第1章 ♯20 商談
俺はアスラと村長の家で商談をすることになった。
前の世界では営業職だったので意外と慣れている。
成績は余り良くなかったけどね!
「それで俺に話と言うのは?」
アスラが俺に尋ねる。
「俺はこの村を復興する手助けをしようと思ってるんだけど、何しろ復興には金がいる。だから、俺が持ってる素材をいくつか買い取って貰いたいんだ。」
「なるほど!村の人たちを助けて頂けただけではなく、村の復興まで!ミコト様には頭があがりません。喜んで買い取りましょう!素材というのはどちらでしょう?」
俺はアイテムボックスからいくつかの素材を出す。
「これで幾らになるかな?」
「・・・う、」
「う?」
「うおぉぉぉ!!!!」
「えぇぇぇぇぇ!ど、どうしたんですか!?」
アスラの叫びが村中に響き渡る。
「こ、これはカイザーキングベアの毛皮ぁぁぁ!!王都で何ヶ月か前に初めて見たっきりの幻の毛皮じゃないですかぁぁぁ!!」
因みに初めてみた毛皮は森にきたあの二人にあげたものだということをミコトは知らない。
「こっちはビッグホーンディアーの角!!こんな綺麗な形であるのは奇跡ですよ!?あぁ、こっちはワイルドビッグボアの毛皮と牙!これを傷一つない最上級品!?このデーモンラビットの角と牙も傷付けずに撮るのは至難の業といわれてるにも関わらず美しいまま解体されている!!
これらは何処で手に入れたんですか!?」
「え、何処って悪魔の森って処だよ?3ヶ月位そこで住んでたから。」
「「「えぇぇぇぇぇ!!!!」」」
気付くと村中の人が家の中を覗いていた。
アスラが叫んでるのを聞いて見に来ていたみたいだ。
「・・・嘘つくんじゃねぇぇぇぇ!!」
「ぎゃぁぁぁぁ!アスラが豹変したぁぁぁ!!」
「あの森はSランク冒険者でも死ぬかもしれない前人未到の死の森!!そんな場所に人間が3ヶ月も暮らせるわけねぇだろうがぁぁぁ!!!」
いや、暮らせたし。
「じゃあ、証拠見せようか?」
「へ?」
俺たちは外に出る。
「ちょっと準備するから待ってね。」
というと俺はアイテムボックスからクレイジーフィッシュを出す。
「アレはクレイジーフィッシュぅぅぅぅ!?!?選ばれし貴族しか食せないと言われた幻の魚!!
え、この場で焼いちゃうの!?もったいなぁぁぁい!!」
いちいちうるせぇやつだな。
何が幻だ。森の川にいっぱいいたし!
魚が焼き上がり、準備完了。
「ちょっと離れてて!」
俺に促され全員距離をとる。
「テイム!熊五郎&熊美!!!」
俺の目の前に熊五郎と熊美が召喚される。
《あ、兄貴!お久しぶりです!!》
《あ、ミコトさんお元気でしたか?美しい熊、熊美ですよ!》
「おー、いきなり喚んで悪いな!ほら、アスラ!森の中であった俺の友達だ!!」
「・・・ぎゃぁァァァァ!!!カイザーキングベアだァァァァァァ!!!殺されるぅぅぅぅ!!しかも喋ったぁぁぁぁ!!!!」
村人全員が逃げ惑う。
村長が1番早かった。
あの野郎、1番動けるじゃねえか!年寄りぶりやがって!!
何とか全員を宥め、2匹には魚を渡して帰ってもらった。また喚んでやるからな。
俺の前には土下座をするアスラがいる。
「疑ってしまって大変申し訳ございませんでしたぁぁぁぁ!!!クソみたいな態度をとってしまい、ごめんなさぁぁぁぁぁいィィィィ!!!」
「良いよ!解ってくれれば!本当だったらボコボコにして熊の餌にするとこだったけとね」
「ひぃぃぃぃ!!!」
「冗談だよ!・・・半分は。」
「半分は本気なんですね!?ごめんなさぁぁぁぁぁい!!」
ちょっとスカッとしました。
実はアスラの態度に苛ついてたのは秘密だ!
「で、これでいくらになる?」
「ほんとに売っていいんですか!?超貴重ですよ!?」
「うん、いいよ、いっぱいあるし。」
「いっぱいあるんですか!?」
「熊の毛皮はあと50くらいだけど、後は100以上あるよ?」
「・・・貴方は何者ですか?神ですか?神なんですね?」
最初に言ったじゃねえか、神じゃねぇよ。
話が全然進まねーよ。
「これら全部売ったら軽く街が作れます。城が建ちます。」
「街なんていらないんだけど。馬2頭と家畜と木材と鉄が欲しいんだけど。」
《マスター、そんな安く見積もっていいんですか?馬鹿なんですか?》
うわァァァ!いきなり入って来んじゃねえよ、Riri!
しかも、辛辣!
《最近構ってもらえなかったので、勝手に喋りました。マスターにしか聞こえないので大丈夫です。》
かまってちゃんか!?
必要なものが有れば今はいいの!
《こうやってマスターは損をする人生を歩むんですね。》
うるせぇ。
「そんなんでいいんですか!?カイザーキングベアの毛皮ですよ!?」
「いいよ。この村が復興出来れば。」
「わかりました。王都に戻って至急用意します!」
「あと野菜の種も有ればいっぱい持ってきて!」
「わかりました!ホントにそれだけでいいんですね!?」
「大丈夫だよ。あとはお釣りはアスラのお小遣いにしていいよ。」
「お小遣いの域を超えてます。」
アスラは大急ぎで王都に帰って行った。
家を出たら村人全員土下座してた。
余程、熊が怖かったらしい。
もう喚ばないことにしよう。
サヨナラ、熊五郎。
次の日、速攻でアスラが帰って来た。
頼んだ数の倍以上の馬や家畜、品物と商会の1番偉い人を連れてきた。
偉い人も俺のことを神様と呼び出した。
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