第2章 ♯17 これから先のこと
「本気で聞いてるよ?」
リラの目が何時にもなく真剣だ。
「ミコトのことだから、疚しい関係とかじゃ無いのはわかるよ。
でも、私は貴方の妻になの。
ミコトには隠し事してほしくないよ?」
「・・・そうだよな。リラに隠すのは駄目だよな。」
リラは俺にとって本当に天使なんだと思う。
可愛いってのもあるけど、それ以上に心の支えになってくれている。
俺が理性を失った時、止められるのはこの子だけだろう。
そんなリラには全部知ってもらうべきだよな。
俺たちは挙式の会場に向かい、席に隣同士に座る。
「わかった。話すよ、全部。
今から言うことは全部本当のことだから、信じてほしい。」
「・・・わかった。」
「先ず、俺はこの世界の人間では無い。」
「この世界の人間ではない?人族ではないと言うこと?」
「いや、ちゃんと人族だよ。
俺は違う世界で死んで、この世界に転移してきたんだ。」
「転移・・・?」
「そう。死んで、神様から魂と身体をこの世界に送って貰ったんだよ。スキルと一緒にね。」
「そんなこと、本当にできるの!?」
「ああ、この世界を創った創造神様なら簡単だよ。」
「そんな話聞いたこと無かった。とても不思議な話だね・・・。」
「いきなり信じろって言われても難しいと思うよ?俺が居た世界ではそんな話溢れていたけどね、勿論、誰かが作った物語だけどね。」
「ミコトは何で死んでしまったの?」
「俺を殺したのは罪と罰の女神とかいう駄女神だ。裁く相手を間違えたみたいだ。」
「えぇぇぇぇぇ!!間違いで死んじゃったの!?」
「あぁ。だから俺はアイツを絶対に許さない!
会う度にアイアンクロー炸裂させてやる。」
「一応、女神だからやめようね?」
「大丈夫!もう、したから!!」
「えぇぇぇぇぇ!女神様にアイアンクロー!?
ミコトは大物だね!?」
「そんなことないよ(笑)
話が逸れたね、俺は創造神様にスキルを貰い、悪魔の森に転移してきたんだ。」
「えぇぇぇぇぇ!いきなりあの悪魔の森に!?」
「あぁ。そっから3ヶ月間暮らしてた。」
「えぇぇぇぇぇ!!いきなりで3ヶ月も!?前にも確かに聞いたけど、いきなりだったのね。」
「うん、何だかんだで生き残れた。
まあ、俺の場合はスキルのお陰かな。」
「女神様にスキル沢山貰ったから?」
「いや、俺が貰ったのは一つだけだよ?」
「え、でもミコト、沢山スキルあるじゃない?」
「俺はスキル創れるからね。」
「えぇぇぇぇぇ!創れるの!?どうして??」
「俺のスキルはユニークスキルだからね。何でも出来るんだ。」
「ゆ、ユニークスキル・・・!?世界で1人か2人しか持って無いと言われる・・・??」
「あ、そうなんだ、意外とレアなんだね。」
リラは驚きを隠せない様子だった。
「そのユニークスキルがこれだ。」
俺はリラにスマホを見せる。
「??その板はなあに?」
「板じゃないよ。スマホって言うんだ。
この世界には無いものだね。」
「すまほ?これで何するの?お願い事でも書くのかな?」
リラの不思議顔、可愛すぎるんですけど!
「違うよ、俺が居た世界では、誰もが持っている物なんだ。
これで遠くの人と話したり、手紙みたいなのが一瞬で送れたり、解らない事も調べることも出来る。
写真や動画も取れるんだ。」
「えぇぇぇぇぇ、そんな凄いものを誰もが持ってるの!?」
「うん。この世界と違って、前の世界は文化が進んでたからね。」
「凄い世界だったんだね!」
「凄いかは分かんないや。
俺にとっては当たり前だったからね。
俺からしたら此方の世界のほうが凄いよ。
モンスターが居たり、魔法が使えたり。
前の世界にはモンスターも魔法もなかったからね。」
「へぇぇぇ!じゃあ、とても平和だったんだね!」
「・・・そんな事ないよ。
毎日のように人は死ぬし、国同士の戦いもある。
貴族みたいな奴らがそこら中に居るからな。
平和だなんて程遠いよ。」
ある意味、此方の世界のほうが平和かもしれない・・・
「そうなんだ、平和って難しいね。」
「そうだね。話を戻すよ?
