第1章 ♯21 トラウマ
アスラが帰ってきた!
商会の偉い人を連れて。
「初めまして!私はサラビノ商会の代表をやらせて貰ってます、サラビノと申します。此の度はウチの商会に貴重な品々を売って頂き有難う御座います!あの様な貴重な品々を売って頂いたのに、代表の私がご挨拶もないとなると神様に失礼にあたると思い、此方に参りました。」
「神様じゃないし。」
「いやいや、あの様な完璧な品々をお持ちになってるのは神様しかいません!!」
「次に神様って言ったら、昨日の素材返してもらうよ?」
「ミコト様、今日は頼まれた商品を持ってまいりました!」
切り替えはえーな。
余程手放したくないんだろうな。
「頼まれた馬は2頭でしたが、対等ではないと思い、10頭連れて参りました!」
いや、そんな要らないし。餌代どうするんだよ。
「10頭分の餌も取り敢えず一年分持ってきました!」
やるじゃねぇか。
「頼まれた家畜も牛が5頭、鶏を20羽、豚を10頭、勿論餌付で御座います。」
代表だけあって、できるな!このおっさん!
「木材や鉄も大量にお持ちしました。野菜の種はダーコン、キャロン、キャボチ、オニウン、ピーロンで、米の苗も大量にお持ちしました。」
「有難うございます、でも、こんなにいいんですか!?」
「いやいや、まだ全然足りないくらいです!それにしても素晴らしい素材でした!カイザーキングベアの毛皮!ワイルドビッグボアの毛皮!ビッグホーンディアーの角!あんなに素晴らしいもの、私が商会を初めてから1度も見たことありません!」
あれ、なんか足りなくない?
代表のおっさんの後ろのアスラを睨むと静かに土下座をした。
あいつ、くすねたな。
まあ、いい。借りが出来た。
ネチネチとこき使ってやろう。
「褒めて頂いて有難うございます。また欲しいものあったら売りますよ。」
「本当ですかァァァァァァァ!!!!!!」
「ぎゃぁぁぁぁ!近いィィィィ!おっさんに頬ずりされても嬉しくないぃぃぃぃ!」
「是非、私の商会にお売りくださいませぇぇぇ!」
代表のおっさんは五体投地で懇願する。
「では、私どもはこれで失礼いたします!是非とも王都に要らした時はサラビノ商会に起こしくださいませ!誠心誠意、ご対応致します!!」
「有難うございます!王都に行くことあったら寄りますよ!あ、これお土産です。高価な物じゃないかもだけど、使いみちも無いのであげます。」
俺は代表に袋を渡す。
「わざわざ有難うございます。これは一体何が入っているのですか?」
「帰り道にでも見てください。意外と綺麗なものですよ。」
使いみち解らんけど。
「では、またお会いしましょう!」
サラビノが去ろうとするとアスラが代表に告げる。
「代表、俺少しこの村に残っていいですか?少し復興の手伝いがしたいです!」
「まあ、お前が産まれ育った村だもんな、よかろう。少ししたら帰ってくるんだぞ?」
「有難うございます!代表、帰り道、お気をつけくださいね!」
サラビノは振り向いて、手を上げて去っていった。
サラビノが去った後、少し離れた処で叫び声が聞こえた。
「ギャァァァァァ!これはヘルイーグルのはねぇぇぇぇぇ!!!しかも大量にぃぃぃぃ!!」
ミコトが代表に渡したのはあの雷を落とした3匹の鳥の羽。実は羽一つでもかなり高値で売買される高級な物であった。
「ありがとぉぉぉ!神様ァァァァァ!!!!」
サラビノ商会は今後、大商会となるのであった。
サラビノが去った後、俺の前には土下座をするアスラがいる。
「此の度は、代表に黙っていて頂き、誠に有難うございます!!!」
「お前、当分俺の奴隷な。」
「ひぃぃぃぃ!?そんな、勘弁してください!」
「お前に拒否権はない。嫌なら今すぐパクったもん代表に渡せ!」
「何でも仰ってください、御主人様。」
お前も切り替えはえーな。
物資が揃った処で早速、復興の準備だ。
先ずは樽と馬が引く荷車を作って貰う。
クリエイトアプリで創ればあっという間なのだが、それでは復興にならない。
俺が居なくなっても大丈夫な様に、何でも自分たちで出来るようになって欲しいので敢えて手を出さない。
余った者で田植えや畑の種まきをして貰い、子供達にブラックフルーツを取ってきて貰う。
俺はというと、家でまったりとお茶してる。
何故か隣に村長がいる。
お前も働け。元気なんだろ?
1日で荷車と樽が出来る。
荷車に樽を積み、馬に引かせる。
「川に行ってこの樽に水を入れてきてください!」
文字村人たちは疑問に思いつつ、素直に川に向かう。
何時間かして川に行った若者たちが帰ってくる。
ブラックフルーツも集まった!
さあ、醤油を作ろう!
村人に醤油の作り方を教えた。
「ブラックフルーツにこんな使いみちがあったのか・・・!?」
アスラが驚愕する。
「ミコト様ァァァァ!!!これを俺に売らせてくださいィィィィ!これは絶対売れますよぉぉぉ!!」
俺は笑顔で答える。
「は?駄目に決まってんだろ?何、調子にのってんだ?ぶっ殺すぞ?」
「ひぃぃぃぃ!笑顔なのに言ってる事、辛辣ぅぅぅ!!」
「これはこの村の名産にするんだ。他所では絶対に売らない。」
塩、胡椒、醤油。
これをこの村だけで売ればこの村が潤うシステムだ!
(でも、作り方解ったし商会帰って売ってしまえばこっちのモンだ!)
アスラが悪い顔をする。
「もし、商会に帰って同じ物売ったら、お前をグチャグチャにミンチにして熊五郎に喰わせるからな?」
今すぐにでも人を殺しそうな顔でアスラを脅す。
「ひぃぃぃぃ!!やりません、絶対にやりません!!神に誓います!だから、その物騒な刀をしまってぇえぇぇ!!」
「もし売らなくても、作り方を誰かに洩らしたりしたら···」
「サンダークラッシュ!」
俺は村の外の離れた木に向かって唱えた。
〈バリバリバリバリッッ!!!!〉
物凄い雷が木に落ちて、消し炭にする。
「あれがお前の最後の姿だ。」
「ぎゃぁぁぁぁ!!!!絶対に売りません!教えません!洩らしません!死にたくありません!!!」
これだけ脅せば大丈夫かな?
まあ、売ったりしたら本気でやるけど。
アスラは今後、死ぬまで誰にも言わなかった。
そして、雷を見るたび泣き叫んだのだった・・・。
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