第4章 ♯10 母は強し。
子供達をジュリアと二人で見ていると、下位の母親達が走ってくる。
「ミ、ミコト様ァァァァァ!!」
「ぎゃぁぁぁぁ!
いきなり何だ!?」
「わ、私達にも是非、お菓子の作り方をおしえてくださぁぁぁぁぁい!!!!!」
母親達が土下座をする!!
「あんなに美味しいもの初めて食べましたぁぁぁぁぁ!!
この世にあんなものがあるなんて!!!!
是非ともお願いします!!
教えてくださるなら奴隷にでも何でもなりますからァァァ!!!」
いや、お菓子で奴隷って・・・
もっと自分を大事にしろよ・・・。
子供達ビビってるぞ。
「そんな、奴隷なんていいから。
折角だ、上位の母親達に教えてもらったらどうだ?
俺達が教え込んだんだ。
もう教えられるよな?
ちゃんと教えることが出来たらケーキ作りを教えるぞ?」
『ケーキ!?』
「何その魅惑の響きは!?」
「それ、絶対美味しいやつでしょ!?」
「多分最強のお菓子に違いないわ!!」
「きっと私のオールブルーはそのケーキというものよ!!」
だ、誰だ?
何故オールブルーを知っているんだ!?
「さあ、貴女達!
お菓子作りを教えてあげるわ!!
ケーキが私達を待ってるわ!!」
女性軍が走って厨房へ向かう。
「お菓子は女性を虜にしますからね・・・。
私は作れませんけど・・・。」
「ジュリアは料理壊滅的だからな。」
「うう・・・
どうしても上手くできないんです。」
「まあ、向き、不向きがあるもんな。
気にすんな。」
「旦那様、優しい♡」
お昼の時間になる。
ルーシアが子供たちの為にお昼ご飯を作ってくれた。
見たことない料理に驚く下位の子供達。
美味しそうな匂いでヨダレが垂れている。
「よし、食べよう!」
『いただきます!!』
それぞれ一口食べてみる・・・。
『美味しいぃぃぃぃ!!!』
「こんなの初めて食べるよ!!」
「ママの料理より100倍美味しいよ!!」
かあちゃんの前では絶対言うなよ?
ちょっと離れたところで同じ様に声を上げていた。
下位の母親達の声だ。
女子会の会場でも昼食が出され感動しているみたいだ。
「こんな美味しい物があるなんて!!」
「私が作るより100倍美味しいわ・・・!!?」
あ、自分で言っちゃうのね。
その後、またもや母親達が来て、料理も教えてほしいと懇願された。
料理教室は上位の母親達と合同で行われることになった。
そうして、上位と下位の母親と子供達の交流会も1週間続けられ、お互いの仲も更に良くなった頃ある出来事が起きる。
いつもの様に子供達は楽しく勉強したり、遊んだりしていた。
母親達もお料理教室と女子会で花を咲かせていた。
そこに上位の男連中が乗り込んできた。
「何でこの村に下位の奴らがいるんだ!!」
「お前ら!俺達が働いている間に下位の奴らとつるんでいたのか!?」
「俺達が作った食料を何で下位の奴らが使ってんだよ!!」
かなり怒っている様子の男連中に母親達はビビってしまう。
「落ち着いてください!
これは旦那様が計画したことなんですよ!!」
「そんなこと知るか!!
あの方がやったことであろうと、許せないもんは許せないんだよ!!」
「そうだ!
何で俺達が下位の奴らの為に働かなきゃならねえんだ!!」
「テメエらも俺達に内緒にしてやがったな!!」
上位の女性軍が責められ、何も言えなくなる。
こういうことになると分かっていたので、母親達も子供も男連中には何も話していなかった。
「何も話さなかったことは謝るわ。
でも、これはミコトさんがやってくれたことなのよ!
あの人の好意でこちらの下位の獣人達と仲良くなれたの!!
私達は貴方達と違って別に上位とか下位とかどうでもいいもの!!
貴方達と一緒にしないで!!」
「何ぃぃぃい!!
女の癖に俺達に逆らうのか!!
調子に乗るんじゃねぇぇぇぇ!!!
誰のお陰で飯食えてると思ってんだ!!
俺達が働いてるからお前らは飯食えてんだろ!?
テメエらは俺達の言う事を素直に聞いてればいいんだよ!!
このタダ飯喰らいがぁぁ!!」
〈ピキッ〉
「そうだ!
何もしねえくせに勝手に食材使いやがって!!
しかも下位の獣人達とだと!?
ふざけるな!!
テメエらは黙って俺達の為だけに飯作ってりゃいいんだよ!!」
〈ピキピキッ〉
「ガキ共も何、下位の奴らと仲良くしてんだよ!!
テメエらは大人しく上位同士で仲良く勉強してればいいんだよ!!
下位の奴らと一緒にいたら下位の奴らみたいに弱くなっちまうだろ!!
お前らは俺達みたいにならなきゃいけないんだよ!!
この馬鹿な女達みたいになったらどうすんだ!?
