第2章 ♯8 しあわせ宿屋計画!
「ミコト、夕食出来たよ!降りてきな!」
「分かりました!今行きます!」
先程、マリアさんの知り合いを治してから宿に戻り、夕食までゆっくりさせてもらった。
「今日は世話になったからね、特別に先日買った調味料を使った料理だよ!」
「あ、マリアさんも調味料買ってくれたんですか?」
「ん?買ってくれた?」
「先日のバザーで売ってたの、俺なんですよ!」
「そうなのかい!?この調味料は凄いよ!!私の料理も10倍は美味しくなったね!もっと買っとけば良かったよ。ケチるのは良くないってことだね。」
「また次のバザーで売り出しますよ?もう俺はやりませんが。」
「この調味料はどうやって作ったんだい?教えておくれよ!」
「それは企業秘密です。」
「きぎょー?何だか判らないがケチだねえ。」
「ごめんなさい、約束なので!」
あの村の為に此処では言えない。
俺がアスラに散々脅したのに俺が言うのは間違ってるからね。
「まあ、いいさ。冷めないうちに食べちまいな!」
「いただきます!」
マリアさんの料理はきっとこの世界では美味しいのだろう。だが、舌の超えた俺には物足りない味だった。
疎らにいるお客さんたちには美味しいと好評なので、そうなのであろうな。
「最近はお客さんも減っちまったから、ミコトみたいに連泊してくれる人は有り難いよ!」
「お客さん減っちゃったんですか!?」
「あぁ、高級な宿がどんどん出来てねぇ。皆そっちに流れちまったよ。」
「此処は建て直したりはしないんですか?」
「此処は死んだ旦那の忘れ形見みたいなもんでね、このままにしたいんだよ。息子夫婦が跡を継いでくれるって言うんだが、このままじゃ私の代で終わりかねぇ。」
「えぇ!勿体無い!こんな感じのいい宿なのに!」
「ありがとね、でも、しょうがないんだよ。こんな宿継がせて息子に苦労して欲しくないからねぇ。」
寂しそうに話すマリアさんに俺はどうにかしたいと思った。
だけど、ただお金を渡しても根本的な解決にもならないし、マリアさんも受け取らないだろう。
多分、俺ができる事はない。
一つしか。
「マリアさん、俺がお客さん増やすお手伝いしましょうか?俺なら確実に出来ます。」
「え、本当かい?客引きでもしてくれるのかい?」
「違いますよ、お客さんが王都に来たら必ず着たくなるように料理を教えますよ。」
「!?・・・アンタに料理が作れるのかい!?私は料理に五月蝿いよ!一応こう見えても、料理スキル(大)を持ってるんだよ!」
「俺は料理スキル〈極〉ですよ?」
「えぇぇぇぇぇ!!〈極〉といったら超一流の料理人が一人持っているかっていうかなりレアなんだよ!?嘘をつくんじゃないよ!?」
「じゃあ、食べてみますか?」
俺は調理場を借りて、親子丼を作る。肉はモンスターじゃなく、サーラの肉屋でも売ってる鶏肉を使用。モンスターの肉使ったら卑怯だからね。敢えて同じ素材で作る。但し、調味料は色々使わせて貰う。
「どうぞ、親子丼というものです。」
「なんだい!?この料理は?初めて見るよ、どれ早速・・・うっ!!!」
マリアさんが一口食べて動きが止まる。
「うまぁぁぁぁぁぁい!!!!」
俺の勝ちだな。
「なんて美味いんだい!?こんなもの初めて食べるよ!これは完全に私の負けだわ!」
周りのお客さんもこっちを見て涎を垂らす。
「今居る皆さんの分も作りました!是非、食べてみてください!!」
「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」
余り人居ないのに大歓声だ!
「うめぇぇぇぇ!!!」
「こんな料理食えるなら毎日来るぜ!!」
「おかわりを!是非おかわりを〜!!代金3倍払うのでぇぇぇ!!」
料理も大盛況だ!
