第2章 ♯31 いつもと違う恐怖
リラが行方不明になった。
昨日、学校に行ったっきり、帰ってこないという。
俺は先ず学校に行き、話を聞いたが、昨日は、学校に来たらしい。
つまりは学校が終わった後で事件に巻き込まれた可能性がある。
もしかしたら、カリナさんの所に行ってるかもしれない。
取り敢えず、ギルドに行こう。
ギルドに着くと何やら人だかりが出来ている。
何かあったのか!?
俺は人混みをかき分け、カリナさんの所に向かう。
「カリナさん!リラ来てないか!?」
「あ、ミコトさん!良かった、貴方を探してたのよ!!!
王城がモンスターに襲われたのです!!」
「はァァァ!?こんな時に!?
カリナさん、それよりリラ来てないか!?」
「それよりって!・・・えっ!リラがどうしたのです!?」
「昨日から行方不明になってるんだ!
学校終わってから何かあったらしい!!
心当たりはないか!?」
「いえ、私も王城の事で追われていて、何も知らないわ!」
くそっ!!!
俺は何やってんだ!!
モンスターと戦うのに夢中になって、リラをほっておくなんて!!
リラを守るって約束したのに!!
「わかった。忙しいところ悪かった。他、探してみるよ。」
俺はギルドを出ようとするがカリナさんに止められる。
「ちょっと待ってください!
王城がモンスターに襲われて、占拠されてます!!
どうか、力を貸してください!!
今、ユリウスが戦っていますが、ビッグホーンディアー等、凶悪なモンスターばかりいて、手に負えなくなっています!!
貴方でないと太刀打ち出来ません!!」
「そんなこと、どうでもいい!
俺はリラを探してんだ!!
王城なんかよりリラの方をが大事なんだよ!!」
「気持ちは解りますが、一大事なのです!!
リラはギルド職員と冒険者が手分けして探します!!
どうか、お願いします!!
王城に向かってください!!
このままだと、国が滅んでしまいます!!」
「くそっ!!こんな時に!!
分かりましたよ!!
その変わり、リラは今ここにいる人間全員で探してくれ!!
俺一人で王城潰してくるから!!」
「王城は潰さないでください!!」
「リラの事、頼みましたよ?」
「ギルドの総力を持って探します。
どうか、ユリウス達のこと宜しくお願いします。」
俺は王城に向かうことになった。
くそっ、なんでこうもモンスターが出てくるんだ!?
今迄こんなこと無かったのに!
しかも、悪魔の森のモンスター。
何故、ここに居るんだ?
森からここまではかなり離れている。
しかも、王城に行くには王都を通らないと行けない。
熊が通ったら誰もが気付くはず!
誰かが使役してるのか!?
そうでもしないと、王城にモンスターは送り込めない。
誰だ?
何故、王都や王城を狙う?
王族に怨みがあるやつか?
俺が王城に着くと、王城の入口でモンスターと戦う兵士達とギルマスがいる。
ビッグホーンディアー率いるモンスターの大群に苦戦している。
「脳筋ゴリラぁぁぁ!!」
「誰が脳筋ゴリラだ!!
はっ!ミコトか!
よく来「邪魔だ!どけぇぇぇぇぇぇ!!」
〘バーニングメテオ!!〙
無数の火球がモンスター達に降り注ぐ!
火球はモンスターにぶつかると爆発する!!
次々と倒されるモンスター!!
ギルマス達も巻き込まれそうになっている!!
「ぎゃぁぁぁぁ!!死ぬぅぅぅぅ!!!!
てめぇ!俺たちを巻き込むなァァァ!!!」
「うるせぇぇぇぇ!お前らが邪魔すんのが悪いんだろ!!」
「後から来た癖に酷い!!」
入口のモンスターは殲滅した!
全てのモンスターが素材に変わる!
「素材を全て回収しておけ!」
ギルマスが兵士に命令する!
「はあ?そんなことしてる場合じゃないだろ!!」
「こうしないと復活するんだよ!!」
「あ?どういうことだ!?」
「多分、このモンスター達はスキルによって操られている!」
やっぱり、スキルか!
だが、何故素材を集める必要がある?
「このモンスター達は多分アンデッドだ!!
モンスター達がいつもより強かったり、凶悪になっているから、不思議に思い、調べてみた。
この現象はアンデッドそのものだ!
アンデッドは素材から生む事が出来る!
だから、素材を集めるんだ!!」
アンデッドだと!?
だから、悪魔の森のモンスターが居るのか!!
これで納得出来た。
Riri、アンデッドを生むスキルなんてあるのか!?
《あります。
アンデッドプロデュースというスキルです。
レアスキルで、素材をアンデッドモンスターに変えることが出来ます。
このスキルの弱点は最後に自分が触った素材しか変えられないこと。
素材が他人に触られると変えることが出来なくなります。》
なるほど。
だから倒しても素材しか出ないのか。
それにしても誰が!?