お前らはこんなクソ女達と一緒になんじゃねぇぇぞ!!」
〈ブチッ!〉
「・・・じゃないわよ・・・」
「あ?なんだって?」
「ふざけんじゃないわよぉぉぉぉぉ!!
何もしない?タダ飯喰らい?
私達が何もしてないとでも思ってんの!?
アンタ達のご飯は誰が作ってんのよ!?
洗濯は?掃除は?子供の面倒は?
アンタ達が何も考えずに仕事出来るのは誰のお陰よ!?
こっちはアンタ達が仕事に集中出来るように気を使って家事をこなしてんのよ!!
食材だってそうよ!
アンタ達は今迄下位の村から奪ってきたでしょ!!
あっちだってアンタたちの為に食料を作ってきたんじゃないでしょう!
ちょっと最近自分達で出来るようになったからって何なのよ!!
今迄迷惑かけた分、こっちから提供してるんでしょうが!!
調子に乗ってんのはアンタ達だろぉぉぉぉぉがァァァァ!!!!
私達がいなければ何も出来ないくせに偉そうにすんじゃねぇぇぇぇぇ!!!」
「て、テメエ!
何調子に乗ってんだ!!」
男が殴りかかろうと拳をあげる!!
〈ドガッッッ!!!!〉
それよりも前に嫁の重そうな右ストレートが男の顔面に炸裂し、男は吹っ飛び気絶する!
「私達だって上位の獣人なのよ?
強いのはアンタ達だけじゃないわ。
今迄の分たっぷりとお返ししてやるわよ!!
皆いくよ!!」
『おおおおおおお!!!!』
女性軍の強さに圧倒される男達。
実は男達より女性軍の方が遥かに強かった・・・。
そうだよな・・・。
前の世界の動物でもメスの方が狩りしたりするもんな・・・。
母は強しってことか。
実は途中からいた俺。
ジュリアの監視から連絡を受け、駆けつけて来たが、俺の出る幕は無かった。
「おい、お前ら・・・。
ここでは暴力禁止って言ったよな?」
「ミコトさん・・・。
ごめんなさい・・・。
余りにもムカついてやってしまいました・・・。」
「全部見ていた。
でも、ルールはルールだ。
お前たちに罰を与える・・・。」
「ちょっと待ってください!!
この方達は私達の為に怒ってくれたんです!!
罰を与えるのは止めてください!!
お願いします!!」
下位の獣人達が女性軍を庇う。
「あ、アンタ達・・・!」
「知ってる。
でも、ルールはルールだ。
どんな理由が在ろうとも俺が決めたルールを守らなかったのは俺に逆らったと同じ。
俺に逆らったので罰を与える・・・。」
「へへっ!
ざまあみろ!!
俺達に盾突いた罰だ!」
「ああ?
まさかお前らは何も罰を与えられないとでも思ってんのか?」
「は?
俺達は暴力なんて奮ってないぞ!!」
「この状況を作ったのはお前らだろぉぉぉぉぉが!!
連帯責任だ!!
全員に罰を与える・・・!!」
「はぁぁぁ!?
ふざけんなァァァ!!」
【迅雷の拘束具】
『ぎゃぁぁぁぁ!!!』
「おい、誰に対して言ってんだ?
俺は支配者だぞ?
ふざけてんのはどっちだ?」
『ずいまぜんでじだぁぁぁぁぁ!!!』
「お前らに罰を言い渡す。
女性軍はこれから1週間、畑仕事と狩りを行え。」
『・・・はい。』
「男達は畑仕事しなくていい。」
「え、マジか!!
やったぜ!!」
「寧ろご褒美じゃねえか!!」
「但し、お前らは女性軍の代わりに家事をやれ。
掃除、洗濯、料理、子供の世話。
全部お前らがやれ。
女性軍が手伝うことは許さない。
手伝ったことが分かったらその家族全員を拷問する。
勿論、子供もだ。
手を抜いたり、サボったりしたらその都度、拷問をする。
監視の数を1家庭1台つける。
お前らの行動は筒抜けだ。
まあ、女性軍を馬鹿にしたお前らなら、寧ろご褒美だよな?」
「はっ!
こいつらが出来るんだ!
楽勝にこなしてやるよ!!」
「言ったな・・・。
じゃあ、楽しみにしてるぞ。
因みにお前らに料理は教えない。
精々頑張って美味しい料理を作るんだな。」
『えっ!?』
男共は料理の作り方を知らない。
そのことを男達は忘れていた。
いきなり窮地に立たされ、焦る男達。
「もう一度いう。
絶対に手伝うなよ。
朝も昼も夜もお前らが作れよ?
食材無駄にすんなよ?
お前らが育てた大事な大事な食材だもんな。
残さず食えよ?」
『しまったァァァァ!!!!』
ことの重大さに気付く男達。
「あとはお前達だ。
お前たちにも罰を与える。」
「私達もですか!?」
下位の獣人達が驚く。
「当たり前だろ?
少しでも俺に盾突いた罰だ。
お前らは午前中、料理教室で料理を学び、子供達の昼飯作り。
午後は女性軍に混じって畑仕事だ。
いいな?」
男性の見えないところで言葉とは裏腹に笑顔のミコト。
「は、はい!