「マリアさん、どうですか?お客さんを掴むには、まずはお客さんの胃袋を掴む。スキルもちのマリアさんなら必ず出来ます。諦める前にやってみませんか?」
「ミコト、有難う。教えてもらえるかい?」
「喜んで。」
「こんな小さい宿の為に悪いねえ。」
「マリアさんにはリラがお世話になりましたので。」
「アンタ、いい旦那になるわ。」
「いやいや、そんな煽てても何も出ませんよ?マリアさん、もう一杯食べる?」
この夜、マリアさんの宿は料理代だけで売上が倍になる。
次の朝、俺はマリアさんと作戦会議を開く。
俺の提案は
・マリアさんと息子夫婦に料理を覚えて貰う。
・宿の他に定食屋としても店を構える
・この店ならではの料理を作る
「息子夫婦は今すぐ呼んどくよ!定食屋かぁ。考えたことなかったね。でも、この狭さじゃあ、余り客も呼べないんじゃないかい?」
「それは増築しましょう。増築ならすぐ出来るでしょう。後ろの畑はもう使ってないんですよね?」
「ああ、もう1人じゃ無理だからねえ。」
「そこに増築しましょう!」
「だけど、そんなお金うちにはないよ?」
「大丈夫!俺が創ります!」
「へ??」
俺たちは店の裏に行く。
Riri、クリエイトアプリだ。此処に定食スペースを作る。
《了解。手を前に出して強くイメージしてください。》
「マリアさん、少し離れてください!!
クリエイト!!」
俺が唱えると前の畑があったところには家ができた!
「えぇぇぇぇぇ!!!何だい!?そのスキルは!?アンタ料理だけじゃなかったのかい!?」
「あ、俺スキルいっぱいあるので!さあ、中に入りましょう。」
中に入ると広い部屋に机と椅子が配置され、宿と繋がるようになっている!
「よし、イメージ通りだ!」
「アンタ、すごいじゃないか!!リラちゃんが好きになるのも分かるよ!」
もっと褒めても良いんですよ。
「では、息子さんたちを読んでください!俺は新しい食材を調達してきます。」
「わかったよ!息子たちも驚くだろうね!」
マリアさんが一度宿を閉め、息子夫婦を呼びに行く。
俺はある食材を取りに南の森に行く。
途中、王都の門でダイモンに会った。
「おう!ミコト!この前はありがとな!皆泣いて喜んでたよ!娘もあの羽を一生の宝物にするって喜んでな!父親の株もかなり上がったってもんだ!助かったぜ!」
「ご家族に喜んで貰えてよかったです!」
「これから何処に行くんだ?」
「これから南の森に食材を取りに行くんですよ!」
「南の森?あそこにはモンスターと変な白い実しかねえぞ?」
「それでいいんですよ。ではまた!」
「変なやつだな。気を付けて行ってこいよ!」
変とはなんだ!面白い顔しやがって。
王都に出て、ちょっと歩き、人気がなくなったところでロードバイクに乗る。
歩いて3時間かかる森に一時間程で着く。
この森の俺の目的はダイモンが言っていた、白い実。
これがあるものになる。
森に入ると早速白い実がなっている。
早速俺は乱取り大会を始める。
乱取りに夢中になっているとモンスターが現れる。
弱小モンスターで有名なスライムだ!
この世界で初めて見た!
ドラ○エみたいな可愛いやつではなく、F○の方に近い感じだった。
どのくらい強いのだろう?
早速戦おうとすると速攻で逃げられた。
あれはメ○ルスライムだったのか!?
《いえ、あれはただのスライムです。マスターが強すぎて逃げ出したのでしょう。》
えぇぇぇぇぇ、折角戦いたかったのに!
《ここの森のモンスターは弱いので、全てのモンスターは逃げるでしょう。》
つまらん!
悪魔の森が懐かしいな。
今度行ってみるか!
