第2章 ♯15 オイシイところは
「テイルズ侯爵の失脚を手伝えと?」
「はい。教会の収入をゼロにすれば、何れ不正にでもすると思ったんですけどねぇ。やっぱ侯爵だけあって、中々しぶといんですよ。」
「それで私に手伝えと。なるほどな。で、私は何をすればいい?」
「国王って権限で爵位取り上げられますよね?」
「その貴族が酷く愚かな行いをしていたらな。」
「よし、じゃあ国王は俺にボコボコにされてください。」
「「「「「は?」」」」」
「だから、俺にボコボコにされるんですよ!」
「「「「「えぇぇぇぇぇ!!」」」」」
「何馬鹿いってんだ!?そんなの許すわけねぇぇだろぉぉぉ!!」
馬鹿に馬鹿と言われたくない。
「貴方、正気ですか!?国王陛下に手を出すとは!?」
カリナさんもあのヘタレと結婚するとか正気ですか?
「お父様をボコボコにするなんて、もうこれは私と今すぐ結婚するしかないわ!」
何故そうなる?
「ミコト、国王様をボコボコにするなんてヤバいよ!?」
リラ超可愛い♡
「・・・お主のことだから、何か策があるのだろ?」
「勿論。」
「・・・では、その策に乗ろうじゃないか。」
「国王陛下!しかし、それだと貴方様が!」
「よいのだ。今迄私は国王でありながら、蔑ろにしてきたみたいだ。勿論、私なりに民の為にしてきたつもりだったが、甘かった。私は何も見えてはいなかったみたいだな。私が傷付いて国民が一人でも助かるなら、喜んで傷つこう。」
「国王陛下・・・!そんなにも俺達のことを・・・!」
「そうですね、王都がこんなにクソになったのも貴方の責任です。反省してぐちゃぐちゃにされてください。」
「ぎゃぁぁぁぁ!国王陛下になんて事を!
しかもボコボコじゃ無くてぐちゃぐちゃにレベルアップしてるぅぅぅ!!!」
「だってそうでしょう?国王は俺たちに直接何をしてくれましたか?
リラの両親が呪われたとき、呪いを解いてくれましたか?
スラム街に住む人達の怪我を治し、仕事を与えましたか?
潰れそうな宿屋の復興を手伝ってくれましたか?
モンスターに襲われた村を助けてくれましたか?
何もしてくれませんでしたよね?俺は全部やりましたよ?
俺の方が国王に相応しいんじゃないんですか?
絶対やらないけど。」
「それはお前が強力なスキルを持ってるから出来たことだろう!
普通はそんなことできねぇーよ!」
「出来る、出来ないじゃ無いんですよ。
やるか、やらないか、です。
国王は思ってるけどやらないのほうです。
それなのに、自分は国民を想ってます!だ?
庶民からやり直したほうが良いんじゃないんですか?」
「ミコト、てめえ!!いくら何でも調子に乗りすぎだ!!
いい加減にしろ!!国王陛下に謝れぇぇぇぇ!!」
「は?何でですか?寧ろ謝るのは国王じゃないんですか?
王都をこんなになるまでほっといたんですから。違いますか?」
「そうだな。おぬしの言う通り、私は見て見ぬふりをしてたのかもしれぬ。」
「国王陛下・・・・。」
「ミコトよ、私に手伝わせてくれ。
私に、初めての【国民の為の施し】を直接させてくれ。頼む。」
頭を下げる国王。
「解りました。でも、今すぐは出来ません。これは最終手段になります。最後にテイルズ侯爵と話してきます。
手は出さないので安心してください。作戦実行の時はご連絡します。」
「わかった。では、私達はこれで失礼する。
ユリウス、頼むがこいつら起こすの手伝ってくれ。」
「は!おい!お前ら起きろ!!
国王陛下の前で何寝てやがんだ!!」
ギルマスの叫びにより、兵士達が飛び起きて、国王達と帰って行った。
やっとケーキを作れる。
長かった・・・。
やっとこれで話が進む。
次の日、俺は教会に向かった。
誰も客の居ない教会の受付でテイルズ侯爵を呼び出す。
「貴様、一人で来るとは。わざわざ捕まりに来たのか!?」
「そんな馬鹿いねーよ。今日はお前に話があって来たんだよ。」
「あぁ?話とはなんだ!?」
「お前、何で回復させるのに膨大な金を取るんだ?昔はタダ同然だったはずだ。」
「はん、こっちは怪我を治してやってるんだ!金を払うのは当然じゃないか!!」
「それにしても取りすぎじゃねえか?どうせ、自分の金にしてるんだろ?」
「それの何が悪い!古くなった教会を私が直したのだ!
