「ルーシア!!トドメです!!」
「任せろ!!
おりゃぁぁぁ!!」
ルーシアの剣が豹を切り裂く!!
豹のモンスターは絶命した。
「ジュリア、凄いじゃないか!
中々の魔法だな!」
「はい!創ってみました。」
俺は頭を撫でる。
とても幸せそうな顔のジュリア。
「ぐぬぬ!
今回は何も言えない!!」
「そうだな、ジュリアのお陰だもんな。
今回はジュリアに花を持たせてやるか。」
褒められて嬉しくなったジュリアは俺に抱きついて来たが、それは二人に引き剥がされた。
俺としてはけしからん感触を堪能したかったのだが・・・。
6~9階も順調に進む。
ボス以外は楽勝みたいだな。
しかし、見てるだけって本当に暇だな。
10階に着く。
1時間経ったかな。
ボスの部屋に入ると異様な感じがする。
中には翼の生えた悪魔みたいな生き物。
《あれはガーゴイルですね。
魔法が効かないみたいです。
この空間での魔法も無効化されますね。
つまり、リラとジュリアはお荷物です。
どうぞ、お帰りはあちらですよ。》
「きー!まだそんなこと言って!!」
《実際にそうでしょう?
魔法のない貴女達二人に何が出来ますか?》
「「ぐっ!!何も言い返せない!!」」
「私1人でやるよ。
大丈夫だ。
見ててくれ!」
【クリエイトガン!!!】
ルーシアの手元にはショットガンが現れる。
どうやらスキルは使えるみたいだ。
ルーシアは飛び回ってるガーゴイルにショットガンを放つ。
〈ズパァァンッッ!!!〉
ライフルより轟音が響き渡る!
ガーゴイルに素早く避けられる!
それでもルーシアは撃ち続ける!!
ガーゴイルが馬鹿にした笑い出す。
ルーシアはそれでも撃ち続ける。
そして、ガーゴイルがルーシア目掛けてすごい速度で襲ってくる!
「ルーシア!!危ない!!」
ジュリアが慌てるが、それは杞憂だった。
ルーシアは冷静にスキルを解除し、剣に持ち変える。
「これを待ってたんだよ!!
おりゃあぁぁぁぁぁ!!」
ガーゴイルの勢いとオリハルコンの剣の切れ味により、ガーゴイルが見事に真っ二つになる!!
そのまま、ガーゴイルは絶命する!!
「まあ、こんなもんだね!」
「よくやったぞ!
ショットガンで此方に誘導して、剣でトドメってことだな。
よく考えたな。
いい子いい子。」
優しく頭を撫でる俺。
顔を真っ赤にして抱きついてくるルーシア。
ルーシアの柔らかい感触もいいなぁ。
「頑張ったご褒美くれよな。」
「ご褒美?」
俺がそう聞くとルーシアはキスをしてきた。
「「あぁぁぁぁぁ!!!!
狡いぃぃぃぃ!!!」」
「今回は私が一人で頑張ったんだ!
文句は言わせないよ!!」
「「ぐっ!!」」
何も言い返せない二人。
そして、11~14階。
もう3人はダンジョンクリアより如何に活躍してご褒美を貰うかになっている。
まあ、今までより進む勢いが速くなってるからいいけど。
そして、最下階。
ボスの扉前。
「さて、また私が活躍させて貰おうかな!」
「何言ってるんですか!
次も私です!!」
「違うよ!最後は私なの!!」
ぎゃあぎゃあ騒ぐ3人。
女が3人集まると姦しいって正にこういう事なのかな。
ん、前にも思ったことあるな。
3人が騒いでるから気づかなかったけど、扉の近くに10人程の冒険者がいる。
「君たち、済まない。
何か薬を分けてくれないか。
もう回復薬も尽きてしまって、困ってるんだ。
頼む、金は払うから。」
【パーフェクトヒール】
冒険者達が完全に回復する!
「ぱ、パーフェクトヒールだと!
凄いな君!」
「傷も治ったし、速く帰ったほうがいい。
ここのボスに歯が立たなかったんだろ?」
「そうはいかないよ。
ここでリタイヤしたらもう二度とダンジョンに入れない。
それは困るんだ。」
「自分たちの弱さも分からず挑戦したんだろ?
自業自得じゃないか。
運が悪かったと思って諦めるんだな。」
「ここで諦めたら今までの苦労が水の泡だろ!!
そんなこと出来るか!!」
「死んだら全てが水の泡だろ?」
「ダンジョンに入れなくなるなら死んだほうがマシだろ!!」
「じゃあ死ねよ・・・」
【地獄の拘束具】
黒い鎖が冒険者達を締め付ける!!
「ぐわぁァァァァ!!やめろぉぉぉ!!」
「ミコト!駄目だよ!!」
「だって死んだほうがマシならいいだろう?」
「だからといってそのようなことは!!」
「良いんだよ、死にたいみたいだからな。
どうせなら俺が拷問しながら殺すことにするよ。
ずっと退屈だったからな。」
「だからってミコトくんが殺す事無いだろ!!」
「うるせえなぁ。
こんな命の大切さもわかんねえ奴ら、死んでもいいだろ?
ここの人間はいつもそうだ。
自分の命や人の命を軽く見る。
死んだら終わりなんだよ、何もかも。
生きていたら良いことがあるかもしれないじゃないか。
ダンジョンだけが全てじゃないだろ?」
「ぐわァァァ!頼む!助けてくれ・・・!
