第2章 ♯3 全ては貴女の為に
ギルドの嬢王に連行された。
リラも一緒だ。
嬢王は此方を見ることなく、スタスタと歩く。
ある部屋に到着する。
〈コンコン〉
「カリナです。ご報告が有ります。よろしいでしょうか。」
「入れ!」
渋い声が中から聞こえる。
〈ガチャ〉
「失礼します。」
「おう、カリナどうした?」
中に居たのは屈強な体をしたナイスミドルのおっさん。
嬢王、カリナって名前なのね。
日本人みたいで親近感湧きます。
「ギルドマスター、ちょっと紹介したいものがいます。」
あ、このおっさん、ギルドマスターなんだ。
道理で偉そうだ。
「ん?誰だ?その優男は?」
優男・・・
誰が軟弱だ!
おっさんに比べればヒョロヒョロだけどな!
畜生め!
「この者は本日ギルドに登録したものですが、あの女神の癒やし草と万能草を大量に持ち込んで来ました。」
「は?」
目が点になるおっさん。
「これが証拠です。」
リラが薬草を机の上に置く。
「えぇぇぇぇぇ!!マジだ、しかも大量に!ボウズ、これ何処で手に入れたんだ!?」
ボウズ・・・
確かに見た目は18だけど・・・
見た目は青年!
中身はおっさん!
その名は迷探偵ミコト!
ごめんなさい。
「え、言わなきゃ駄目ですか?」
「まさか盗んだんじゃないだろうな!?」
「ミコトさんはそんな人じゃないと思います!」
リラが俺を庇う。
なんて、天使!
「疑うなら言いません。しかも、人にモノを頼む態度じゃないですし。」
「貴方!ギルドマスターに向かってその態度はなんですか!?」
「まぁまぁ、落ち着け、カリナ。」
おっさんが嬢王を宥める。
「済まなかったな。先ずは自己紹介しよう。俺はユリウス・ダウナーだ。こう見えても一応貴族だが、気にしなくていいぞ。疑って済まない。幻の薬草を見て興奮してしまった。ボウズは何者なんだ?」
「俺はキサラギ ミコトです。ただの冒険者です。」
「ミコトか。変わった名前だな。まあ、いい。処でこれは何処で手に入れたんだ?頼む、教えてくれ。」
頭を下げるおっさん。
「ギルドマスター・・・」
頭を下げるおっさんに困惑する嬢王。
「教えません。」
「え?」
「だから、教えません。」
「あれぇぇぇぇ!?今の流れだと教えるあげる雰囲気じゃなかった?俺、頭下げたよ!?謝ったよ!?」
「何で教えなきゃ行けないんですか?乱取りする気ですか?え、生態系破壊マスターなんですか?」
「くっ、こっちが下手に出てればいい気になりやがって!コノヤロウ!勝負しろ!俺が勝ったら場所を教えろ!」
「ギルドマスター、落ち着いて!素が出てます!」
「うるせぇ!コイツはお仕置きが必要だ!!」
「勝負?嫌ですよ。俺にメリットないですもん。」
「お前が勝ったらギルドマスター交代してやるよ!」
「え、要らないです。面倒臭い。どうせ、俺が勝つし。」
「ああ!?上等だ!今すぐボコボコにしてやる!」
怒ったおっさんは横にある大剣を手に取り、襲ってくる!
「影縫い」
咄嗟におっさんを拘束する。
「ぐ、動かねえ!これは闇魔法か!?」
「ギルドマスター!貴方、もうやめなさい!」
「えー、だって止めたら襲ってくるでしょ?」
「ミコトさん、止めてください!!」
「喜んで。」
俺は拘束を解く。
「はぁ、はぁ・・・クソガキが!卑怯な真似しやがって!正々堂々と勝負しろ!」
「いいですけど、死にますよ?」
「何だとぉ!?」
アイテムボックスから紫紅を出す。
「珍しい刀だな。だが、俺の大剣でへし折ってやるよぉぉぉ!」
おっさんが大剣を振り下ろす!