わかりました!!」
こうして、男女逆転の生活が始まる。
因みにここにいた獣人達は全て既婚者。
独身の獣人達は関係ないので、そのまま働いてもらう。
だって、一人暮らしだからね。
いつも家事なんてやってるだろうし、ただ仕事無くなるだけだからね
罰を受ける獣人達にとって地獄のような1週間が始まる。
男共は余裕ぶっていたが、掃除をすれば何かを破壊し、洗濯をすれば服を破き、料理をすれば激マズ。
段々と余裕が顔から消えていくのが見てわかった。
一方女性軍は最初は悪戦苦闘してたが、なれてくると寧ろ男達より手際が良く、楽しんでやっていた。
手際が良い為、途中男どもにはないお茶タイムまでできる始末。
寧ろ、こっちの方が楽だと言う感じだったが、帰ってからが地獄だった。
家に帰るとグチャグチャの部屋、破れた綺麗になってない服、激マズ料理、泣いてる子供。
手伝いたい気持ちでいっぱいになるが拷問が怖くて何も出来ない。
只々ストレスが貯まる一方であった。
因みに男達はほぼ全員拷問を受けている。
最初のうちに殆どの者がサボっていたからだ。
一人だけ強者がいて、奥さんのやっていることを普段から手伝っていて、家事も余裕でこなすイクメンがいた。
あの場に居たが、ただとばっちりを受けただけで旦那も妻も何の不満もないパーフェクト夫婦だった。
可愛そうなことしたな・・・。
因みに押しの強い女の子に責められていたヒョータくんの両親だ。
ヒョータくんは将来、押しの強い女の子に根負けし、結婚まで至る。
同じネコ科同士幸せにな。
女の子は猫の獣人だったからな。
一部を除き、地獄のような1週間が終わる。
広場に罰を受けた獣人達を集める。
集まってそうそう男共が女性軍に土下座する。
『調子にのってすいませんでしたァァァァァ!!!!』
「分かればいいのよ!!
こっちもこんな日々が続くなら家事やってるほうがマシだからね!」
「どうだ?
母親達の大変さが分かっただろ?
お前たちが適当に働いている間に全ての家事を1人で完璧にこなし、子供のこともしっかりやってるんだ。
お前たちの為に料理を一生懸命覚え、お前たちの為に精一杯尽くしてくれんだよ。
なのに、お前らは全然その有り難みが全然分かってない。
お前らが仕事中に遊んでる?
違う。家事を完璧にこなしてから集まってるんだよ。
お前らの畑仕事より女性軍の方が手際がよく、食物も丁寧に扱い、無駄のない仕事をしていたぞ?
お前らは何も良いとこないな?
狩りだって女性軍の方が強かったぞ?
いつもより肉の量が増えている。
お前らが居ないほうがこの村はもっと良くなるんじゃないか?
完全なるお荷物だな。
大喰らいのお荷物なんて要らないな。
さようなら。」
Riri風に言ってみました。
うちの嫁3人が少しぴくっと反応してた。
《マスター、貴方は本当に甘いですね。
もっと殺す勢いで冷たく言うべきです。》
謎のレクチャーを受ける俺。
嫁3人も今迄でを思い出し、複雑な顔をしている。
「ミコトさん、この度は私達の為に厳しい罰を与えてくれてありがとうございます。
やはり私達には家事がお似合いです。
畑仕事をしてても家のことばっかり気になって集中出来ませんでした。」
集中しないであの仕事っぷりか!?
どんだけ出来るんだよ!!
本当に男達要らないな!!
「だから、旦那達にはこれからも畑仕事をして欲しいです。
これ以上キツい罰はないです。
どうかお許しください。」
女性軍が皆土下座をする。
「お前達はどうだ?」
「・・・俺たちには家事は無理です・・・。
畑仕事の方が何倍も楽でした・・・。
調子にのってすいませんでした。
もう、2度と妻たちを無下にはしません!!」
男達も土下座をする。
「分かったならそれで良い。
これからは嫁を敬えよ?
女性軍は全てお前達のことを考えて生きているんだ。
偶には息抜きしたっていいだろ?
下位の獣人と仲良くしたっていいだろ?
仲良くしたからってお前たちの生活に影響があったか?
寧ろ、お前達の今迄の行動を何も関係ない女性軍が頭を下げて謝ったんだぞ?
なんで、村を襲っていないコイツラが謝らなきゃいけないんだ?
バカなお前達の為だろ?
いい加減、お前らの愚かさに気付け!!
それとも気付くまで死ぬまで拷問にかけてやろうか・・・?」
『ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!わかりました!!!』
まあ、直ぐには変わらないだろうが何れ気付くだろう。
女性の偉大さと尊さを。
その後、生活が元に戻り、夫婦仲も前より良くなった家庭が増える。
その影響か、妊娠する獣人が増えた。
そして、この村では徐々に女性の方が権力を持ち始めることになるのは少し未来の話・・・。
おはようございます!
本日も一日頑張りましょう!!
引き続き、評価&ブックマーク登録も受け付けております!!
どうぞ宜しくお願いします!!