まだ死にたく無い・・・!!」
俺は拘束を解く。
「死んだほうがマシとか軽々しく言うんじゃねえよ。まだ死にたくない癖に。」
「わ、わかった・・・。すまなかった・・・。」
「今回は特別に俺が手伝ってやる。」
「え?」
「いいから行くぞ。」
「は、はい。」
3人をおいて冒険者と入っていくミコト。
「ミコトくん、キレてた?」
「少しだけね。
本気でキレてたらあんなもんじゃすまないよ。
本当に死んだほうがマシっていうくらいの拷問とかするもん。」
「こ、怖いですね、それ。」
「何れ見れるよ。」
「ミコトくんは何で切れたんだ?」
「ミコトは人の命とか凄い大事にしてくれるんだよ。
多分、一度前の世界で死んだことがあるからかな?
人が苦しんでたりするのも許せない人だからね。
だから、命を軽く見てる人は絶対に許せないの。
生きていればいいことがあるっていうのはそうだなって思う。
私の両親も呪われて死にかけてたところ、ミコトに助けてもらって、今では凄い屋敷に住んでるお金持ちみたいな感じになってるからね。
生きていれば良いことあるんだなって思う。
両親の口癖見たくなってるよ。
生きてて良かったって。」
「そうですね。
神に与えられた命を粗末にするなど許されませんね。」
「なんだかんだで優しい旦那様だな。」
「うん、私の素敵な旦那様だよ!」
「違います!私達の旦那様です!
独り占めは良くありませんよ!」
「私は第1夫人だからね!
独り占めしてもいいの!」
「そんな決まり無いだろ!!」
「私が決めたの!!
第1夫人特権です!!」
「そんな特権許されませんよ!!」
「何また喧嘩してるの?」」
『はやっ!!もう出てきたァァァ!!!』
「あんなの楽勝だよ。
さあ、次は俺達の番だ。
頑張れよ、リラ。」
リラの頭を撫でる俺。
「うん、頑張るよ!
ボスを倒したらもっと褒めてね♡」
頭を撫でられ可愛く甘える俺の天使ちゃん。
抱きしめてもいいのかな?
「何でリラだけなんですか!?
私にもお願いします!!」
「うーん、次のボスは二人は多分活躍できないよ?」
「「えぇぇぇぇぇ!!!」」
「何でですか!?
まだ私出来ますよ!?」
「そうだよ!
私だって大丈夫だぞ!!」
「入ればわかるよ?」
俺達はボスの部屋に入る。
ボスの部屋には盾を持った騎士。
「コイツは物理無効だ。
つまり、ルーシアの活躍はない。
魔法でしか倒せない。
しかもこの部屋は補助魔法も無効。
補助魔法の使い手のジュリアも意味ないだろ?」
「「そ、そんな!!」」
「ふふふ、二人はその辺で大人しく見ててください。」
「「くっ!!」」
「リラ、容赦なく行けよ。
最下階のボスだからな。
さっきまでのボスとは違うぞ。」
「わかった!」
そして、リラの戦いが始まる・・・。
【影縫い!!】
騎士は拘束されるが、直ぐに拘束は解かれてしまう!
「え、何で!?」
「拘束を抜け出せる程のパワーがあるんだ!
影縫いは通用しないぞ!!」
「えぇぇぇぇぇ!」
「リラ、考えろ!!
非情になれ!!」
リラは優しい天使の心の持ち主。
相手を苦しめるような魔法は使わない。
「俺のように戦え!
リラが一番いつも見てきただろ!!」
「わかった!やってみる!!」
リラの瞳が紫色に光る。
【地獄の拘束具!!】
騎士が締め付けられる!!
拘束を解こうと藻掻き始める騎士。
【エレクトリックショック!!】
騎士が感電し、拘束を解こうとする力を弱める。
【サウザンドエアロスラッシュ!!】
何千もの風の刃が騎士の周りに現れる!!
「その騎士を致命傷を避けて斬り裂いて!!」
その号令と共に風の刃が騎士を切り裂き始める。
あれ、やり過ぎじゃね?
「これでトドメ!!」
【トールハンマーレイン!!】
〈バリバリバリバリバリバリバリバリ!!!〉
激しい雷土が騎士を襲う!!
絶命した騎士は消し炭になっていた・・・。
「完全にやり過ぎだぁぁぁぁぁ!!!
素材何も残ってないよ!!」
「だってミコトのようにやれって言うから!!」
「え、俺いつもあんな感じ?」
「大体戦うときはあんな感じに拷問してるよ!!」
「そうだっけ?」
「偶にこれ以上酷いよ!!」
「うーん、そうだっけかなあ?」
「それより、頑張ったでしょ!!
ご褒美頂戴!!」
「もう、しょうがないな。」
リラを抱きしめてキスをする。
・・・あれ、まだやめてくれないぞ?
あれ、舌入れてきたね?
大人のキスをしてきたね。
我慢出来なくなるよ?
「リラ!長すぎですよ!!
もうお終いです!!」
ジュリアに無理矢理引き剥がされるリラ。
「まだするの!
これはご褒美なのー!!」
「ご褒美超えて、襲いそうだっただろ!!
ここはダンジョンだぞ!!
やるなら家でやれ!!」
「じゃあご褒美の続きは二人きりでね!」
「駄目です!!
私も御奉仕します!!」
「今日は私もしてもらおうからな!」
「駄目!今日は私だけ!!」
「「絶対に駄目!!」」
結局喧嘩になる3人。
素材が出なかった為、またやり直す。
次は俺が戦う。
刀に焔を纏わせ一撃で倒す。
三人が呆然としてたのは何故だろう。
「私があんなに頑張って倒したのを一瞬で・・・」
「流石は旦那様です・・・」
「Ririが言ってることが少し分かる気がするよ・・・。」
そして、俺達はダンジョンから脱出した。
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