早く倒してリラを探しに行かないと!!
俺たちは王城を進む。
次々とアンデッドモンスターが迫ってくるが、ミコトの敵では無かった。
「くっ、国王陛下は何処にいる・・・!?」
「死んだんじゃね?」
「縁起でも無いこというなぁぁ!!」
「何処かに閉じ込められている可能性もありますね。」
騎士団長がギルマスにいう。
今日も全身鎧で顔すらわからん!
「となると地下牢か!?」
「その可能性はあります。
さっきから血の跡や死骸すらありません!」
俺たちは地下に向かう。
モンスター達を蹴散らし、地下牢に辿り着いた。
地下牢には王族や使用人が捕らえられていた。
「国王陛下!ご無事ですか!?」
「ユリウスか!?
済まぬ、見事に王城を乗っ取られてしまった。」
牢屋の中の者達は皆が怪我をしてボロボロになっている。
「誰にやられたんですか!」
「サンダース公爵だよ。」
リチャードがユリウスに言う。
「サンダース公爵が急に訪れてきて、いきなり素材からモンスターを繰り出してきてね。
俺達は咄嗟のことで、何も出来なくてね。
この様だよ。
まあ、あんなモンスターじゃ戦闘準備しても同じことだったかもね。」
飄々と話すリチャード。
確かに普通の人間では太刀打ちできない。
生きていただけ丸儲けなのかもしれない。
「ミコトくん、残念だが、ここにリラさんは居ないよ。
先程、連れて行かれた。
多分、君が来たからだと思う。」
・・・え?
「サンダース公爵も君を恐れている。
だから、リラさんを人質にと考えたんだろうね。
学校の帰り道に攫われたみたいだ。
幾ら強いリラでも不意打ちには対応出来なかったんだね。」
「ここにリラがいたのか!?
何処に行った!?」
「た、多分、王の間だよ。
まさか、リラさんが、ここに居るの知らなかったのかい!?」
俺はアイテムボックスから紫紅を取り出し、檻を切り刻む。
檻はバラバラになり、皆が開放される。
「・・・脳筋ゴリラ、全員連れて、早く城から出ろ。」
「また脳筋ゴリラとか言いやがって!
俺も行くに決まってんだろ!!」
「いいから行けぇぇぇぇぇぇ!!
ぶっ殺されたいのかァァァァァ!!!!」
『!!!!!!』
ここにいる誰もがミコトに恐怖した。
いつものミコトとは違う・・・。
それは、キレるところはいつもみているユリウスでさえ感じた恐怖。
今歯向かったら、そこにあるのは死あるのみ。
「・・・わかった。ミコト、城を滅茶苦茶にするなよ・・・。」
「それは約束出来ない・・・」
そう言ってミコトは王の間に移動する。
王の間にはサンダース公爵がリラを捕らえている。
首元にはナイフ。
少しでも動かしたらリラの喉仏を切り裂いてしまう。
「やっぱり来たか。
おっと、動いたり、魔法を使ったらこの娘の喉を切り裂くぞ。」
「貴様がリラを・・・」
「貴様の存在は厄介だからな。
こうやって人質を取らせてもらったよ。」
「何故、王城を襲った?」
「勿論、ワシが王になるためだ。
「それ以外に何がある?」
「何故、王になりたいんだ?」
「今の王は何かと平民、平民と。貴族を蔑ろにし、貴族の存在価値を何も解っていない。
貴族が居たから、今の王都があるのだよ。
貴族の先祖が国を守ったことにより、今がある!!
貴族が偉く、尊いのは当たり前だろ?
今の王は駄目だ。
何も解っていない。
そんな王は要らない。
ワシが王になり、貴族第一主義を王都に知らしめるのだよ!!!」
大声で高笑いをするサンダース公爵。
「・・・お前、バカなの?」
「何!?」
「お前はバカだって言ってんだよ。
頭だけで無く、耳まで悪いのか。
生きる価値もないな。
過去の貴族は確かに素晴らしい。
自分の命を顧みず、国を守った。
確かに偉く、尊い。
だが、お前達は何だ?
過去の英雄と同じことしてんのか?
何時までも過去の栄光振りかざしてんじゃねえよ。
お前の功績でもあるまいし。
調子にのんな!!クソ貴族が!!」
「貴様ァァァァ!!!
調子に乗りやがってぇぇぇ!!
今の状況が分からないみたいだな!
調子にのった罰だ!!」
サンダース公爵はリラの喉を切り裂いた・・・!!
更新遅くなりました。
今日はもう2本いきたいです。
どうぞ、宜しくお願いします。