この教会は私のものだ!自分の教会の金を自分で使うのに何が悪いのだ!
私は貴族だ!誰にも文句は言わせん!」
「もう料金を戻すことはないと?このままだと、一生誰もこなくなるぞ?」
「だから、貴様が邪魔なのだ!早く王都から出ていけ!これは命令だ!!」
「知るかよ。じゃあお前は人々が大怪我して、死にそうな人も金が払えなければ、死ねと言うことなんだな?」
「そうだ!金が払えない庶民なんて、死ねばよいのだ!!」
「わかった。お前が心を入れ替えれば、立退いてやろうと思ったのだかな。」
「五月蝿い!何といわれようと料金は変えない!
早く貴様があの建物を置いて死ねばいいんだ!
私があの建物も有効利用してやる!私の金を増やすためにな!!」
「はい!侯爵、OUT〜!!」
ジャジャ~ンと言わんばかりのOUTだ!
「な、なんだ!まさか、法務局に訴えるのか!?
無駄だぞ!私は法を犯していない!残念だったな!」
「そんなことしないよ。では、さようなら。」
「は?貴様、逃がすか!待て!誰かそいつを捕まえろ!」
俺は無視して帰った。
そのまま、ギルドに向かう。
なんか久しぶりに来るな。
そういえば、リラのランキングは大丈夫かな?
「こんにちわー!」
「あ、ミコト!此処に来るのは久しぶりね!」
「ギルドで働くリラも可愛いな♡」
「ミコト、こんなとこで・・・!もう♡」
「そういえば、ランキングはどうなった?」
「うん!ミコトのお陰で1位になったよ!ありがとね♡」
「リラの為ならカイザーキングベアを何頭でも狩ってくるよ。と言うことは、もうポイントはリセットされたの?」
「うん。3日前にね!」
「そっか、じゃあまた依頼を受けようかな!あのSSランクのやつ!」
「カイザーキングベアの依頼だね。」
「うん!ハイこれ、カイザーキングベアの毛皮ね!」
「ぎゃぁぁぁぁ!カイザーキングベアの毛皮だァァァァ!!!」
「SSランクの依頼だぞ!」
「きぃぃぃぃ!またリラに1位取られちゃう!! 」
俺のギルドでの使命も終わり、ギルマスの元に向かう。
「こんちわー、侯爵はOUTなので、国王呼んでください!
早く来いって。」
「お前なあ、簡単に呼べって言うけど、相手は国王陛下だぞ!普通はこっちが行く立場だぞ?」
「そんなの知りませんよ!じゃあ、来たら俺の教会来てください!じゃあ!」
そう言って俺はギルドを出た。
午後は挙式なので、急いで帰らなくては!!
あー忙しい。
2日後、国王が来た。ギルマスも一緒だ。
「遅くなってすまない。」
「いえ、いいですよ。俺にやられる覚悟はできましたか?」
「うむ、少し怖いが国民の為だ。覚悟は出来ている。」
「お前、やりすぎんじゃねーぞ!?」
「大丈夫です!半殺しで済みますので!」
「半殺しぃぃぃぃぃ!?!?!?却下だぁぁぁぁ!」
「煩いなあ。半殺しにしますよ?」
「ちょっと!この人怖いんですけどぉぉぉぉ!!」
そして、作戦が決行される!!