白い実を手に入れ、王都に戻る。
王都に戻るとまた、ダイモンに止められる。
おじさんと話してる暇ないんだけどなぁ。
「お、何だ、忘れ物か?」
「いえ、もう南の森から帰ってきたんですよ?」
「あぁ?南の森まで3時間かかるんだぞ?」
「あ、俺は一時間で行けるんで!じゃあ!!」
俺は逃げるように王都に入る。
あいつは話なげーからな。
「・・・あいつやっぱり何者だ?」
俺は宿屋の前にロックス精肉店に向かう。
「こんにちわー!」
「あぁ、これはこれはミコト様ぁぁぁ!ようこそお越しくださいましたぁぁぁ!」
土下座でお迎えされる俺。
他のお客さんが見てるからやめてほしい。
「サーラいますか?」
「はい!今すぐ呼んで参ります!!」
一瞬で中に入るロックスさん。
10秒後、サーラがくる。
はやっ!
「ミコトさん、どうしたんですか?昨日のお礼ですかぁ??」
くっ、相変わらず肉だな!
しかし、サーラは俺とリラの愛の肉キューピット。
施されたら施し返す。恩返しだ!
「うん、それもあるけどお願いがあって来たんだ!」
「お願いってなあに?リラさんとチューしたいから手伝って欲しいとか?」
「おなしゃーーーす!!!・・・はっ!違うよ!実は挽き肉を作ってほしいんだ!」
「何だ、てっきりリラさんとチューしたいのかと思った!挽き肉って何の肉?モンスター?」
リラとはしたいに決まってんだろぉぉ!
それは別件で今度依頼しよう。
「モンスターじゃないよ。牛肉を細かくぐちゃぐちゃにしたものが欲しいだ!」
「え、ぐちゃぐちゃにしちゃうの!?お肉に何の怨みがあるの!?」
ねぇよ。
「ミンチって言うんだけど、そうすると色々使いみちが増えるんだ!」
「へぇー、お父さんに頼んでみるよ!」
ロックスさんにも頼んだら、肉に何の怨みがあるんですか!?と驚かれた。
この家族は何故こんなに肉を崇拝するんだ?
肉屋だからか?
ロックスさんは最初躊躇していたが何とかミンチにしてもらった!
「これで何を作るの?」
「この挽き肉が有れば色々料理が作れるんだ!ハンバーグ、そぼろご飯、チャーハン、餃子!挽き肉は使いやすいお肉なんだよ!」
「どれも聞いたことないけど美味しそう!!」
「材料が揃ったら作ってあげるよ!」
「わぁ!有難う!やっぱりミコトさんと結婚を」
「貴女はまた俺とリラの修羅場がみたいんですか?肉あげないよ?」
「冗談です。もう言いません。ごめんなさい。」
やっぱり肉目当てか!
「あ、そうだ、肉置いてくよ!この前のお礼!倉庫ある?」
「わぁ!お肉!倉庫はこちらですー!」
倉庫に連れてきて貰うと暗くて涼しいが保存には適していない温度。12〜3度くらいかな?
冷蔵庫には少し温度が高いかな?
「この部屋じゃ余り肉は持たないでしょ?」
「そうなの!在庫管理しっかりしないとすぐに傷んじゃうの!」
じゃあ、こうしよう!
威力を抑えて、アイスルーム!!
そう俺が唱えると部屋が氷で包まれる!
氷魔法:アイスルーム
今居る部屋をあたり一面、氷で包む。調整可能。
「これでこの部屋は保存をするのに適した部屋になったよ!一ヶ月は溶けないから、安心して!溶ける前にまた重ね掛けするから!」
「凄い!これなら肉が痛むのを遅らせることができる!お父さーん!!」
「うぉ!?何だ!?倉庫が寒くなってる!?」
「これでお肉が長持ちするって!」
「凄い!これは肉屋の革命だ!いや、肉だけじゃない!魚も野菜も保存出来る!!有難うございます!!」
と土下座をしようとするロックスさんを俺は止める。
「此処は氷の部屋ですよ!土下座したらくっついちゃいますよ!?」
危なかったと慌てるロックスさん。
氷になった倉庫に俺が昨日の約束の肉を置く。熊肉1頭分。
それを見た、ロックスさんとサーラが一瞬で土下座をして、大変なことになっていた。
二人を何とか助け、俺は宿に戻る。
もうすでに息子夫婦がきていた。
やっと更新できました。
もう1話更新したいと考えております。