「キャァァァァ!ミコトさん!!」
〈ガギィィィィン!!〉
おっさんの大剣が真っ二つになった。
尽かさず、俺は刀をおっさんに向ける。
「勝負あり!ですね。」
おっさんは何があったかわからない顔をしている。
リラも嬢王もびっくりしてた。
びっくりした顔も可愛い天使、リラ。
俺は刀を鞘に納める。
「俺の完敗か・・・。お前、ホントに何者だ?」
「Fランク冒険者ですよ。」
「ミコトさん、凄い・・・あのギルドマスターに勝っちゃった・・・!」
「ギルドマスター!大丈夫ですか!?」
「問題ない。ボウズ、約束だ。今日からお前がギルドマスターだ・・・。」
「いや、無理です。やりません。」
「は?負けたら譲ると言っただろ!」
「だから、そんな面倒くさそうなことしたく無いです。俺には使命があるので。」
「使命・・・?何だ、それは。」
「教える義理はありませんね。特に貴族様には。」
「貴族を馬鹿にするのか?不敬罪にあたるぞ?」
「不敬罪なんて怖くないですよ。俺は貴族なんて偉いとも何とも思って無いので。」
「・・・貴族なんて偉くないか・・・ガハハハハ!!!おもしれえ、気に入ったぞ!ボウズ!そうだよな!貴族も所詮は人間だよな!」
急に上機嫌になるおっさん。
情緒不安定か?
「一つだけ教えてくれ。何故頑なに場所を教えない?教えれば、かなりの褒美が貰えるぞ?」
「あの場所は俺の思い出の場所なんです。そこを荒らすのであれば・・・俺は荒らした者の国ごと滅ぼす。」
あそこはきららとの思い出の場所。誰にも荒らしてほしくない・・・
その場にいる者は皆が寒気を覚えた。
(こいつの目、本気で国を滅ぼす力を持ってるやつの目だ。コイツだけは怒らせてはいけない・・・!)
「場所は教えられませんが、今ある薬草はあげますよ。」
「え、いいのか!?貴重な物だぞ!?」
「だって俺回復魔法あるので、薬草使わないし。」
「回復魔法まで使えるのか!?」
「使えますけど、何か?」
「ミコトさん、凄いです!」
いえいえ、貴女の存在のほうが1億倍凄いですよ。
「恩にきる。これで怪我人や重病人を救うことが出来る・・・!!」
「但し、条件が有ります。」
「なんだ、ギルドマスターの座が欲しいのか?」
「そんなクソみたいな役職要りませんよ。」
「うっ、クソって・・・」
「俺に全てのランクの依頼を受けられる権利をください。」
「何だと?」
「無理ならこの話はなかったことにしましょう。薬草は持って帰ります。」
「しかし、そんな特例は今迄認めたことはありません!」
嬢王が口を挟む。
頭かてーな。
「・・・わかった。認める。」
「ギルドマスター!?」
「コイツは俺に勝った。しかも、完全に手を抜かれた。ランク的にはSSランクだ。大丈夫だろう。」
「有難うございます。では、Sランクの依頼で女神の癒やし草と万能草の依頼を受けます。」
「え?」
「で、これが依頼のものです。これで依頼達成ですよね?」
「え、ええ・・・。そうなりますね。」
「これでリラに何ポイント入りますか?」
「へ?私のポイント??」
リラは驚いた顔をする。
「だって、依頼を達成するとポイント貰えるんでしょ?あんなFランクの依頼なんてポイント低そうじやないですか。だから、手っ取り早く、Sランク受けられるようにこの条件にしたんですよ。」
俺の超必殺技!買収だ!!
「まさか、私の為に?」
「え、それ以外に何があるんですか?」
「有難うございます・・・とても嬉しいです。」
すると、リラが俺に近づき、ほっぺにキスをした。
「・・・お礼です。」
・・・俺、もう死んでもいいです。
あ、駄目だ。コスプレ見るまで死ねない。
「ゴホン、いちゃいちゃするのは外でしてください!」
すいません。
「Sランク依頼達成が2つ。そして、依頼の数より多い量の加点を加え、リラには15万ポイント入ります。」
「15万・・・!?凄いです!ミコトさん、私こんなポイント見たことありません!!ミコトさんのお陰です!!」
俺の手を取り、ぴょんぴょん跳ねる。
・・・これ、持って帰っていいですか?
「因みに1番すごい依頼ってなんですか?」
「ある貴族の依頼でカイザーキングベアの毛皮と肉一頭分ですね。SSランクの依頼です。Sランク冒険者しか見れない依頼です。しかも、貴族の要望は最高級ランクの品質のみという超高難易度です。何ヶ月か前にある冒険者が持ってきたのですが、それを見た貴族が自分も欲しいと出してきた依頼です。」
「あの毛皮は凄かったな! よくあの二人が持ってきたよな。」
へー、凄い二人が居たもんだ。
それがルーシアとジュリアだということをミコトは気付いていない。
「ポイントってずっと溜まっていくものなんですか?」
「ポイントは1ヶ月毎にリセットされます。ポイントの順位によって給料にプラスで給金を与えます。」
なるほど。じゃあ、小出しするのがいいな。
俺が毎月、リラを1位にしてやるぜ!
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