悪魔の森に着いた俺はスマホを使って何とか生き抜いた。
途中、大切な仲間も出来たんだ。」
俺は腕に付いているきららがしていた首輪を触る。
「ミコトがいつもしているその腕輪が関係してるのかな?」
「うん。これはきららっていうデスウルフが小さい時に着けてた首輪なんだ。」
「えぇぇぇぇぇ、デスウルフが仲間だったの!?」
「うん、俺も最初は子犬だと思ったんだけど、狼だったよ(笑)ほら、写真見る?」
俺はスマホで撮ったきららの画像を見せる。
「これが写真!?なんか凄い!あ、これがきららちゃん?可愛いね!!」
実際は凄い生意気だけどな!
「そんなきららも大きくなって母親が見つかり、居なくなったんだ。」
「・・・寂しかったね。」
「まぁね。でも、きっと何処かで会えると思う。
そう信じてる。」
「うん、きっと会えるよ。」
「きららも居なくなってどうしようかと思った時に、初めてRiriが喋ったんだ。
リラが気になっているりりだ。」
「??喋った??りりって人が?」
「Ririは人じゃないよ。
このスマホだよ。
Riri、リラに聞こえるように話すことは出来るか?」
《可能です。マスター。》
「ぎゃぁぁぁぁ!すまほが喋ったぁ!!」
《始めまして、リラ。
私があのRiriよ。
貴女がずっと疑ってたね。》
「ごめんなさい!!
私、ずっとりりって女の人がミコトの傍に居るのかと思ってました!!」
《ふふ、いいのよ、ずっと傍にいるって言うのは当たってますからね。
いつもマスターの支えになってくれて助かるわ。》
「いえ、私なんて!!支えて貰っているのは私です!!」
《そんな事は無いわ。
マスターはモンスターの肉を食べ過ぎて、モンスターみたいに理性を失うことがあるわ。
止められるのは貴女だけよ。》
「モンスターのお肉を食べ過ぎるとそんなことになってしまうんですか!!?」
《そうよ、強さと引き換えにね。
マスターは森で3ヶ月間毎日、食べてたからこんなになってしまったのよ。
単細胞なおバカさんに。》
おい、こら。誰が単細胞だ!
「なるほど!」
リラたん?納得した??
「Ririさん、これから宜しくお願いします!!」
《ええ、宜しくね、まあ、貴女がずっと傍に居られればだけど。》
「Riri!何言ってんだ?
ずっと一緒に決まってんだろ?」
《マスター、お忘れですか?
貴方には使命があるでしょう?
貴方は何れ、この王都から離れるのでしょう?》
「え、どういう事・・・ですか・・・?」
「・・・俺には使命があるんだ。」
「使命・・・?」
「ああ。この世界に革命を起こさなければいけない。」
「革・・・命・・・?」
「この世界に来る前に創造神様と約束したんだ。
創造神様が創ったこの世界を変えると。」
リラは驚愕して、声も出ない。
「ミコト、此処から居なくなっちゃうの・・・!?」
「・・・うん。」
「そんなのやだよぅ!ずっと此処に居てよ!」
俺の胸で泣き出すリラ。
《貴女も来ればいいでしょう?》
「・・・え?」
《貴女はマスターの妻。着いてくるのは当然です。》
「でも、私は、この王都から離れたこと無いし、家族も・・・。」
《貴女のマスターに対する想いはそんなものですか。呆れました。
マスターの妻になった以上、全てを捨ててでも着いていくのは当然ではないの?》
「Riri、言い過ぎだ!リラだっていきなり言われても戸惑うだけだろ!」
《マスター、貴方もです。
使命があるにも関わらず、易々と結婚して。》
「俺は易々となんて・・・」
《マスターはちゃんと考えましたか?
この王都を出るときの事やリラの事を。
何も考えてないでしょう。
何も知らないリラはともかく、マスターは分かっていましたよね?》
「ぐっ!!」
《私達がこれから先、向かうのは人族の世界のような生温い場所ではありません。
獣人族、魔族、龍族。
此処よりも危険が伴います。
マスターは無傷でリラを守りきれますか?
正直、こんな覚悟も無い人を連れて行っても、タダの足手まといです。》
何も言い返せない・・・。
正論だ・・・。
俺はリラを守りきれるのか?
リラに全てを捨てさせても連れて行くべきなのか?
何も考えてなかった・・・。
「ごめん、私帰る。」
「え、じゃ、じゃあ送るよ。」
「いいよ。大丈夫。ありがとね。」
リラは寂しそうに笑って、去ってゆく。
俺はどうすればいいんだろう・・・。
沢山の方々にお読み頂けて、感無量であります!
これからも頑張っていきますので応援宜しくお願いします!