お昼前、教会の扉が叩かれる。
「誰か頼む・・・怪我をした・・・回復・・・回復を頼む・・・」
教会側も久しぶりの客かと意気込む。
扉が開かれると、そこには服はボロボロで身体中に斬り傷があり、腕は骨折。全身打撲、歩くのもやっとの国王がいた。
「ぎゃぁぁぁぁ!国王陛下ぁぁぁぁ!!その姿は一体どうしたんですかぁぁぁ!?!?!?」
「王都に来る途中・・・賊にやられた・・・他の者はやられ・・・私は辛うじて・・・逃げてきた・・・頼む・・・回復を・・・」
「はい!解りました!!おい、国王陛下をベットにお運びしろ!」
「テイルズ侯爵をお呼びしろ!」
国王は貴族専用の治療室に運ばれた。
テイルズ侯爵もとんで来る。
「こ、国王陛下!!こんな痛ましい姿に・・・!!必ずや、私共の教会でお治し致します!!」
教会で回復魔法が唱えられる者たちが全員集まりヒールを唱え始めた。
回復魔法のお陰で国王の傷は治った。
「苦労をかけたな。テイルズ侯爵。」
「いえいえ、国王陛下がご無事で何よりで御座います!」
「ところでテイルズ侯爵、私の治療に何回ヒールを唱えた?」
「はい!十人の者たちが3回唱えたので、30回になります!」
「では、300万ダリルだな。即、王国から使いの者に届けさせるからな。」
「いやいやいや、国王陛下、ご冗談を!教会では、国民が皆、平等に傷を癒せるよう無償で回復魔法を提供してるんですよ!料金を頂くなんて滅相も無い!」
「はて、私が聞いたのはヒール一回につき、10万ダリルと聞いたのだが?命が助かるなら安いものだろうと言われたと聞いたぞ?」
「そ、そんな偽り、何方様にお聞きになられたのですか!?私共がそんな悪意に満ちた行為など、神に誓って有り得ません!」
(何故、国王がその事を知ってるんだ!?誰がバラした!?見つけ次第殺してやる!!)
「本当か?テイルズ。もしそれが嘘であったならおぬしはどうするつもりだ?」
「本当の事で御座います!回復魔法で料金を取るなんて行為、神に誓って有り得ません!!もし、それが偽りであったら、私は爵位を返上する覚悟で御座います!!」
「映像公開」
国王とテイルズ侯爵の前に大画面が現れた。
「な、何だ!こ、これは!」
そして、映像が流れる・・・
「お前、何で回復させるのに膨大な金を取るんだ?昔はタダ同然だったはずだ。」
「はん、こっちは怪我を治してやってるんだ!金を払うのは当然じゃないか!!」
「それにしても取りすぎじゃねえか?どうせ、自分の金にしてるんだろ?」
「それの何が悪い!古くなった教会を私が直したのだ!
この教会は私のものだ!自分の教会の金を自分で使うのに何が悪いのだ!私は貴族だ!誰にも文句は言わせん!」
「じゃあお前は金が大怪我して、死にそうな人も金が払えなければ、死ねと言うことなんだな?」
「そうだ!金が払えない庶民なんて、死ねばよいのだ!!」
「わかった。お前が心を入れ替えれば、立退いてやろうと思ったのだかな。」
「五月蝿い!何といわれようと料金は変えない!
早く貴様があの建物を置いて死ねばいいんだ!
私があの建物も有効利用してやる!私の金を増やすためにな!!」
「ぎゃぁぁぁぁ!!!なんだこれは!!何で朝の一件が!」
「テイルズ、これはどういう事だ?」
「いえ、こ、これは、きっと何かの間違いで御座います!」
「ほう、では何故おぬしが写っていたのだ?」
「いや、わ、わかりません!きっと、誰が幻術でも使ったのではないでしょうか!!」
「往生際が悪いぞ!!!テイルズ!!!!」
「ひぃぃぃぃ!!!」
「お前が教会を利用していること等、皆が申しておる!おぬし、この私を騙したな!!」
「ひぃぃぃぃ!!!お許しください!!国王陛下ぁぁぁ!!!出来心で御座いますぅぅぅ!!!」
「お前は出来心で民を苦しめるのかァァァ!!!貴族の風上にも置けぬ輩めぇぇぇ!!」
「申し訳御座いませんんんん!!!もう二度とこのような真似は致しませぬ!!どうかご慈悲をぉぉぉ!!!」
「おぬし!先程言ったな!!私に嘘を申したら爵位を返上すると!即刻、爵位を返上し、貴様は平民に戻れ!!」
「ひぃぃぃぃ!!!国王陛下ぁぁぁぁ!!!それだけはご勘弁をぉぉぉぉぉ!!」
「五月蝿い!!これは王命だ!!貴様はもう貴族ではない!!直ぐ様、侯爵の屋敷から出ていけぇぇぇぇ!!!!」
「ひぃぃぃぃ!!!!」
こうして、テイルズ侯爵は失脚した。
沢山の方々にお読み頂き、物凄く有り難いです!!
これからも、悩みながら頑張っていきます!
どうぞ、宜しくお願いします。




